ペリリュー 楽園のゲルニカ キツい戦争映画をアニメで少しでも柔らかく伝えてくれます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ペリリュー 楽園のゲルニカ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

太平洋戦争末期の昭和19年、21歳の日本兵・田丸均は、南国のペリリュー島にいた。亡くなった仲間の雄姿を書き記す「功績係」という任務に就く。戦況は悪くなる一方で日本軍は追い詰められ潜伏を続けていた。そんな田丸の支えとなったのは上等兵・吉敷佳助の存在だった。

というお話です。

 

 

太平洋戦争末期の昭和19年。南国の美しい島・ペリリュー島。そこに、21歳の日本兵・田丸はいた。漫画家志望の田丸は、その才を買われ、特別な任務を命じられる。それは亡くなった仲間の最後の勇姿を遺族に向けて書き記す「功績係」という仕事だった。

 

9月15日、米軍におけるペリリュー島攻撃が始まる。襲い掛かるのは4万人以上の米軍の精鋭たち。対する日本軍は1万人。繰り返される砲爆撃に鳴りやまない銃声、脳裏にこびりついて離れない兵士たちの悲痛な叫び。隣にいた仲間が一瞬で亡くなり、いつ死ぬか分からない極限状態の中で耐えがたい飢えや渇き、伝染病にも襲われる。

 

 

日本軍は次第に追い詰められ、玉砕すらも禁じられ、苦し紛れの時間稼ぎで満身創痍のまま持久戦を強いられていく。田丸は仲間の死を、時に嘘を交えて美談に仕立てる。”正しいこと”それが何か分からないまま。そんな彼の支えとなったのは、同期ながら頼れる上等兵吉敷だった。2人はともに励まし合い、苦悩を分かち合いながら、特別な絆を育んでいく。

 

一人一人それぞれに生活があり、家族がいた。誰一人、死にたくなどなかった。ただ、愛する者たちの元へ帰りたかった。最後まで生き残った日本兵はわずか34人。過酷で残酷な世界でなんとか件名に生きようとした田丸と吉敷。若き兵士2人が狂気の戦場で見たのもとは。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、アニメで可愛い雰囲気で作られていますが、戦争の残酷さ、狂気を描いていて、とてもキツい内容の映画でした。実話を元に描かれていると書いてありましたが、戦争になると人間がこんな風に変わってしまうのだということが描かれていました。本当に観ていて辛い場面がたくさんありました。

 

ペリリュー島には1万人もの日本人兵士が行っていたようです。そこへ米軍が侵攻してきて悲惨な状況に陥っていくんです。昭和19年ですから、既に軍備も少なくなり日本軍は力が無かったのだと思います。そこへ米軍の侵攻ですからひとたまりも無いですよね。日本兵は森林を逃げ回るしかなくなるんです。

 

 

こういう日本兵が逃げ回るしかない状況を描いた映画を観ると、塚本監督の「野火」を思い出します。2015年の作品ですが、あれから10年、毎年終戦記念日前後に上映しているんじゃないかな。「野火」は大岡昇平原作小説で1959年に市川崑監督が映画化し、それを2014年に塚本監督がリメイクしました。あの映画だけは何年たっても忘れられません。

 

この映画は、あの実写映画をアニメ化したような感じなんです。島も違うし、内容も違うけど、軍という集団で行動しているので、どんな場所でも同じような問題が起きるんですよね。既に戦争は終わっているのに全く気が付かずにいつまでも逃げ回り、戦争が終わったと聞いても米軍の嘘だと思ってしまう。

 

 

集団で行動しているので誰かが確かめてみようと言っても、敵に投降するくらいなら自決を上司が言えば何も返せないんです。軍隊になると個人の考えは潰されてしまうんですよね。本当に怖いと思いました。軍になったら個人の考えを尊重は出来ないという事も理解出来るんです。でも、人間としては間違っている。だから戦争はやってはいけないんです。

 

21歳の田丸は”功績係”に任命されます。亡くなった兵士の家族に兵士の最後の姿を手紙にして送るというお仕事らしく、そんなことまで仕事としてやらせていたのだなと驚きました。よくドラマとかで戦地から最後の手紙が来たというような内容があり、箱に石が入っていて手紙が添えられているというような描写がありますが、それがこれなのかなとぼんやり思いました。そんな時代だったんですね。

 

 

自分が生きている日本が、その昔、こういう戦争をして沢山の犠牲者を出したという歴史を背負って、もうこんなことは絶対にしないと誓っていることは誇れることじゃないかなと思います。C国やK国に挑発されても、自衛隊の方も我慢して決して反撃しない。そういう真面目な国民性の民族で良かった。というかそういう国でなければいけないと最近は凄く思っています。

 

最近、世界中で戦争をやりたがっているような空気があって、凄く怖いです。ウクライナとロシアやイスラエルとガザの問題があり、C国も軍費を増やしていますよね。なんだかとても嫌な雰囲気があり恐いです。日本は挑発には乗らず、それでも何かあった時は十分に対処出来るような軍備をする必要があると思っています。高市総理になってくださって良かった。

 

 

話を映画に戻して、このペリリュー島のお話は、上皇上皇后さまがペリリュー島に慰霊訪問をするというニュースを聞いて、作者がペリリュー島に興味を持ち、取材をして漫画を描いたそうです。ペリリュー島の取材の中で生き残った方々にお話を聞くにあたり、協力をしてくださった方もいれば拒絶した方もいたそうです。

 

それに関しては映画の中でも描かれていますが、戦争が終わり投降するにあたり、田丸は先に立って戦争が終わっていることを確認し隠れている兵士に向かって投降を促しています。でも、最後まで信じずに投降することに戸惑う兵士や、結局、日本に帰らない兵士もいるんです。

 

 

それぞれの考え方ですが投降を最後まで屈辱と思っている兵士や、投降を今まで止めるために同胞を殺してしまった兵士など、それぞれに理由があるんです。なので日本に戻ってきても、やっぱり自分が投降したことを許せずにいる方もいたんじゃないかな。屈辱だと心のどこかで感じていたんじゃないのかな。戦争は心を壊してしまうんです。

 

この映画を観て、何とも言えない悲しさと悔しさと、戦争という怪物への憎しみが湧きました。田丸が最後まで優しい気持ちを捨てず、田丸と吉敷だけはお互いを思い合う気持ちを捨てなかったのが救いでした。この何とも言えない気持ちと感動を忘れないと思います。

 

そうそう、田丸を演じた板垣さんと吉敷を演じた中村さん、とっても良かったです。声にも柔らかさが出ていてアニメに合っていたと思います。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画は戦争を正面から見つめて、それを少しでも観やすく柔らかく伝えようと優しいアニメで描いてくれています。キツい内容ですが、このアニメなら観れるし、戦争の恐ろしさを知ることが出来るのではないかと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ペリリュー 楽園のゲルニカ」