そっぴーの解離性同一性障害(DID)は
恐らく、ごく小さい頃、3歳くらいに
発症していたと考えられています。
原因は概ね、先天性代謝異常症である
メープルシロップ尿症の治療だと思われます。
DIDを発症する原因は様々ですが
幼少期の虐待はその中でも大きな
原因の一つです。
そっぴーの場合は、繰り返される
点滴と入退院のストレスが、虐待と同じ効果を
持ってしまったと、O先生がおっしゃっています。
血管が細く曲がりくねっており、
肌が白いため、よく見えている血管でも
想像よりずっと深い所にある我が家の子供達。
点滴はいつも90分以上かかる大仕事。
失敗した穿刺跡が両手にいくつもある
状態で、泣き疲れて脱水している
事もしばしばでした。
また、院内では代わる代わる
看護師たちがやってきて、
二言目には
「ミルク(代謝異常の治療用除去ミルク)
飲めた?飲まないとお家に帰れないよ。」
と1日に何度も言われ続けます。
2、3日に一度は点滴が漏れて入れ直し。
慣れたとしても、心が擦り切れてしまう
のは当然ですね。
加えて私の育児の仕方も良くなかったのです。
日常、自宅でも、ミルクを飲みたがらない
時にはやはり「入院になっちゃうよ」
と私も言ってしまっていました。
躾も比較的厳しかったと思います。
ハンディがあっても健常者として
生きていくには、他者に迷惑をかけたら
煙たがられるし、社会から必要とされる
人材に育て上げなくてはと、
とても気負って子育てしていました。
そういう辛さから逃れるために、
そっぴーは3歳くらいで新しい人格を作り出し、
その後もライフステージで壁にぶつかるたびに
新しい人格は増えてゆき、今は5人の人格が
存在しています。
私は解離性同一性障害の中でも
人格が3人以上いるのがとても少数だと
いう事を知りました。
そっぴーの5人の人格は
A 同世代の男性(陰キャ)
B 同世代の男性(ASD)
C 少年(ADHD)
D 同世代の女性(料理や刺繍が好き)
E 男性(黒幕)
だそうで、大抵はAかBかCです。
なのでそっぴーはジェンダーの問題を抱えて
いるのです。
O先生のセカンドオピニオンの際に対応したのは
人見知りしないC。催眠で呼び出されたのがA。
そっぴーの場合は記憶の共有がある程度
出来ていて、知らない間に時間が進んでいる、
した覚えのない事がされている、などは
あまりありませんが、細かいところまで
記憶できていないことはよくあります。
高校くらいまでの間は、帰りの会の伝達事項
をよく忘れていましたが、これは、覚えたものを
忘れたのではなく、覚えたのと、思い出そうと
してるのが別の人格だからです。
記憶の共有はできていても、記憶に伴う感情
や実感は伝わらないので、あらゆる出来事が
まるで他人に起きたことの様に感じるそうです。
記憶の共有が比較的上手くいっているのは、
複数の人格がスタンバイしているからだそうです。
リビングルームでテレビゲームをしている
ところを想像して下さい。
ゲームのコントローラーを握っているのが
表に出て来ている人格です。
そのすぐそばで他の人格が様子を
見ていてくれているおかげで、
複数の人格が記憶を共有しているのです。
この中でEが注目すべき存在です。
Eは表に出てくる事はありませんが、
不意に表に出ている人格に囁いて
くるそうです。
それも悪意的で破壊的なことばかりを
横から言ってくるそうで、とてもうるさい
と言っていました。
O先生に話を伺って初めて知ったのですが、
こういう、表に出てこない悪意的な人格を
この業界では「黒幕」と呼ぶそうです。
この人格は虐待を受けた人に現れる
人格だそうです。
当初、私との関係が良好な事や、
記憶の連携が上手くいっていることから
O先生はそっぴーに黒幕は居ないと
お考えでしたが、ヒアリングするうちに
Eが黒幕であると断定し、病気治療が
虐待として機能してしまったというのが、
見立てでした。
病気の治療は仕方のない事ですし、
全ての子供が病気治療てDIDを発症
するわけではありません。
むしろ少数派だと思います。
ただ、そういう現実がある、という事を
小児科関係者には実感して欲しいな、
とは思います。
写真は昨日、そっぴーが作ったチョコパン。
お顔はプチ子が描きました。
こういうことをするのは、間違いなく
Dの人格ですw