
去る1月27日に、1周年を迎えられたルシェルシェ@桜川さん。
おめでとうございます~♪
私もこの一年かなり通わせていただいた、と~っても好きなお店です。
こちらのカジノ51というお菓子は、1周年記念ガトーとして登場したもので
当初は2日間のみの限定の販売予定だったんですが、
一部の熱烈なカジノファンのために、週末だけ限定販売されることに!
ありがとうございますm(_ _)m というのも、実はこのお菓子・・・
私が仕掛け人だったりするんです(笑)
カジノ51の「51」は、パスティス51という薬草リキュールの名前から
きているんですが、このお酒を村田シェフにプレゼントしたのが実は私で。。。
そのエピソードは後で語るとして、まずはこのお菓子について。
(パスティスはマルセイユ産のスターアニスと、リコリス、フェンネル等の
ハーブにより風味付けされていて、アルコール度数は40~45度と高く、
甘口ながら、強烈なアニス風味が特徴の薬草系リキュールです。)
カジノは、カジノで使われるルーレットの台をイメージしたお菓子で、
ベリー系のジャムを巻いたぐるぐる模様のスポンジの中に、
ヴァニラをしっかりと効かせたキルシュのヴァバロアを包みこんだフランス菓子。
昨年、モンプリュさんにこのカジノのバースデーアントルメ を
作っていただいた私にとっては想い出深いお菓子なんですが・・・
残念ながら日本では作られているお店が少ないんですよね。
そんな話をしたからかどうか分かりませんが(笑)
ルシェルシェさんの村田シェフが、1周年記念ガトーにカジノを選んでくださいました。

中はスターアニスをアンフュゼし、アニスの香りをうつした白ワインに
さらにパスティス51を加えたムース。
苺とフランボワーズに、51を加えたコンフィチュールがサンドされています。
ぐるぐるのロール生地には、グロゼイユとフランボワーズに51を加えた
コンフィチュールを巻き込んで。
さらに上がけのナパージュにも、フランボワーズとグロゼイユ、そして51を加えて。
カジノ51という名にふさわしく、まさに全層にパスティス51が使われているんです!
しかもかな~り大量に(笑)
ただ香りほどは味には反映されないのかな?!
箱を開けた瞬間は、パスティスの香りに思わずクラッとしてしまいますが、
食べてみると、意外にも甘く華やかな香りの余韻が広がる程度に。
でもこの香りが病みつきになっちゃうんです(笑)
この日は、このパスティス51を初めていただいたレストラン
テツヤイシハラ@北新地のテツヤさんにも、このお菓子を食べていただきたくて
お持ちしたところ、こんな素敵なプレートに仕上げてくださいました。
青いグラスの中は、パスティス51の上に金柑のソルベを浮かべて。
51は、ちゃんとクラッシュアイスで飲むのに美味しい状態に
仕上げたものを濾してからグラスに注いでくださっていました。
このグラスがあまりにも美味しくて!
柑橘系(金柑)の酸味ととアニスの香りも合うんですね~。
あまりの美味しさにお代りしたいな~とつぶやいたところ、
大きなグラスで出してくださって・・・でもお酒に弱い私は当然その後は。。。
人生で2番目の酔っぱらい子ちゃん状態に★
シャンパン、白ワインにこれであの状態じゃ、次回はますます
飲ませてもらえなくなっちゃうんだろうなぁ。。。
(テツヤさんではなぜか私の前にはお水しか出されず(笑)
お願いすると、じゃ少しずつと半分ずつぐらいワインを注いでくれる
ある意味良心的なシステムに、いつの間にかなっちゃってるんです^^;
一度も暴れたことはないはずなのに・・・なんでだろ。。。)

昨年一番トキメキ、Fall in loveしたお菓子 ❤ プロヴァンス。
土台はサブレ・エピスにシナモン風味のクレーム・ダマンドとフランボワーズペパン。
その上にクレーム・ショコラを絞り、赤ワイン&ラム酒煮のチェリー、クランベリー、
プラム、レーズン、イチジク、アプリコットなどのドライフルーツが
たっぷりと重ねられています。
赤ワイン煮のドライフルーツとシナモンの妖艶な香りのマリアージュにうっとり。。。

そして・・・大好き❤ってあまりに叫び続けていたからか、村田シェフ&マダムが
昨年のバースデーに、サプライズでアントルメを作ってくださったんです。
なんとこちらはカマンベールチーズ入り。
なぜチーズ入りかと言うと・・・


このプロヴァンスのネーミングの由来は・・・
フランス修業時代にシェフのお友達がサントロぺにいらして、
そこでお食事に行くと必ずアペリティフのパスティス共に、
赤ワインで煮たドライフルーツがでてきたからなんです。
プロヴァンスでの、シェフの想い出の味なんですね。
それを形にしたのがこのプロヴァンスというお菓子。
なので、最初はパスティスやドライフルーツと一緒に食べた
チーズの味もプラスしたくて、チーズクリームが
絞られていたのですが、何か違う・・・ということで
何度か進化を重ね、今のプロヴァンスのスタイルになったんです。
チーズそのものを挟むと好き嫌いも分かれるし、原価率も跳ね上がってしまうので
プティガトーではそれは実現しなかったんですが、でもシェフの中には
やはりチーズを挟みたい!という想いがあり続けたようで・・・
私のバースデーケーキで勝手に実現されちゃいました(笑)
そしてこれが…プティガトーをさらに凌駕する美味しさだったんです!
もうチーズの入ってないプロヴァンスじゃ嫌!って思わせちゃうほどに^^;
それならさらにシェフの想いを実現させようと、パスティス51を購入して
一緒に食べてみると・・・(どんだけ凝り症なんでしょう。。。私)
そしたら、これがまた合う!!!
甘く華やかな香りの赤ワイン漬のドライフルーツとパスティスの後に
チーズをちょこっとつまむと、塩味がお口直しの役割をしてくれて
いつまでもやめられないとまらない美味しさなんです♪
でもこの美味しさを一人で堪能しちゃうのは申し訳ないと思い、
シェフにこのパスティス51を差し入れしたところ、
とっても気に入ってくれて、今回のカジノ51が生まれたという訳なんです。
パティスリーでは普通パスティスというと、ペルノーやリカールを使われている
ところが多いんですが、この51はもっとまったりと濃厚で甘い・・・
ハーブの爽快感よりも、いい意味で甘ったるい感じのテイストなんです。
最初に私がテツヤイシハラさんでこのパスティス51に出逢ったのが
昨年の6月末なので、このカジノ51は、7ヶ月の月日をかけて誕生したわけですね。
ある意味このカジノ51とプロヴァンスは姉妹と言ってもいいのかも?!
私はストーリー性のあるお菓子が好きで、パティシエの皆さんから
そんなお話を聞くのが大好きなのもこのお仕事を始めた、
そしてずっと続けていきたいと思っている最も大きな理由のひとつ。
だから自分がそのストーリーにほんのちょこっとだけど関わることができ、
こんなに素敵なお菓子が誕生したことが本当に嬉しいです。
お菓子って、食べて美味しいっていう感動ももちろんあるけど・・・
人と人との想いを繋がって生まれる、一期一会の感動的な作品でもあるから。。。
だからお菓子のあるところには、いつも素敵な笑顔が生まれるんですよね♪
パティシエさんって、夢と笑顔を与える本当に素敵なお仕事ですね。
あらためて、皆さんに感謝の想いでいっぱいになってしまいました(涙)
なんて…私一人がとっても感慨深く、想い出に浸っちゃうお菓子なのでした(笑)
でも実はこのカジノ51。
今度某雑誌に掲載されることになり、なんと・・・
定番化されることになっちゃいました。パチパチ~♪
ただしこのパスティスの香りは苦手な方も多いと思うので、
今後ず~っとショーケースに並べてもらえるかどうかは未定ですが^^;
ちょっとマニアックなテイストはお好きな方は、是非試してみてくださいね!
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店名:パティスリー ルシェルシェ(Patisserie Rechercher)
住所:大阪府大阪市西区南堀江4-5 B101
電話:06-6535-0870
定休日:火曜日
営業時間 10:00~19:00