ガレット・デ・ロワ講習会2009@大阪 - 林周平シェフ編 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ


 
1年で楽しみにしている講習会、ガレット・デ・ロワ&伝統菓子講習会2009@大阪
今年も2009.8.5に、イワセエスタさんで開催されました。

毎年何人かニューフェイスのシェフがいらっしゃるので楽しみです♪

 
 
 



 
今年のトップバッターは、この講習会初参加にして、
主役のガレット・デ・ロワを任されてしまった、モンプリュの林周平シェフ

朝にお店の仕込みを終えてからいらっしゃったので、
12:20着という重役出勤^^; (講習会は13:00スタートです)
皆さん朝からご準備されてたのを、並びながら拝見していたので、
私の方がドキドキしちゃいました(笑)

 
 
  




 
講習会でフィユタージュを仕込むのは初めてという林シェフ。
この日は、お店で仕込まれるのと同じ量ということで、
いきなりミキサーが登場しちゃいました!

モンプリュさんでは、1/3~15日ぐらいまでの期間、
1日に5、6台のガレット・デ・ロアを販売されていて、
もちろん私も毎年いただいているんですが、仕込みを拝見するのは初めてかも!?

 
 
 



 
ミキサーの底に1/3量程の粉を入れ(薄力粉+強力粉)、低速で攪拌し、
40℃に温めた溶かしバターを、早めにサーっと入れます。
100%練り上げてしまってはダメだそうで、
でも手にとってみて、簡単にちぎれる状態ではもう少し・・・(写真左)

なんとなく繋がり、ひとかたまりになったらOKです(写真右)

林シェフのパート・フィユテの特徴は、柔らかさをだすことと、
カビを防止するために、白ワインヴィネガーを加えられていること。
バターは生地の縮み防止のために、溶かしバターを使われています。
 
この日は薄力粉と強力粉をブレンドされていましたが、
林シェフはお気に入りの薄力粉に巡り会われてからは、
お店で販売されているガレット・デ・ロワは、この薄力粉一本で作られています。

  
 




生地をまとめて、深さ2cmほどの切れ目を入れ、
ラップをして、生地を休ませます。 
  




 
生地を麺棒でのばしていきます。

この日は、クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ会長の島田シェフがいらしてなかったので
この麺棒でもスルーされましたが(笑)
麺棒は太くて、長いものを!というお話を、会長は毎年されていますよね。 
 




 
さらにパイローラーでのばしていきます。

覗きこむ西川シェフと永井シェフ♪
なにがそんなに楽しいのかしら~?

この講習会は、シェフの皆さまが本当に楽しそうに作品を作られるのと同じぐらい、
作られているシェフの後ろで待機中のシェフの方々が
楽しそうにお喋り&お手伝いをされている姿が魅力的なんですよね❤ 
  





 
バンバンバン♪ と麺棒で叩いてのばし、柔軟性をだしたバターを
パート・フィユテで包みます。
お菓子教室でもいつもしっかりとバターを叩きますが、
この叩くということが、かなりポイントになるんですよね。
バターの伸びがよくなり、混ざりもよくなるそう。

生地もバターも1.5cm厚にのばして。 
はみ出した生地も、きっちり上にのせて包んでらっしゃいました。
  





 
パイ生地を90℃回転させながら、パイローラーにかけて、
3つ折りを2回しては休ませて、合計3つ折りを6回。

今回は、タカナシ乳業さんがご提供くださったフランスAOC発酵バター
“パンプリー”を使って。

“パンプリー”は、良質な乳製品の産地として知られる
フランスデュセーブル県ポワトー・シャラン地区産の発酵バター。
バターチャーンを使用した伝統的な製法で作られています。
組織がなめらかで延伸性があり、作業性に優れており、
口溶けがよく、豊かな乳の風味を持ち合わせています。
また焼成後の香りが高く、軽やかな食感に仕上がるので焼き菓子に向いているそう。

ミルクの旨みがそのまま生かされた、風味豊かでコクのある“パンプリー”
そのままひと口いただいてみたかったな。

粉もバターもモンプリュさんで使われているものとは違うものを使用されているので、
どんなガレット・デ・ロアに仕上がるのか楽しみ~(❤ ❤)

 
  




 
次にクレーム・ダマンドを仕込んでいきます。

バターを叩いてミキサーに入れ、攪拌します。
たてる必要はないので、空気をいれないように・・・
このたて具合は、食べた時にハッキリ分かるそうで、
どっしりとしたテクススチャーに仕上げていきます。
 
林シェフのクレーム・ダマンドのポイントは、
サワークリームとスキムミルクを加えらていること。
乳製品の力で、膨らみがでてくるんですって。

今回アーモンドプードルには、ルーツ貿易さんがご提供くださった
シシリー産アーモンド、パルマ・ギルジェンティ種を使用。
新鮮さにこだわり、国内工場で注文を受けてから挽かれたアーモンドプードルは、
油脂分が多く、甘みが強く風味がよいのが特徴です。

こちらは林シェフもお気に入りで、お店でも使用されているんですが、
焼成するとビター臭の余韻が長く続くそう。

出来上がったダマンドは、1~2日おくと、分離していい香りが出てくるとのこと。
色も白っぽい色から、黄色に変化していくんですって。






    

 
フランス製の型(ボロウバン)を使って、パート・フィユテのサイズを計ります。

実は私・・・お鍋の蓋をリメイクして使ってるのかと思ってて(ごめんない^^;)
後日お店で聞いてみると・・・
シェフがボロウバンのセットを見せてくださったんです。
12サイズのセットものなんですって。
 
裏返すと・・・ほらねっ♪ お鍋の蓋みたいでしょ。
3か所ほどあきが広いところがあるので、そのサイズは使用中なのかと思ったら、
元々ないんですって・・・いい意味で、フランスらしいですよね~(笑)

 





 
クレーム・ダマンドを絞って・・・
(サイズは、21cmと24cmです)





 
周りにドリューを塗っていきます。
ドリューは、全卵、卵黄、砂糖、塩、牛乳で。
お塩がポイントなんだそう。





 
90度回転させて、上のパート・フィユテをかぶせます。
同じ方向に重ねると、生地の伸縮方向が一緒で
焼成したときに、楕円形になってしまうんですね。

 



 
リングをのせて、カッターでカットして、冷蔵庫で休ませます。





 
ひっくり返してドリューを塗り、模様をつけて、周囲に空気穴をあけ、
170~180℃のコンベクションで1時間以上焼成していきます。



 



 
モンプリュ・林周平シェフ作、ガレット・デ・ロワの完成です!

鳥さんのサッカーチームのフェーブ・・・可愛いですね~♪
試食でフェーブが当たった方々にも、林シェフから
日仏商事さんがご提供くださったフェーブがプレゼントされました。

 
 


     

 
シェフ的には、少し焼きが足りなかったようですが・・・
バターとアーモンド、そしてラム酒が香り高く、
サクッと軽やかなパート・フィユテとしっとりとふくよかなダマンドの
食感のコントラストが素晴らしいガレット・デ・ロワでした❤

来年ももちろん、何度もいただく機会があると思うモンプリュさんのガレット・デ・ロワ。
焼きたては本とに、甘~くふくよかな幸せの香りに包まれちゃんですよね~(*^^*)❤
 
 
ガレット・デ・ロワはシンプルながら、いえシンプルだからこそ
シェフの嗜好や技術が見事に表現される伝統菓子。
私も本とに大好きなお菓子なので、毎年1月が楽しみで仕方ありません♪

今年は数校で講座を始めたので、来年の1月は、
色々なお店のガレット・デ・ロワを生徒の皆さんと一緒に楽しみたいな~♪
1つだけでいいので、どうか私にもフェーブが当たりますように・・・

生まれてこのかた、一度もフェーブが当たったことのなかった私が、
今年は4個ものフェーブが当たっちゃって(って、何種類食べたのかしら^^;)
幸せな1年を・・・・・・おくれてるかなぁ(悩)

伝統菓子につづきます・・・