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エーグル・ドゥースの寺井則彦シェフはシャルロット・オ・ポンムを
ご紹介してくださいました。
このお菓子は、寺井シェフがルノートルでの修業時代に学ばれたお菓子。
残念ながら日本店の店頭に並ぶことはなかったそうですが、
素朴で懐かしい味わいの家庭菓子とのことでした。
寺井シェフにとって伝統菓子とは・・・
トラディショナルなお菓子はいくらでもシンプルにすることができるが、
手をかけ、こだわりをもって、どこまできちんと作れるかを
見つめ直すために作るお菓子なのだそう。
こだわろうと思えばどこまででもこだわることができる。
そんな原点回帰の菓子こそが、寺井シェフにとっての伝統菓子なんですね。
ガルニチュールとなるリンゴは、砂糖、バター、シナモン、
ヴァニラ鞘と混ぜ合わせ、天板に広げて焼成します。
焼き膨らんで繊維質が壊れるぐらいまで。
シナモンはギャバンとニッキを4:1で合わせてらっしゃるそう。
風味と香りの出方を計算されてのことでしょうね。
次にこのガルニと合わせるコンポート・ドゥ・ポムを作っていきます。
まずリンゴの皮、水、レモン果汁を火にかけバーミックスをかけます。
別鍋でキャラメルを作り、リンゴを加えます。
これに先ほどバーミックスをかけたリンゴの皮等と、生クリーム、砂糖を加え
さらにバーミックスをかけて煮詰め、天板に流します。
砂糖はキャラメルの苦み用と甘み用の二回に分けて加えたり、
リンゴの皮まで活用するなど、とても手をかけられた
味わい深く、香り高いコンポート。
リンゴの爽やかで甘やかな香りとビターなキャラメル香が
折重なりあいながら流れきて、鼻腔をくすぐります。
最前列の特権ですね!
このコンポートにガルニのリンゴを合わせて。
パータ・ブリオッシュを厚さ8mmにカットし、澄ましバターをぬります。
(テレビ画像は見にくい色合いでごめんなさい)
型の縁にブリオッシュをはめ、ガルニチュールを詰め、
丸いブリオッシュにもバターをぬり、蓋をします。
このままブリオッシュにリンゴを添えていただくだけでも美味しそ~♪
全ての素材に火が通っていますが、火を入れて全体をなじませるべく
180℃で50分焼成します。
アプリコットジャム、粉糖でデコレートして完成です。
シャンティを絞ったり、アイスを添えて一緒にいただくと
この素朴なお菓子もちょっぴりお洒落なテイストになるとのこと。
リンゴの甘酸っぱさとキャラメルのほろ苦み、そしてブリオッシュのバターリッチな香りと
素朴ながら、思いっきり深呼吸をしたくなるような香味のハーモニー。
ちょっぴり温めて、ヴァニラアイスクリームを添えて、
カルヴァドスかけたりしたら…立派なアシェット・デセールになりますね❤
さらに今後クラブでは、ガレット・デ・ロワ以外の行事菓子にも取り組まれるということで、
パック(復活祭)に食べられるお菓子、アニョー・パスカルも作ってくださいました。
フランス国旗色のリボンとエーグル・ドゥースさんのロゴシールだけで
子羊ちゃんがこんなにも可愛くなってしまうんですね♪
復活祭は日本ではあまり馴染みのない行事ですが、
カトリックではクリスマスと並び大切な行事とされていて、
この時期フランスでは、復活祭のシンボルである卵やうさぎの形をした
チョコレートがショーウィンドーに並びます。
フランス語で「アニョー」は子羊、「パスカル」は復活祭という意味で、
アニョー・パスカルは、アルザス地方で復活祭に食べられる郷土菓子です。
ユダヤ教の「過ぎ越しの祭」の際にいけにえの羊を食べる習慣に由来すると言われています。
材料はローマジパン、卵、小麦粉、バター、砂糖などいたってシンプルで、
卵を別立てにして焼くビスキュイタイプの生地なので、ふんわりあっさりとした味わい。
ナイフを入れるのがためらわれる可愛いフォルムですよね。
アルザスのスフレンハイム村では、アニョー型やクグロフ型の陶器が作られていて、
昨年のクリスマスにアルザスを訪れた時、パカッ♪と中央から開くアニョー型の
あまりの可愛さに魅かれて、最後まで買おうかどうしようか悩んでいた私。。。
来春のパックには、このアニョーパスカルや卵、うさぎのお菓子が
クラブ会員さんの店頭を彩るのが楽しみですね♪
つづきます・・・