毎年とっても楽しみにしているガレット・デ・ロワ&伝統菓子講習会2010@大阪が
2010.7.28に、イワセエスタさんにて開催されました。
クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワは、今年から年間テーマを設定し、
それに沿って講習会やイベントを開催することになり、
初年度である今年、2010年のテーマは「ノルマンディー」
講習会のタイトルは「フランスの地方を楽しく探究」とし
2010年のテーマであるノルマンディー地方のお菓子が数多く取り上げられました。
また例年のようなお菓子のデモンストレーションだけでなく、
ディスプレーなどの実践的なアイディアも披露され、
第一部の講習会後に、試食&懇親会が開催されるという
シェフの皆さまと会員がよりコミュニケーションを図ることができるような
スタイルに今年から変わり、大いに盛り上がりました!
講習会初参加のシェフが務めるという掟のあるトップバッター。
さて今年はどなたが務められるのかしら?!
パンデュースの米山雅彦シェフが務めてくださいました。
もちろんトップバッターが作られるお菓子は、ガレット・デ・ロワです。
フィユタージュには、ブーランジュリーならではの二等粉(小麦の表皮に近い部分)と
全粒粉(石臼挽き 細挽き)も使われていて、灰分が多い粉のため
見た目がややグレーがかっているのが肉眼でも分かりました。
最初に粉類と無塩バターをフードプロセッサーで撹拌していきます。
先にバターを加えることでゆっくりと水分が入っていき、
グルテンがでるのを防ぐのだそう。
途中で加える水分は、水+ほぼ同量の牛乳で
牛乳には色づけの意味もあるとのこと。
湿度や吸水率によって、牛乳の配合は日々変えられています。
ポロポロの状態で生地を四角く成形し、シーターで7mm厚に伸ばし、
バターを包み込み、めん棒でたたいていきます。
(バターは、発酵バターと無塩バターを合わせて)
デトランプでバターを包み込む時に、隙間ができないように
バターを置いた辺に沿って、めん棒で押さえて生地を薄くしてから
包み込んでいたのを見て、なるほど~と思いました。
コルドンに通う前にその技知っておきたかったです^^;
そしてなんと、三つ折りを8回!
なんで8回も?!とパティスリーのシェフ陣に突っ込まれ、苦笑いの米山シェフ。
ブーランジュリーのシェフは少ないので、毎年‘いじめ’(笑)の対象になっちゃうんですが、
百戦錬磨の西川シェフならともかく、若手、しかも初登場の米山シェフを
あんまりいじめないでくださいね~^^;
三つ折り8回には、ちゃんと意味があるんですから!
米山シェフはダマンドを食べさせるガレットを目指されているので、
あえて重いフィユタージュに仕上げられているそう。
24cmのボウルでぬいて(この日はお皿で)
下生地は冷凍、上生地は冷蔵に。
ダマンドがフィユタージュの中でずれないように工夫されています。
香り高い、生地に負けないクレーム・ダマンドを!
パティスリーのように上質のアーモンドプードルを使うのは難しいので、
ノチェロ(くるみリキュール)を加えて、ナッツの香りを引きあげています。
皮つきアーモンドプードルを使用されているので、
ダマンドの中に茶色い斑点が見えますよね。
(ビデオ画像は画質が悪くてすいません★)
縁模様はナイフの背で。しっかりと深めに刻まれています。
ドレを2度塗りしてからクープを描いていきます。
クープは浅いと盛り上がってしまうので、フィユタージュの厚みの2/3位まで
斜め45℃からナイフを入れていきます。
だからシェフの皆さん・・・その視線怖すぎですから~^^;
ガレット・デ・ロワに関しては、クラブのシェフの皆さまの作り方も
本当に十人十色で・・・
いつも受講生よりもシェフ同士から、矢継ぎ早に質問が飛び交うほどです。
特にブーランジュリーのガレットは、パティスリーのガレットとは
基本的な材料や考え方が違うので、興味津々のご様子。
ガレット・デ・ロワコンテストでも優勝者を輩出している
ガトー・ド・ボワの林シェフも大絶賛の米山シェフの美しいクープ。
深めのクープが斜めにパカッと、シャープなフォルムに開いています。
深く刻み込まれたクープも、しっかりと焼きこまれた焼き色も
実に美しく端正な顔立ちの米山シェフのガレット・デ・ロワ。
バリッ♪と軽快な音をたてて崩れ落ちるバターの香り高いフィユタージュと
ナッツの香り高いクレーム・ダマンドのハーモニー。
二等粉独特の風味と香りの余韻が後を引きます。
真っ白ではない粉好きの私は、この香りが大好きでした❤
しっかりと邪念を払ってのぞんだはずなのに・・・
残り3ピースの中に一つ入っていたフェーブ・・・見事にはずしちゃいました。
今年後半も幸せは訪れることがなさそうです。。。
つづきます・・・