伝統のラムとオーボンビュータンの世界 -3 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ
伝統のラムとオーボンビュータンの世界 -1
伝統のラムとオーボンビュータンの世界 -2

 
 
 


 
「美味しくラム酒を食べるといえば、ババしか思い浮かばない」という河田シェフ。
私も美味しいババを食べてから、ラム酒の魅力に開眼した一人です。

パータ・ババは強力粉100%に全卵をたっぷりと加えて。
後でしっかりとシロップをうつような配合に考えられています。
リッチで美味しい生地なので、余ったらボストックやボロネーズなどの
再生菓子を作られているそう。
これがまた、再生菓子とは思えないほどの美味しさなんですよね。

オレンジの果皮、シナモンスティック、スターアニス、
ヴァニラを加えたシロップにつけた後、半分程しぼり、
ネグリタラム44°を1個につき10gかけて。

 
 
 

 

全部しぼってもいいけどね・・・とギュ~っとシロップを絞る河田シェフ。
えっ、スポンジ!?というぐらいたっぷりと吸水していて、ビックリしました。

この気泡の中に、しっかりとシロップを抱え込んでいるんですね。
ラム酒の高貴な香りの後から、ヴァニラ、オレンジ、シナモン、アニスの香り・・・
改めてババの美味しさを再認識させられたババ オ ラムでした。






 
今回はラム酒を生菓子、焼き菓子、グラニテ、ボンボンショコラなどに使われたんですが、
その中でもちょっと意外だったのがこちらの揚げ菓子。
 
生地にココナッツ スーパークレームを加え、ダブルアロームカリブのシロップに漬け
ココナッツプードルで仕上げたベニエ オ ココ エ オ ラム
ダブルアロームを生地に加え、動物型に抜き取ったベニエ ド カルナヴァル

カルナヴァルはフランス語で謝肉祭の意。
肉を食べない代わりに、油で揚げたこのような揚げ菓子が食べられたのだそう。
オーボンビュータンさんでは、揚げ油に落花生油を使われています。

お料理やお菓子はイタリアから入ってきたものが多いということで
河田シェフが話をふられたシェフは・・・

 
 
 


 
ソルレヴァンテの藤田シェフ。
なんとイタリアからこちらの講習会に直行されたんだそう。

イタリアでは北から南まで、その土地土地に揚げ菓子があるんですって。

ババはナポリでも有名なお菓子ですが、その起源を河田シェフから尋ねられ、
「パリに研修に行ったナポリのシェフが、1800年頃に持ち帰って伝わったものだそうです」
と説明される藤田シェフ。
 
お菓子を作りながらも、頷きながら藤田シェフの説明に聞き入る
河田シェフの姿が印象的でした。
あれだけ大御所の方なのに、知らないことは素直に尋ねられる河田シェフ。
こう言っては失礼かもしれませんが・・・
興味深げに聞き入ってらっしゃる目は、まるで少年のように輝いてらっしゃいました。

フランス菓子とイタリア菓子・・・両者の歴史を紐といて
その伝統菓子を学んでいくと、より一層興味深いものになりそうですね。

 
 
 


 
生菓子は2種類ご紹介してくださいました。
どちらもかなり私好みのメリハリのあるしっかりとしたテイスト。

  



 
ディロン トレ ビューラム
トックブランシュ カフェを使ったモン カフェ カラメル ラムは、
ラムとコーヒーテイストがクリア&シャープに描き出されています。

コーヒーテイストのお菓子って、ぼんやりとしたコーヒー風味のものが多いですが、
こちらはコーヒー好きさんにはたまらない、しっかりとしたコーヒーテイスト!
ラムの香りがコーヒーの苦みを引き立てています。

 
 
 



kiriのクリームチーズとマスカルポーネ、メイプルシュガーのムースに、
クレムーショコラを合わせたゼフィール
試食はお口の中で再構築するスタイルで。

木の香りのするお菓子に仕上げたいということで、
メイプルシュガーとクーベルチュール ニアンボ(68%)を使われています。
 
ネグリタラム44°を効かせた濃厚で香り高いクレムーショコラ。
こちらもとっても好きなテイストでした。

 
 
 


 
河田勝彦著 「伝統こそ新しい」

今回この講習会に参加された方は絶対に読みたい!読まねば!と思われたはずです。
永井シェフのトークマジックで、少しずつお話してくださった河田シェフではありますが、
逆に皆さんもっともっと河田シェフのお菓子作りに対する姿勢に興味をもたれたことと思います。
私も早く読まなくっちゃ!(本とは読んで予習していくつもりだったんですが・・・)

 
今回作ってくださったお菓子の数々を一堂につづきます・・・