[チョコレートピエスモンテ☆WPTC2010日本代表選考会 -2]
モバックショー20093日目は、2日目のチョコレートピエスに続き、
WPTC2010日本代表選考会、飴細工ピエスの実技審査が行われました。
出場者は以下の5名です。
〈飴細工ピエスモンテ〉
岡崎正輝さん グランドハイアット東京 (東京)
大西達也さん 株式会社元町ケーキ (兵庫)
田中二朗さん 葉山ホテル音羽の森 (神奈川)
永宗喜昭さん 二葉製菓学校 (東京)
三宅善秋さん ザ・リッツ・カールトン東京 (東京)







大西達也さん 株式会社元町ケーキ(兵庫) 「秘境の花」
この大会の1週間ほど前に、お話をうかがわせていただいた大西シェフ。
元町ケーキさんは、大西シェフで3代目となる老舗のお菓子屋さん。
“ママのえらんだ” というキャッチフレーズがつくほど、
神戸っ子に愛され続けているお店です。
もちろん、神戸っ子の私も幼い頃から何度となく
お店の看板商品の ‘ざくろ’ をいただいてきました(*^^*)♪
最近お店をお洒落にリニューアルされたんですが、お菓子に対するコンセプトは変わらず。
そんな地元の方々から愛されているお菓子屋さんです。
そのあたりは、また後日レポートさせていただきますね。
でも、そんないい意味で素朴なマチバのお菓子屋さんのシェフが
WPTC日本代表選考会の最終選考に残られていると知りビックリ!
だけど私がお伺いした段階でも、まだ通し練習は1回しかされていないとのことで・・・
元町ケーキさんの‘ざくろ’という商品は、1日何千個とでる人気商品なので、
厨房が片付くのは夜遅くなってから・・・
なかなか飴細工の練習に集中する時間が確保できない環境で
頑張られているシェフのお話を聞いたその日から、
大西シェフ頑張れ~!と毎日のようにエールを送っていた私(笑)
決選当日は体調を崩してらっしゃる大西シェフが心配で、
胸が張り裂けそうで、ドキドキしてなかなか直視できませんでした・・・
長年にわたって選手の方々を見続けているご家族や職場仲間の皆さまは、
この数十倍も数百倍も切ない想いで、見守ってらしたんでしょうね。
今回は最後僅か間に合わず、第3位という結果でしたが、
今度はもっと練習時間を確保して、もう一度チャレンジしようと思います!
とおっしゃってくださった大西シェフ。
大西シェフの飴細工には独特の世界観があるので、
そこをもっとのばしていったらいいと思うよ!
と某シェフがおっしゃっていたので、リベンジ期待しています!
たしかに・・・深い翠色に金粉をあしらったとぐろを巻いた蛇・・・ちょっとリアルかも。
蝶々の碧色も神秘的・・・
今度このピエスのコンセプト等もおうかがいしてきますね。


永宗喜昭さん 二葉製菓学校 (東京)
残念ながら、競技時間内に作品が壊れてしまいましたが、
どのパーツも、とても美しい色合いでした。
私は壊れた瞬間は目撃していなかったんですが、
カシャッ・・・と本当に儚く短い音が響き、
一瞬にして大きなピエスが跡形もなく消えてしまうんですね・・・
暫く耳に残ってはなれない、無常な響きに感じられました。



田中二朗さん 葉山ホテル音羽の森(神奈川) 「SAMURAI」
ずっと下に置いて作業されていたので、なかなか全貌が明らかにならなくて(悩)
SAMURAIというタイトルからイメージしていたものとは全く異なる
シャープで斬新なデザインの作品。
残念ながら、最後の最後で少し壊れてしまい、
さらに、審査員の方々が展示台に運ぶときに全壊してしまって・・・
でもこれは決して審査員の方が悪いわけではなく(当たり前ですが!)
壊れる飴細工は持った瞬間に分かるそうです。
逆に壊れない飴細工は、重心の位置がしっかりとしていて、
バランスがとれているそう。





岡崎正輝さん グランドハイアット東京(東京) 「雨宿り」
カエルのモチーフがとっても可愛いですよね。
葉っぱから滴り落ちそうな雨のしずくにも、キュン♪
岡崎さんとはお話したことはないんですが、
細工物ってお人柄が表れる気がするので、きっとメルヘンティックで
お優しい方なんだろうなぁ。
こちらの岡崎さんの作品は、オリジナリティで高得点を獲得し、
2位という結果をおさめられました。





三宅善秋さん ザ・リッツ・カールトン東京(東京) 「la tentation de la fleur」
なんてポップでキュートな色合いなのかしら♪
それでいて各パーツが、細部にわたってとても繊細なんです
最後にTOPに蜂を置かれた瞬間に・・・
乙女心をチクッ♪と刺されちゃいました~(❤ ❤)
そして、飴細工部門で見事に優勝をおさめられたのが、こちらの三宅さんの作品です(^^)v
以上5選手が制限時間5時間の中で戦い、
WPTCに出場してこられた歴代の選手の方々や、
特別審査員としてM.O.F.のステファン・ルルー氏他が審査をご担当されました。
(優勝者に贈られたルルー氏の本を見せていただいたんですが・・・素晴らしかったです☆)
評価項目は、テーマ性、芸術性、完成度、技術性(含む作業点)、オリジナリティ。
1位:ザ・リッツ・カールトン東京 三宅善秋さん
2位:グランドハイアット東京 岡崎正輝さん
3位:株式会社元町ケーキ 大西達也さん
上位入賞者は以上の通りですが、各選手の詳細な点数配分などは、
こちらのWPTCオフィシャルサイトをご覧ください。
4位の田中さんの作品は、展示台に運ぶ時に壊れてしまい、
永宗さんの作品は競技時間内に壊れてしまったため
完成作品は以下の3作品になります。




実は優勝者の三宅さんは、前回のWPTC2009代表選考会において、
川村シェフに次いで、2位をおさめられた方。
まだ20代半ばというお若さながら、終始威風堂堂としてらっしゃいました。
(チョコピエス代表の山本シェフとは、ひと回り以上の年齢差なんですよ!?)
5時間という制限時間を、少し残して完成されたこの作品は、
審査員のシェフの方々も、「自分が今これを作っても5時間では作れる気がしない・・・」
と口々におっしゃるほど完成度の高い作品。
この2年間での成長は目を見張るものがあったそうなので、
さらに本戦までの1年半が楽しみですね。
三宅さんは優勝の弁のなかで、次のように述べられていました。
「2006年大会の時に、武藤シェフの助手として同行し、
林シェフの飴細工を見たときから、自分も挑戦しようと思っていました。
前回予選では準優勝だったので、今回こそは!と練習を重ねて来ました。
武藤シェフをはじめ、家族や周りの方々のご協力に本当に感謝しています。」
ここまで来られるのは、実に長い道のりであったこと、
本当にたくさんの方々の支えがあったことを改めて痛感させられるひと言でした。
ご自身の所属されるお店のスタッフが出場されている場合には、
審査員から外れるという規定により、審査に参加されていなかった武藤シェフと
ガッチリと笑顔で喜びの握手を交わされる三宅さん。
そして、一緒に戦った選手の方々とも労をねぎらいあい、
応援団の方々と喜びを分かち合う姿に目頭が熱くなりました。
さらに、WPTC JAPANオフィス代表の加藤氏からも、心に残る言葉をいただきました。
「世界大会はどんな時も環境はひとつです。同じ環境の中で戦うことを考え、
大会に向けて準備を積んでいってほしいです。」と。
世界大会の環境はひとつ・・・どんなに悪環境でも、皆同じ立場ということですね。
そういう最悪の状況を想定して、幾度となく練習を重ねてらした前回代表の方々。
今回飴細工ピエスで優勝された三宅さん(ザ・リッツ・カールトン東京)も、
チョコレートピエス代表の山本さん(クラブハリエ)と、
これから選出される、味覚を担当される3人目の代表選手とともに、
2010年夏に、アメリカ フェニックスで行われるWPTC2010での
総合優勝を目指して頑張ってくださることでしょう。
まだまだ先は長いですが、モチベーションをキープして、
是非頑張ってくださいね。応援しています!

華やかな表舞台の裏には、必ずそれを支える影の立役者さんがいます。
今回のモバックショー2009には、たくさんのブースがあり、
一歩歩けば、お菓子やパンの試食がいただける!といった感じだったんですが、
私は4日間、ほとんどこのブースを離れることができず、
会場にいる間に食べたものが、マドレーヌ1個とかパン1切れという毎日で・・・
でもそれは誰に強要された訳でもなく、このブースを支える方たちの姿を見ていると
いいとこどりで、その時間だけ参加するということができず、
何を出来る訳でもないのに、自主的にこのブースに密着してしまっていたんです。
審査をされた歴代のシェフの方々は勿論のこと、
皆さんのお昼ごはんにと、おにぎりを握ってらした某メーカーの社長さん。
そして、決して忘れてはならないのが、選手の左に並んでらっしゃる
ドゥマールジャポン代表の上村氏です。
(この写真掲載したら、怒られちゃうかな(悩))
ドゥマール社は、お菓子作りをされている方なら皆さんご存知の
フレキシパンを販売されている会社ですね。
リヨンにクープ・デュ・モンドを応援しに行った時も取材にいらしていて、
来週開催される世界パティスリーの特別協力委員も務められています。
そして、こちらのWPTC JAPAN OFFICEでも、非常に細やかな心遣いで
準備から、後片付けに至るまで非常に様々なことにご尽力されていました。
最終日、最後までお一人で残られていたのも上村氏でした。
英語、仏語が堪能で、お菓子も作られるので解説やシェフとの掛け合いも素晴らしく、
講習会やこのような世界大会にはひっぱりだこで・・・
本当に・・・この業界にはなくてはならない存在の方です。
私も色々な場面で助けていただき、本当に心から尊敬しています。
私はコンクールの予選を拝見するのは今回が初めてで、
写真を撮ったり、解説を聞いたりと自分のことだけで精いっぱいで・・・
今度はぜひ、なにかお手伝いできることを自分で探そう!
それまでにもっと自分自身をブラッシュ・アップしなければ!と
上村氏の細やかな気配り&的確な行動を見ていて痛感しました。

おまけの1枚♪
表彰式の前に、ピュラトスさんのブースで、
今回特別審査員を務めてくださった、ステファン・ルルー氏を発見!
(ピエスの背後にちゃんとシェフも入れられるんですね!
って、ピュラトスの方にお褒めいただいたアングルで(笑))
このピエス・・・石も竹も全部チョコレートで作られているんですよ。
WPTCブースで審査員を務められているシェフの方々も、
小山シェフや神田シェフもいらしていて、凄い状態に^^;
でも皆さん食い入るように、このピエスを見つめられていました。
このようなピエスがたくさん掲載されている素敵な著書を、
ルルー氏は優勝者にプレゼントされていました(購入者によると、2万円ほどだそうです)
長いようであっという間だった、モバックショー2009。
次に関西で開催されるのは4年後ですね。
ご無沙汰していたシェフの皆さまにお会いすることできたり、
今まであまりお話したことのないシェフの方々と色々お話できたり、
様々な考え方や技に触れることのできた
本当に得るものの多い4日間でした(*^^*)
ご一緒してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
(東京ではなんとなく東京っぽい言葉で喋っているみたいだけど、
関西人に囲まれると、思いっきり関西弁の私・・・
なぜだかその関西弁がみんなに思いっきりうけてたみたいなんだけど・・・^^;)