Sweets Please 講習会@大阪 ☆ 和泉光一シェフ -2 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ
Sweets Please 講習会@大阪 ☆ 和泉光一シェフ -1

 
 
 


 
デモンストレーションの一品目は、ケイク黒糖

味が出やすそうで出にくいのが黒糖の難しさ・・・ということで、
何かと合わせて味を引き出そうと考えだされたのが、エスプレッソ。
エスプレッソの香りと合わせることで、黒糖の香りを引き立てる工夫をされています。

 



 
今回は、和泉シェフこだわりの沖縄多良間特産黒糖を使用。
ひと口に黒糖と言っても、通常は色々な所で作られた黒糖が混ぜられてしまうんですって。
でも、この多良間産は純粋に多良間産のみということで、
他の黒糖とは全く風味が異なり、好んで使われているとのこと。

生地の温度、牛乳、生クリームなどを合わせた液体の温度管理が大切で、
最終的には全てを合わせて、35~36℃に保ち、型に入れていきます。

蜂蜜も加えられていて(アカシアなどクセのないものを)
すごくしっとりと焼きあがるので、劣化しにくいケイクなんだそう。

 
 



 
黒糖のシロップをアンビバージュしていくのですが、
普通は、刷毛でうっていきますよね。
でもこのようにトレーに浸して、レードルでかけることで、
誰がかけても同じ状態に仕上がるとのこと。

以前にWPTC後の講習会を受講したときにも感じたのですが、
和泉シェフのお菓子作りは、味覚を重視しながらも、非常に合理的に考えられています。

 
 



さらに、エスプレッソのグラスアローをかけていきます。
  



艶々で、とても美味しそうですね~♪
 
生地がとてもしっとりとしていて、こっくりと濃厚な
黒糖とエスプレッソのアンサンブルのインパクトが大きなケイクでした。

 
  








 
二品目は、フィナンシェ・オ・ミエル・フルール・プランタニエールを。
春の花の蜂蜜のフィナンシェです。

お鍋にドン!と立てられた純白のバターは、高級なカルピスバター(無塩)
和泉シェフは、フリーの期間中に様々な場所で講習会を重ねるうちに、
どこに行っても同じように作れるようにと、自分で素材を探すようになり
素材について色々勉強できたのがよかったとおっしゃっていました。

アーモンドプードルは、粗めがお好きということで、
50メッシュぐらいのものをお使いだそう。
 
そして薄力粉は、熟成時間を長くとることで口溶け感をUPさせ、
小麦の深い味わいが楽しめる新しい発想の菓子専用粉
日本製粉さんのアフィナージュを使用されていました。
 
実は先日、藤田シェフ(ヒロコーヒー)と大西シェフ(元町ケーキ)が
若手パティシエさんのために開いている勉強会の第3弾・味覚編で
(第1弾、2弾はチョコレート細工・飴細工を指導)
この日本製粉さんの5種類の粉を使って、同じ生地を作り、
食べ比べをするという勉強会の取材をしてきました。
お二人のシェフ、株式会社ヒラタさん、そして日本製粉さんやドーバーさんなどが
皆さんボランティアでご協力されて、関西の若手パティシエの育成のために
開かれている本当に素晴らしい勉強会で、私もいつも一緒に勉強させていただいています。
この勉強会の様子も、きちんとレポートしなくては・・・m(_ _)m

 
話がそれてしまいましたが・・・
生地に焦がしバターを加え、乳化させていきます。

  

 



 
このフィナンシェの特徴は、この生地にさらにメレンゲを加えること。
卵白にフルール・ド・セルを加えて泡だてると、コシがきれ、
潰れないメレンゲに仕上がり、このメレンゲを加えることで、
生地の表面に膜を作り、しっとりと仕上がるのだそう。

 




 
やわらかいけれども、存在感があり、日本人の口に合う生地の出来上がりです。

 

  


 
メレンゲが入っているために、ねかせてはダメなので、
すぐに型に絞り、フレキシパンの下に網をかませて焼成していきます。





 
フィナンシェの語源でもある、ややロングな金塊型と今流行りのプティ・サイズ。
 
しっとりとした口あたりと、華やかな蜂蜜が香るインパクトのある個性的なフィナンシェ。
シェフが“半熟フィナンシェ”と呼ばれているのも納得の口溶け感が堪能できます。
焼きたてよりも、少し落ち着いた頃の方が、蜂蜜のコクがよりしっかりと感じられ、
個人的には美味しく感じました。

  
つづきます・・・