音大生の実技試験で大切なこと  | ゆききちの代謝異常症姉妹子育てブログ

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音大生の2月は

実技試験の季節ではないでしょうか。

1月末〜2月頭にかけて、実技試験があり、

その後、大学は入試体制に入っていきます。


そっぴーも2月の始めに今年の実技試験を

終えました。


大変だったのはピアニスト探し。

どこの大学も似たり寄ったりの時期に

試験をするし、ピアノ科の学生に頼む

にしても、ピアニスト自身も自分の試験に

集中したいしで、なかなか大変です。


結局そっぴーは、門下の先生を頼って

プロをご紹介頂きました。


トランペット奏者の伴奏に経験の多い

ピアニストさんで、沢山のアドバイス

を貰えて、勉強になったみたいです。


加えて、門下の先生だけでなく、

大学の外へ出て、他の先生方の

レッスンも受けに行ったので、

1月は大忙しでした。


沢山の刺激を受けて、来年の卒業試験の

イメージも膨らんできたみたいです。


実技試験で大切な事って何でしょうか?

ミスをしないで音をきちんと並べる事

でしょうか。

それとも、ポイントになる高音をきっちり

当てに行くことでしょうか。


考え方は様々ですが、そっぴーの門下の先生

が大切にしているのは、

演奏者が「こんな風に演奏したい」

という思いが伝わる演奏です。

「○○作曲の△△という曲を演奏する」

ではなくて

「△△をそっぴーならこう表現する」

という意志の様なものが伝わるかどうかです。


更に具体的な事で言えば、以前門下生として

お世話になっていた、恩師T先生は

「曲の決めポイントの高音は、外すことを

恐れずにチャレンジしろ!」

と強く仰っていました。


素人考えでは、曲の決めポイントで

失敗すると、聴いている人が

「あー、やっぱりダメか。下手だなぁ」

と思うだろう、と考えます。


だから、あまり高音がない曲を…なんて

考えますが、大学の学年末実技試験に

相応しい曲で高音がない曲はありません。

避けては通れないのです。


それでも、曲によっては影譜が付いていて

“ここの部分は1オクターブ下で吹いてもいいよ”

という助け舟の指示が書かれている事もあります。


すると、不安になった学生の一部は

曲の完成度を上げるために、

高音を避けて影譜を選んでしまったり

します。


影譜もないのに、舞台上で勝手に

オクターブを下げる人さえいます。


でもこれ、全然評価が伸びないやり方です。

むしろ、逆効果です。


トランペットはコントロールの

難しい楽器です。

ピアノの様に、鍵盤を押せば高い音が

出るわけではありません。

なので、評価されるプロのトランペット奏者の

先生方も、高音が大変なのは百も承知なのです。


曲の中のたった1つの音で評価を変えたりは

しません。


クライマックスにある1つの高音よりも、

曲の出だしの方が余程注目されます。

曲によっては最初の1音で決まる、

なんて言われるものもあるくらいです。


クライマックスにあって、難しい高音に

正面から向かっていく方がずっとずっと

評価されるのです。


それに、1回の試験が全てではなくて、

もっと長い目で自分の演奏技術の向上を

考えるべきです。

「本番はレッスンの30回分くらい勉強になる」

とT先生は何度も仰っていました。

そのくらい学習効果の高い本番でチャレンジ

しないならば、30回分の効果だったはずが、

10回分にも及ばないかもしれないし、

チャレンジを回避したにも関わらず、

評価も芳しくないとしたら、

レッスン10回どころか、自己肯定感を下げる

結果になるでしょう。


曲のあらゆる局面で、ドライブ感たっぷりに

演奏して、

「あぁ、この子はトランペットが

好きなんだな、この曲に惚れてるんだな、

だから、きっと沢山考えて、沢山練習した

んだな。そして何より今、演奏を楽しんでる。

音楽が楽しいことを、聴衆に伝えようと

している」

と審査員に思わせたら、勝ちです。

そういう演奏って、ミスがあっても、

愛せてしまうし、そういう人には期待も

してしまうのです。


これは、トランペットに限らず

全ての演奏に通じるし、

なんなら音楽に限った話しではありません。


絵画や文学など

あらゆる芸術表現においてもそうだし、

受験や企業の面接だって、

プレゼンだって、

同じじゃないでしょうか?


伝えようという意志。

これが人の心を動かしますよね。


そっぴーは難しいポイントにも

臆する事なく果敢に挑みました。

ミスもあったけど、気にせずに、

7分間チャレンジの連続でした。

大好きな曲で受けた学年末実技試験。

沢山の先生方のご助力の甲斐あって

曲の出だしは素晴らしかった。

今の師匠にも大いに誉められました。


そばで見ていて私も、とても勉強に

なりました。


因みに演奏曲は

スパーク作曲、『マンハッタン』です。

本来は10分以上ある曲なので、試験用に

一部をカットして7分間バージョンを作成

して演奏しました。


写真は昨年のオーケストラ授業の

コンサート会場にあったエントランスの

シャンデリア。

大変有名なホールです。

どこのホールか分かるかな?