「エディントンへようこそ」
を観てきました。
ストーリーは、
2020年、アメリカ・ニューメキシコ州の小さな町エディントン。コロナ禍のロックダウンにより住民たちの不満と不安は爆発寸前に陥っていた。そんな中、町の保安官ジョーは野心家の市長テッドとマスクの着用をめぐる小競り合いから対立し、突如として市長選に立候補する。
というお話です。
2020年、ニューメキシコ州の小さな町エディントン。コロナ禍で町はロックダウンされ、息苦しい隔離生活の中、住民たちの不満と不安は爆発寸前になっていた。
保安官ジョーは、IT企業誘致で町を“救おう”とする野心家の市長テッドと“マスクをするしない”の小競り合いから対立し「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補する。部下のガイとマイケルに協力させ選挙戦に突入する。

ジョーとテッドの諍いの火は周囲に広がっていき、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上。同じ頃、ジョーの妻ルイーズは、母ドーンの紹介でカルト集団の教祖ヴァーノンに心を奪われ、小児性愛や児童売買に関する陰謀論にハマっていく。
エディントンの選挙戦は、疑いと論争と憤怒が渦を巻き、暴力が暴力を呼ぶ展開となっていく。その上、街の青年たちがブラック・ライブズ・マターの抗議活動を始めてしまい、混迷を極めていく。ジョーは保安官としての職務を全うしようとするが、それぞれ個人の勝手な動きによって収拾がつかなくなり、我慢の限界が来てしまい…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、好きな展開してたなぁ。面白かったです。コロナ過での選挙戦(市長選)が描かれるんだけど、とんでもない方向に転がっていくのが、笑っちゃうし恐いしという観たことのない展開になって行くんです。私には、ちょっと今までのアリ・アスター監督作品とは違う雰囲気に思えました。恐いんだけど、ヘレディタリーやミッドサマーとは違う怖さなんです。
ジョーは保安官として真面目に働いています。街の住民の苦情を聞いて、毎日、ちゃんと対処しているんです。ホームレスが店に迷惑をかけていれば注意にいくし、騒音がうるさいという苦情があればそれも注意に行くんです。
今どきなので暴力を振るったりは出来ないので、それはそれは苦労をしていました。市長のテッドの家で騒音を出していると聞き文句を言いに行くのですが、テッドに平手打ちをされ、それでも報復は出来ずに帰ってくるしかありませんでした。
家では妻のルイーズが陰謀論を訴えるカルト集団のヴァーノンにハマり、挙句の果てにヴァーノンと駆け落ちしてしまいます。ジョーは妻のルイーズとルイーズの母であるドーンとの3人暮らしで、ルイーズが出ていってしまうと義母と二人になってしまいます。自分の母親と二人なら解るけど、義母と二人って嫌だろうなぁと思いました。だって自分を裏切って出ていった女の母親ですよ。私なら無理だな。
仕事でも家でも居場所が無く、市長選に出ることになってもなんだか上手く行かず、街中では青年たちがブラック・ライブズ・マターの活動をしています。迷惑だから道路ではなく歩道上でやりなさいとジョーが注意するも、いうことを聞かずにデモを続けるんです。お巡りさんのいう事は聞きなさいよね。
嫌なガキだなと思っちゃった。本当の差別を知らないくせに、さも知っているように偉そうなことをいうんですよ。ムカつくでしょ。大体、こういう運動をする人間って辻褄が合わなくても平気で訴えるんですよね。何かを動かしたいなら、話の”すじ”を通さなければ誰も聞いてはくれません。
テッドは現市長であり、街の発展の為にIT企業誘致を承認することにしたようなんです。一見、真面目な市長なのかと思ったら、ロックダウン中なのに屋内パーティーを開いて選挙資金を募っていたり、企業誘致だって利権の為のようだし、やっぱり美味しいことがあるから市長になりたいんでしょうね。
そんなテッドに対して、ジョーは思いつきで市長に立候補しただけだから、利権なんて考えちゃいないと思います。この二人のどちらが市長になっても、はっきり言って街が良くなるとは思えないんですけどね。
そんな選挙戦が始まりますが色々とムカつくことばかりで、ジョーはとうとうキレてしまいます。まぁ、キレたからってどうなるもんでもないと思っていたんだけど、大変なことになります。これ、ネタバレ出来ないんだけど、キレてからの展開は、完璧にアクション映画になっています。それまでの前半はエディントンの街の群像劇だったのに、ジョーの立場で選挙戦を見るようになり、最終的にはジョーの目線で描かれていました。
この最後の方は「ポーはおそれている」に似ているような気がしました。だって、ある事が起きて、ジョーの傍らにはいつも義母がいるようになり、まるでジョーを操っているのは義母のように見えてきたんです。きっと、ジョーよりもドーンの方が生活力にも長けているし、「ポーはおそれている」でもそうだったように、母親がすべてを握っていて、そこから逃れられないような感じなんです。恐かった。
本当はネタバレ出来ればもっと気になる部分の考察を書きたいんだけど、やっぱりこの映画はネタバレしてしまうと驚きが無くなってしまうので真っ新で観て欲しいです。後半は、それまでの映像とも違います。その部分だけ西部劇の世界に入り込んでしまったようなそんな雰囲気で、ドキドキハラハラ感もハンパ無かったです。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。私には本当に面白い映画でした。最後は自業自得になったのだと思うけど、それでも彼にとってはしあわせな結末だったのかなと思いました。ちょっと気になる部分は謎解き出来ていないんだけど、続編という話があるようなので、もう少し待ちます。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()
「エディントンへようこそ」










