パティスリー ルシェルシェ -2 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ
ルシェルシェ -1

  
 
 
●アリババ
 


 
よ~いドン!でご紹介させていただくルリジューズを取材しながらも、
他のお菓子にもはげしく目移りしちゃう私^^;
だって、大好きなババが登場していたんですもの❤
このフォルム・・・私、絶対に好き!ってひと目惚れしちゃいました。

たっぷりと気泡をだきこんだブリオッシュ生地はしっかりと焼きこまれていて、
ザラッとした舌触りの後から、ラム酒の香りを纏ったシロップが
ジュワ~っと迸りでてきます。
こんなにもたくさんのシロップが染み込んでたんだ・・・というほどの量。

下に敷かれたトレーにシロップが染みだしてしまっているババは
私的にはちょっぴり残念で・・・
フォークを入れた瞬間に、ジュワ~っと溢れだしてくるというのが理想的。
そういうシロップをたっぷりと抱きこんだ生地は、お口の中でほろほろっと
崩れ落ちる感覚が、またたまらないんです。
そしてもちろん、余韻には麗しのラムの香りがふうわり。。。






 
生地にもクレーム・パティシエールにもラムレーズン入りというのが
また私的にはストライク!
クレームの中だけも6個ものラムレーズンが入っていて、
(ぱかっと生地をはずして数えてみちゃいました^^;)
どこを食べてもプチッとラムレーズンが弾けるのが嬉しいです♪
 
甘く芳醇なヴァニラとエレガントなラムの香りのマリアージュ❤
それだけでも充分に素敵なのに、村田シェフはさらに手を加え、
オリジナルなババを構築!

見えるかなぁ。。。クレーム・パティシエールの上にほんの少し
蜜柑のコンフィチュールが忍ばされているんです。
屋久島産のたんかんで作ったという自家製コンフィチュール。
オレンジとは違うやさしい蜜柑の香りながら、後口に少し苦みが残るのがポイント。
清涼感溢れる爽やかなアクセントになっています。
 
TOPにはアプリコットジャムを塗り、オレンジのコンフィと
グリーンレーズンを浮かべて。

アリババというと、ブルオッシュ生地、クレーム・パティシエール、
ラムレーズン、オレンジのコンフィというのが一般的だと思いますが、
ラムレーズンがトリプルなうえに、さらにたんかんのコンフィチュールをプラスした
なんとも贅沢で、芳醇な香りの中にも清涼感溢れるオリジナルのババ。
透明感のある香りの余韻に酔いしれてしまう、私はかな~り好みのテイストでした。





 
●オペラ 
 


 
何層構造ですか?とお伺いしたら、即7層です!という返答が。
数えずに即答してくださるシェフって、意外に少ないんですよね^^;
3cmの中に7層が、ビシッと真っすぐなラインで収められています。

下から、ビスキュイ・ジョコンド、クレーム・オ・ブール、ジョコンド、ガナッシュ、
ジョコンド、クレーム・オ・ブール、ショコラのグラサージュの7層構造。

 
個人的にはTOPはグラサージュよりもパータグラッセの方が好きなんですが、
村田シェフ的には、パータグラッセはテイクアウトすると
結露してしまうのが気になるからとのこと。
漆黒に煌めくグラサージュには、カカオニブが浮かべられています。
ビジュアル的には金箔の方がエレガントですが、
カリッとビターな音感がお口休め的なアクセントになっていいですね。

シェフのオペラはショコラとキャフェのどちらを食べさせたいオペラですか?
とおうかがいしたところ、ショコラを食べさせたいとのこと。
そのショコラは現在はヴァローナのエキストラビターを使われているとのことですが、
近々イタリアのあのショコラに変えられる予定だそう(最近パティシエさんに大人気の^^;)
 
今はクラシカルなカカオの深い味わいが堪能できる甘さを抑えた落ち着いたテイストですが、
ショコラが変わるときっと印象が一変するんだろうなぁ。。。
進化後も楽しみですね。
 
 
一方キャフェは、エスプレッソよりも濃いものをネスカフェで作られているそうで、
キャフェの苦みもしっかりとたっています。
さらにアンビベするコーヒーシロップには、コニャックを加えて。
 
ファーストノートには、キャフェのビターテイストが広がるんですが、
このコニャックのまろやかで優美なアロマが全体を包み込んでいくので、
ラストノートは甘美でやさしい印象に・・・
口あたりもしっとり、ほろっと全層が見事にまとめあげられています。

 
ショコラ×コニャックは、私も大好きな組み合わせ。
ただオペラでいただくことは珍しいかな。
ショコラとキャフェの芳醇な香りのマリアージュが
あたかもお酒を使用しているように感じさせ、酔わせる・・・
という両者の主張が拮抗しているオペラが好みなので、
コニャックに酔わされてしまうのは、ややルール違反な気がするんですが(笑)
全体的に非常にバランスのとれたオペラのお手本のようなオペラでした。
アプリマクによる進化が楽しみです^^; 
 
 



●サンマルク



 
TOPはこげ茶色にしっかりとキャラメリゼされ、断面が非常に美しいラインの
ややスリムボディのサンマルク。
 
サンマルクのお手本のようなビジュアルながら、
ここにも村田シェフのオリジナルがキラリ。
通常サンマルクは、ビスキュイ・ジョコンドで、クレーム・シャンティ・ヴァニーユと
クレーム・ショコラをサンドしますが、クレーム・プラリーヌにアレンジして。

プラリネの粒々感がアクセントになっていながら、
テイスト的には主張しすぎず、全体的には甘さ控えめで
ナッティな余韻が香る大人テイストに仕上げられています。
マンジャリ+エキストラビターのクレーム・ショコラもスッキリと
キレのいいビターテイストに。

 
村田シェフのサンマルクの美味しさのポイントは、なんと言っても
このキャラメリゼしたおしたという(笑)TOPのキャラメリゼ。
厚めに、パリンパリンに仕上げられているので、
このままナイフを入れても・・・たちうちできません^^;
シェフも倒して食べてくださいねとおっしゃるほど。
 
でも是非このバリン♪と香ばしく焼き上げられたキャラメリゼも
一緒に食べてみてくださいね。
クレーム・プラリーヌはほわっとエアリーな口溶けで、
クレーム・ショコラはやや重厚ながらす~っとなめらかな口溶け。
そしてみちっと密な生地とバリンと香ばしさと苦みがインパクトのあるキャラメリゼ。
 
4層の口溶けのスピードが全く異なり、最後に広がる
キャラメリゼのビターな香味が、全てのテイストを引きあげていきます。

 
オープン直後、1ヶ月後、そして2ヶ月後・・・と
目を見張る進化を遂げ続ける村田シェフ。
新作が続々と登場しているのももちろんですが、
同じガトーでも、食感と味のバランスの妙が日を追うごとに
着実に冴えわたってきているのを感じます。
シンプルな焼きっぱなし菓子も充実させたいとのことなので、
これからがますます楽しみですね♪




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店名:パティスリー ルシェルシェ(Patisserie Rechercher)
住所:大阪府大阪市西区南堀江4-5 B101
電話:06-6535-0870
定休日:不定休(基本的に火曜日が多いようです)
営業時間 10:00~19:00