長い長い道のりだった、
おせち作りの記録も
残り2品になりました。
仕事をしながらの、
今までにない忙しさと疲労の中での
おせち作り。
終わった後も忙しくて
なかなか記録できずじまいでしたが、
こうして書き終えようとすると、
やりきれて良かったと思います

29:筑前煮

いつも作った仕上がりが
汚いというか美しくなくて、
作り方を今回は見直しました

にんじんは皮を剥いてカット、
椎茸はじくを取って
かさの部分に十字に切り込みを入れます。
かぼちゃもカットして
面取りします


れんこんは皮を剥いた後
酢を入れた水に浸してアクを抜き、
カットする前に沸騰したお湯の中に
酢と塩を入れ、れんこんを丸ごと入れます。
沸騰したまま強火で2分火入れをした後、
酢水に浸して熱を冷まします。
一度湯がくことで、
断面が割れたりすることなく
綺麗にカットできます


ごぼうは水洗いしてカットします。
それを180℃の温度で揚げます。
浮かんできたら取り出して油を切ります。
揚げることで
余計な水分を飛ばして味を染み込みやすくし、
香ばしさも増します


カットして面取りしたかぼちゃは
他の具材とは別にします。
鍋に
だし、薄口醤油、みりん、砂糖、塩を入れて
沸かし、アクを取ってからかぼちゃを入れます。
煮崩れしないように弱火で8分ほど煮ます


かぼちゃに串を入れて
スッと入るようになったら
鍋を火から外して氷水で
鍋ごと冷やします

写真にはないですが、
絹さやは湯を沸かした鍋に塩を入れ、
そこに絹さやを入れて1分ほど茹でます。
それを氷水にさらして色止めすることで、
色鮮やかに仕上がります


下準備が終わり、
いよいよ本番!
れんこんとごぼう、
かぶるくらいのだしを入れて
醤油、みりん、砂糖を加えて
強火で混ぜることなく
炊いて味を染み込ませます。
だしに具材が浸かっているので、
蓋はなし。
強火で火を入れることで、
具材の歯ごたえを残しながらも
柔らかく仕上がります


煮汁が2/3まで減ってきたら
にんじんと椎茸を加えます。
時々混ぜながら火入れが均等になるように
します


煮汁が少なくなったら
あおって具材に照りをつけます。
煮汁がほぼなくなったらフライパンごと
氷水に漬けて熱を冷やします。
冷ますことで、
味が具材に染み込みます。
仕上げは別に煮たかぼちゃと
絹さやを合わせて。
具材はどれも同じ大きさに切ることで
見た目もよくなります

今回劇的によくなったメニューです。
手間はかかりましたが
すごく美味しく、
また美しく仕上がりました☆

30:タコのトマト煮込アフォガード
神戸シェフへのオマージュ

最後の品は…


リストランテマッサを立ち上げた、
イタリアンの鉄人
神戸シェフへ捧げる一品

料理の鉄人に
人生が変わるほどの影響を受け、
鉄人のお店や挑戦者のお店に通った20代。
その頃に神戸シェフのお店に行った際、
店の外までお見送りしてくれた姿が
印象的でした。
あの時は緊張して話すこともできず、
でも神戸シェフはまだお若いから
いつでもまた会える。
その時はそう思ってました

ですが
もう二度と会えないんですよね…

それから神戸シェフなき
お店を残されたマダムやスタッフの
方々が神戸シェフの意思を継いで
店を存続していることを知り、
いつしか毎月お店に通ったり
お店の厨房に入れていただいたり
20周年記念パーティーの
お手伝いをさせていただいたりと、
運命とは本当わからないもので、
今では神戸シェフが作られた
リストランテマッサは
自分にとって特別なお店になりました。
そんな出会いがあった1年、
何かそこで学んだり感じたこと、
想いを形にしたくて、
生前神戸シェフが
お好きだった料理を
オマージュとして一品入れようと決めました。
そこでマダムに聞いてみると…

お好み焼きやたこ焼きが
好きというじゃありませんか!(笑)
さすがにおせちに
たこ焼きやお好み焼きはなあ、
アレンジできないかなとか
すごく考えたのですが、
その時にふと頭に浮かんできたのがこの本


マダムから
神戸シェフが亡くなられる前日まで
寝室でこの本を読んでいたと聞いた時、
神戸シェフがどんな思いで
この本を開いていたか知りたくて
買ったんですが、
ここには本場イタリアの
イタリア料理の姿がそのままあって、
きっとイタリア料理の原点を
もう一度確認する意味と、
別の人はイタリア料理を
どう捉えていたかを
知りたかったのではないかと
読んだ時思いました。
その本のことを思い出した時に、
神戸シェフ、
そういえば昔番組で
イタリア料理はマンマの味と
おっしゃっていたな、
そんな郷土を感じるシンプルな
イタリア料理を作るべきではと。
それからは早かったです、
迷いなく作りました(笑)


フライパンにオリーブオイル、
にんにくを入れて
弱火でにんにくの香りが立つまで炒めます


唐辛子、イタリアンパセリを加えて
炒めます


タコを加えて中火で炒めます


白ワインを加えてアルコールを飛ばします


濾したホールトマトを加えて
蓋をして一時間煮込みます。
タコが柔らかくなって、
ソースがよい感じに煮詰まったら完成

イタリアでは古典料理ながら
どの家庭でも作られる
シンプルな煮込み料理。
マッサに通いだしてから
自分もパスタなどを作るようになり、
作っている間に漂う香りに
過ぎた1年を思い出したりしていました。
想いは込めたつもりだけど、
神戸シェフには伝わったかな

これでおせち作りの記録は終わりです。
次からはおせちの中身の記録を!