さて、前回、土壌を形成するために、草が重要な役割を担っている…というお話をしました。草は、「風の谷のナウシカ」の“腐海”みたいに、失われた自然を再生しようとしてるんですよね~😃

なんて書くと、草むしりって、自然破壊?!なんて思われる方もいらっしゃるかも😅ですが、そんなことはありません(きっぱり)😉

人が、自然の営みに”正しく”介入することで、かえって自然が豊かになるってことだってありますから!

里山がよい例ですよね。人が、自分達の生活のために、雑木林に適切に介入することで、生物多様性が増し、より豊かな生態系が保たれる❣️…自然と共に生きる知恵が、昔から、人にも備わってたんですよね。

そんな里山みたいに、自然も人もWin-Winな庭を造っていきたいな~と思っています😁

で、実際、庭で草を使って土作りするのって、いったいどうやるの?って、はい、まず一番手軽なのは、刈り取った草でマルチすることです。

そう、有機物マルチの材料に、庭の草を使うってこと😉なぁんだ、また、これ!ですね😁

草むしりで出た草を、土に被せるようマルチしておくと、ほんのしばらくで草は茶色くなって、土に馴染んでいきます。そんなことを繰り返すうちに、草でしっかりマルチしたところは、ミミズがたくさん棲むようになり、いつの間にか、フカフカの黒土に❣️

これって、草が土を肥やすシステムに、ほんの少し、人が手を貸し、効率化した…ということではないでしょうか😸

ここで、少し私が体験したことをお話したいと思います。

私が、八ヶ岳で庭作りを始めたのは、2012年の春。

痩せた耕作放棄地だったこの土地は、背丈ほど伸びた草で一面覆われていました。

最初の一年は、土地の人にお願いして一面草刈りを続けました。すると、次の年には、土地は、膝丈位の稲科の草で覆われるようになりました。

草刈りを続けながらも、花の苗を植え、苗の周囲と花壇にしたい場所を刈った草で分厚くマルチするようにしてみました。

すると、草でマルチしたところは新たな草の発生が抑えられ、苗は草に飲まれることなく成長を始めたんです。

草マルチの下の土を掘ると、ピョンピョン元気なミミズが姿を表す位になって❣️

八ヶ岳の庭は、こんな風に、無限に生えてくる草を使って草を制御し、同時に土を肥やしていったんです。大規模に人手や機械を入れて土壌改良することなく、私の”手”で…
(注:月に一度、東京から通いでの庭仕事です😮家もまだ、建ってません😅)

庭仕事をしていると、よく話しかけてくださるうちの近くの牧師様から伺った話ですが…
この辺りを昔、開拓した人達は、やはり草を使って土を肥やしたのだとか。「刈草は、土の上に敷いておくんだよ」と、教わりました。先人の知恵は、やはりすごいです✨ 



さて、この草マルチですが、実際にやるときには、いくつかコツがあります。

一つ目は、まあ、当然なことですが、草の種子ができる前に刈って、マルチにすること。草マルチしたら、草の種蒔きしたみたいになっては、来シーズンが心配ですよね😅

もうひとつは、できれば、草の根を残して地際で刈り取る…ということなんです。なかなか慣れないと難しいと思いますが…。

根を残した方が、根圏のネットワークを壊すことなく、また、残した根は有機物として土を肥やし、空いた根穴で土の通気性が良くなるという理屈…なんですよね。

もちろん、地上部を刈り取るだけでは、すぐにまた復活して生えてきてしまいますので、根ごと抜いてしまってもよい場合もあると思います。むしろ多年生の草は、(抜けるものなら)根も抜いた方がいいですよね😅

…こんな風に草マルチを続けると、生えてくる草の種類がだんだん変わってきます。

初めのうちは、スギナだとか、メヒシバのような稲科の草が優勢だったのが、土が肥えるに連れて、それは、おとなしくなり…。

そのうち、ハコベやホトケノザのような、柔らかくて背の低い草が生えるようになります。これらの草は、よく肥えた畑の縁等に見られる草ですよね。

スギナや稲科の草は、容赦なく刈り敷きますが、ハコベやホトケノザは、植えてある植物の邪魔にならない限り、秋から春先のグランドカバーとして、残しておいてます。

寒さの厳しい冬は、こういった草でカバーしておいた方が、霜柱が立たず、乾燥からも土を守ってくれるんですよね。

夏に近づくと生えてくる、大きくなりがちな夏草の発生を抑えてくれることも期待できますし…。

こういった生きた植物でグランドカバーするのは、有機物マルチするのと同じ…と考えています。生きているか、枯れているかだけの違いで、どちらも有機物。土を覆うだけで、土を肥やす方向に働きます。

突然ですが😅、ここで、↓の記事で紹介した地質学者デイビッド モントゴメリーさんの提唱する持続可能な農業のための”三原則”を思い起こしてみましょう。


第一に、微生物の定着を阻む土壌の攪乱の抑制。つまり耕さないこと。
第二に、土を覆い水分を保持する被覆作物を栽培すること。
第三に、多様性のある輪作で、土に栄養を供給しつつ病原菌を排除すること。

というのが、デイビッド モントゴメリーさんのおっしゃる三原則でしたよね。

ほら、草を用いたグランド カバーは、第二の内容と、重なってきませんか?

表土は、裸にしておくままではどんどん風化し、降雨で流され、失われていってしまいます。

でも、有機物や、草等の生きた植物でカバーされてさえいれば、どんどん土は豊かになっていくんです。

さて、草を見る目は、少しは変わったでしょうか…😅

次回も、あと少しだけ、草のお話をします。

だって~!

草にいくら役割があると言っても、どうしたって、見映えの問題がありますよね。

それから、草を生やし放題にしたら、大事な植物が負けて育たないよね、とか。

地下茎を伸ばして蔓延る草は、どうしたらよいかとか。

これは、正直、私も悩みの種なんですけれど…😅

ご一緒に、悩みましょう!?


(このラーク アセンディングは、草マルチで守られて育った、たくましいイングリッシュローズです。)