おはようございます。

今日の記事のタイトルは

僕が今でも大切にしている

漫画のタイトルです。

昨日自己紹介で

久しぶりにyukiという

ハンドルネームの由来を記していたら、

久しぶりに読み返したくなったのです



上條淳士先生のsex、
上條淳士先生というと
TO-Yが有名ですが、
僕の中の上條先生の最高作は
この作品だと思っています。
作品のタイトルは
男女の境界線、
という意味合いで、
それだけでなく
様々な境界線について
物語を構成する、
というよりはテーマに対して
感覚的なシーンが
バラバラに散りばめられている、
という感じで、
それが当時高校生だった自分には
斬新で衝撃的でした


ハンドルネームにしている
ユキは
子供の頃に互いにピアスの穴を
開けて再会を約束した
高校生の男女の間に突如現れます。
そこから沖縄での日常や
ヤクザ達との抗争などが描かれています


単行本(デラックス)は一部修正はあるものの
贅沢なカラーはそのまま。
部分部分でシーンを意図的に
印象づけるために
特定カットのみ
2色カラーになっているのですが、
この表現をするために
実はオールカラーで印刷されているという…
これってすごいことなのです。
単行本出すのにいくらかかるんだよ、
という感じで…
高校生の頃に2巻までしか出なくて
いつ続きが出るんだと思っていたのは、
上條先生の著作権絡み
(当時この作品までは合作で、
女性を別の方が描かれていた)
や作品の修正、
そしてこの費用のかかる印刷が
問題だったようで…
デラックス版で完全版が出ると
知った時は何十年経った後でも
すごく嬉しかったです


その贅沢なカラーの使い方で
もっとも好きなシーン。
ヤクザがユキの喉を
傘で切るのですが、
ユキは色盲だから
血の色がわからないのを
このような表現で。
今のご時世のせいか
台詞が置き換えられていますが、
当時は
そうかそうか、
お前は色盲だったもんな、
とヤクザが血を見ても動じないユキに
言っていて、
その上條先生のセンスの良さに
当時はゾクゾクしたのでした



そしてこの作品の中で
一番のお気に入りのシーン。
個人的には、
と前置きした上で記したいと思いますが、
人はわかり合えないもの、
と僕は思っています。
それは自分の家庭で
父親が今でいうDVで
母親をアザがつくまで殴ったり
蹴ったり
言葉の暴力で相手を支配しようとしていた、
そんなことがあったからが
大きいのですが、
DVやパワハラをする人達は
一貫して相手のことは
自分の物だと思っています。
でも当の本人達は
深く愛しているつもりなんです、
相手を。
そんなことが幼い頃から毎日ある中で、
人を理解することって
何だろう、
理解なんてしてるつもりで
実は相手のことを
全然わかってないんじゃないか、
と思うようになったところに
この作品のシーンが目に入ってきて、
当時はものすごく衝撃を受けました。
ああ、
そうなんだ、
人をわかる、
と思うこと自体が違うのだと。
痛みや感じていることは
自分の視界から
思考から感じるものであって、
それが人と同じでない。
同じだと思ってしまったら、
きっとその人の
本当の想いや痛み、
苦しみに気づくことが
できなくなってしまう…

今では
人はわかり合えない、
わかると言う言葉は
相手のことを考えたら
失礼なのではないか、
と思っていますが、
そのかわり人を信じること
その人のすべてを受け入れることが
自分にとっての
人への想いであり
愛だと思っています。
そんないろんなことを
この作品から感じ取り
考える機会をいただいたので、
あらためて記してみました。
ただ当時は
この漫画を買うのが恥ずかしくて。
タイトルが誤解されちゃうから(笑)。
高校生でしたしね。
あの頃は若かった…

上條先生も
今は絵柄も変わってしまって
上手いのですが、
完成されていない良さって
あると思うんですよね。
これは何にでも言えることですが…
だから自分の中では
上條先生の最高作であり
一番好きな絵柄だった頃の作品です。
長々と記してしまいましたが…

最後まで読んでくださった方々、
ありがとうございました

よい週末になりますように