さて前回、土作りのためには、土を常にバーク堆肥や腐葉土等でマルチしておく“だけ”でいいというお話をしました。

え?マルチする前に耕さなくてもほんとにいいの?と思われた方、きっといらっしゃいますよね。

そう、耕さなくてもいいんです😉

自然の林と同じように、土に棲むミミズやダンゴムシ等が、施された堆肥や腐葉土を細かく砕き、それをエサにモリモリ元気になった土壌の微生物達が、どんどん土を肥やしてくれるからなんです。

耕してしまうと、時間をかけて構築された根圏の微生物そうを壊してしまうことになります。

また、耕してむき出しになった土は、紫外線や風雨で、風化し流されて、大切な土壌が失われてしまうことになりかねません。

実際、大規模な耕作によって、世界のあちこちで、土壌が荒廃しているという話を耳にしたことがある方もいらっしゃるのでは…。

↓は、先日ご紹介した、アメリカの地質学者、デイビッド モントゴメリーさんの著書です。


耕作によって土壌が荒廃した結果、数々の文明が滅びたり、革命が起こったりした…という、土壌を視点にした人間の歴史の考察。とても興味深く読みました。この本もベストセラーとなっています。

この本を読むと、一般的な耕作を続けると、結果的に生命を養う大切な土壌を失ってしまう…ということが納得できるだけでなく、持続可能な農業のための手がかりを得ることができます。

まあ、庭造りの担い手にとっては、土を耕すのはそもそも重労働ですから、耕さない方がいいのだとしたら、その方がぜったいに楽ですよね😊

ただ、堆肥や腐葉土によるマルチによって土を作るのには、少しばかり時間が必要です。
少なくとも数ヶ月、半年、一年といったスパンで土の変化を見ていくという感じ…😅

基本的には、どんな土地でも、落ち葉等の有機物や自然に生えてくる草で覆っておけば、時間が経つに連れて、肥沃な土に変わって行くのですが、さすがに自分の庭で、そんなには待てませんよね~!

家を建てたばかりの敷地にありがちなガチガチの庭土や、赤土がそのままむき出しになったような水捌けの悪い土地、石ころが混ざっているような土や砂地では、ある程度土壌改良した方が、最初からラクに植物が育つと思います。

しかし、全面的に花壇の土壌改良をするのは、作業もたいへんですし、費用もそれなりにかかります…💦

そこでまず、植えようとする植物の根が届く範囲だけ、石ころ等を取り除き、よくこなれた堆肥や腐葉土を混ぜ土を柔らかくし、水捌けをよくしておくというのはどうでしょう。

植物を植えたら、植物の株周りだけでなく、花壇全体をしっかりとバーク堆肥や腐葉土でマルチしておきます。

次の植え替えの頃には、マルチしたところの土は、耕してないのに、以前よりは柔らかくなっているはず…さらにマルチを続ければ、どんどん土はフカフカになっていきます❣️

そうなってくればもう、耕す必要はありませんよね✌️

この、堆肥や腐葉土を使ったマルチを”有機物マルチ”と言います。

有機物と言うのは、生き物の身体を構成している物質…分解されて最後は土になるようなものと捉えると分かりやすいかもしれません。

“有機物マルチ”は、2000~2005年頃に『現代農業』(農文協)という農業の専門誌で紹介され、知った農法です。それから長年、実践を通してこの農法の効果を実感していたところ、デイビッド モントゴメリーさんの各著書に力強く裏打ちされたという…😃

(デイビッド モントゴメリーさんの著書については、↓で、ご紹介した通りですよね😉)

この有機物マルチには、場合に応じた様々なやり方やコツがあります。

例えば、バーク堆肥や腐葉土をたくさん購入して花壇全体をマルチするのは大変~!って思う方も、工夫次第で、お金をあまりかけずに行うことができます😉

次回は、この有機物マルチのコツや応用について、お話しますね。


(有機物マルチによる土壌改良で、八ヶ岳の草地が、バラも咲く庭になりました😸)