エスコヤマ新作ショコラ発表会2016 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ

 

「エスコヤマ新作ショコラ発表会」にお伺いしてきました。


小山シェフはパリのサロショコが終わると大晦日な気分になるそうですが、

私は毎年この発表会で、小山シェフの熱き想いをうかがいながら

真摯にショコラと向き合うと、ショコラシーズンがスタートした気がします

 

 

 

今年は『インターナショナル・チョコレート・アワーズ 2016 世界大会』にて、

金・銀・銅賞合わせて世界最多の24品で受賞。
また、『C.C.C(クラブ デ クロクール ド ショコラ)』の格付けでは、

6年連続となる最高位(ゴールドタブレット)を獲得。

 

「何品受賞されると思っていましたか?」という質問に、

「正直に言うと、全部です!」と自信溢れる笑顔で答える小山シェフ。
なぜならば受賞できなかった理由は、「自分に負けた」からとのこと。
出したい作品を全て出品したら、同じカテゴリーに何品もかぶってしまったそう。
そうすると、自分の作品に別の自分の作品が負けてしまう

という構図ができてしまうわけですね(笑)
昨年も同じ台詞を聞いた気がするので、きっと来年もまた!

 

 

 

今年のテーマは、日常生活の中にある『自然と人との共存』。
人の手ではどうすることもできない自然の力に目を向けた時、

日々の生活にはまだ生かしきれていないアイデアが

数多く存在する ことに気づき、その発見が表現の幅を広げられたのだそう。

 

例年のことながら、そこまで言っちゃって大丈夫?!

というようなウィットに富んだ制作秘話を熱く熱く語ってくださいました(*ˊૢᵕˋૢ*)
1年に340軒は食べ歩くフードジャーナリスト的な面も持つ小山シェフ。
食事をしながらなど、アイデアが頭に浮かぶとすぐに

携帯のリマインダーに書き留めているそう。
自分が日常に出会うものからショコラの組合せが生まれるので、

“他人には真似できない”唯一無二の逸品が作り出されるわけです。

 

素材への飽くなき探究心にも目をみはるものがあり、

例えばお鮨屋さんで美味しいお茶に出会うと、

その出がらしでいいから味見をさせて!と言い、

最終的にその生産者さんまで辿り着くとか…

美味しいかんぴょう巻に出会うと、

自分好みのかんぴょうの炊き具合を追求し、

誰にも負けないかんぴょう炊きを得とくしてしまうとか…
とにかく好奇心、探求心がとどまるところを知らない小山シェフ
特にお鮨が好きで、和食を中心に食べ歩くとのことで、

今年の新作にも他の人では考えも及ばない、

奈良漬け、煮きり醤油、玉露、かんぴょうなど多くの和素材がラインナップしていました。

 

 

 

今回は「SUSUMU KOYAMA’s CHOCOLOGY2016」を試食させていただきました。
*醤油ヌーヴォー
  煮切り醤油×シェリー酒 ペドロヒメネス×シェラネバダ・オレ52%
*鳳凰単叢蜜桃香&マンゴー
  シングルオリジンの烏龍茶(×ショコラ・オレ)×桃とマンゴーのガナッシュの2層構造
*コーヒーチェリー(ゲイシャ)×ライチ
  コーヒーチェリー(×ペルーチャンチャマイヨ産のショコラ・オレ)×ライチのガナッシュ
*奈良漬プラリネ
  瞬間高温高圧プレスでフレーク状にした奈良漬

  ×ピエモンテ産ヘーゼルナッツの自家製プラリネ×コスタリカ産ショコラ・オレ

 

“ショコラ・オレ”がテーマでもあり、ショコラ・オレでも個性の強いショコラで、

ショコラ・オレでないと表現できないテイストを目指して。

 

コーティングの重要性も重視し、厚からず薄からず、

心憎いほど丁度いい按配にに仕上げられています。

カカオと素材 両者の個性を引き出し、引き立て合う絶妙な配合とバランス。
ひと口齧ると、様々な味わいが次々と出現し、様々な光景が目に浮かぶ表現力。
凄いなぁ。。。

 

 

 

そしてあまりにもショコラを愛するあまり、小山シェフは…
「ボンボンショコラをもっと美しくカットしてほしい」という想いから、

1年がかりで龍泉刃物と開発を進め、

なんとショコラ専用ナイフを製作してしまいました
”ショコラを五感で楽しむショコラ専用ナイフ”「チョコレート所作」。
12月11日(日)〜販売がスタートします。
ボンボンショコラのコーティングが割れることなく、

スッと美しい断面にカットできる小ぶりながらも高性能なナイフ。
私も是非購入したいなぁ♡

 

 

 

5年前はロールケーキ屋がなぜショコラ?と言われたそうですが…

小山シェフにとってはどちらに取り組む姿勢も一緒なのだそう。

 

「化学が好き!実験が好き!」という小山シェフ。
新作を作る時は実験で、自分が頭に思い浮かべている味に向け

配合を少しずつ変えていくとのこと。
でも実際に採用されるのは、1割にも満たないのだそう。
去年のアイデアは今年はもうやりたくなく、作ってみてもなにかが違うのだとか。
カタチになったもの、必要ないものは次々に忘れていくというのが逆に、

新しいアイデアを次々に生む力になっているのだと感じました。

 

 

 

ちなみに今年受賞した中で小山シェフが最高傑作と語るのが、
SUSUMU KOYAMA’s CREATION INTERNATIONAL CHOCOLATE AWARDS 2016

に入っている金木犀×ペルー チャンチャマイヨ63%。
一層で立体感のある豊かな風味を表現できているのがポイント。
実は面白い誕生秘話があるんですが…そちらは是非直接シェフに聞いてみてくださいね!

 

 

 

すでに来年に向かって、新たなアイデアを蓄積し始めている小山シェフ。
昨年よりも今年、今年よりも来年と、「僕でないと作れないショコラ」は

まだまだ進化を続けていくことでしょうね

 

 

 

今年はタブレットにハーフサイズも登場。
手間ひまをかけ、美味しさを幾重にも重ねている

ノワゼッティーヌやフィアンティーヌもお薦めです!
普段は大人は購入することのできない未来製作所の「こっそりショコラ」も
あまりの美味しさに販売されるそう。

ショコラのシーズン到来の鐘がなり、ワクワクが止まりません(*´˘`*)♡

 

毎年感じますが…小山シェフのパワフルさ、ポジティブさって本当に凄いなぁ。。。
まだまだ“面白くて仕方がない”という感情が原動力となっているとのこと。
私もパワーの欠片を吸収させていただきました
ありがとうございました(❁´˘`❁)