
今回はちょうどパック(復活祭)の時期だったので、パックのお菓子達と
フランスでは4月1日のエイプリルフールに食べる習慣のある
魚のお菓子ポワソン・ダブリル。
そして、ショーケースの上にずら~っと並べられた姿にひと目惚れした
林シェフお得意のフランス伝統菓子を取り揃えていただきました。
「復活祭」はフランス語では「パック(パーク)」英語では「イースター」と言われ、
イエス・キリストが死後3日目によみがえった復活を祝う日で、
キリスト教徒にはクリスマスとともに大事な祝日です。
と同時に、樹木がいっせいに芽吹き、すべてが蘇る春の訪れを
喜びあうという意味もあります。
復活祭は毎年同じ日には行われません。
春分の日の後の最初の満月の次に来る日曜日と決められています。
3月下旬から4月下旬の間で、その年によって日にちが変わるので
「移動祝祭日」と言われ、この日と翌月曜日がフランスでは休日となります。
今年は4月の24日でした。

4月1日はエイプリルフール。
フランスではこの日のことをポワソン・ダブリルと言い、
ポアソンは魚、ダブリルは4月で「4月の魚」を意味します。
この日フランスのお菓子屋さんでは、魚を象ったチョコレートやパイ菓子が
美しくデコレーションされ店頭に飾られます。
どうしてこのように「4月の魚」という呼び名になったのかは諸説ありますが、
下記の2つと言われることが多いかな。
●魚はサバのことを指し、サバはあまり利口ではなく4月になると
簡単に釣ることができ、4月1日にこれを食べさせられた人を
「4月の魚」ということが起源という説。
●16世紀に国王シャルル9世が1年の始まりを4月1日から1月1日に変え、
それから新年に贈り物を交わす習わしがあった人々は元日が1月1日になっても、
4月1日に見せ掛けの贈り物をしたことから始まりだという説。
そんなわけで、魚型はさばやひらめをイメージしたフォルムが多いですが、
林さんのポワソンはキュートな表情のひらめ型。
パイ生地に薄くダマンドをしき、クレーム・パティシエールにシャンティを加えた
クレーム・レジェールに、たっぷりの苺が盛り付けられています。
サクッと香ばしく焼き上げられたパイ生地に、とろりとコクのあるクレーム、
そして甘酸っぱいジューシーな苺の三位一体のマリアージュ。
ビジュアルからしても、誰からも好まれる間違いのない美味しさです♪

こちらはアップルパイのポワソン・ダブリル。
パイ生地をお皿のように見たて、スライスしたフジが敷きつめられています。
なんと林さんは青森にリンゴの木を所有されているそうで、
毎年その木から沢山のリンゴが収穫され、届けられるんですって。
ボワさんは、しっかりと焼きこまれたサクッ♪と香ばしい
パイ生地が本当に美味しいんですよね~。

こちらはニドパックと呼ばれる復活祭のお菓子。
復活に因んで卵、ニワトリ、ウサギなどの小動物を
象ったお菓子で春の訪れを祝います。
卵は生命の源、ウサギは繁殖率が高いなどの理由から
パックのお菓子のシンボルとされています。
パンドジェンヌ生地にフォンダン、ショコラと甘×甘の組み合わせなので、
繊細な味覚を持つ日本では、テイストのコントラストをどうつけるかがポイント。
そこで、酸味の効いたフランボワーズペパンをサンドされています。
それにしても・・・林シェフのお菓子って、なんでこんなに
凛と可愛いフォルムなのかしら~(❤ ❤)
まだまだキュン♪としちゃうお菓子が続きますよ~。

試食はこんな風に盛り合わせていただいて♪

こちらが、できたてほやほやのパックのチョコレートたち。
パックの卵はウサギが運んでくるという言い伝えもあるそうです。


型も見せていただきました。
でも、ちょっとリアルで怖いかも~^^;
上:パックのチョコレートの型
下:ポワソン・ダブリルの型(実際には使われていないそうです)
お楽しみのフランス伝統菓子につづきます・・・