「ブラック・ショーマン」
を観てきました。
ストーリーは、
観光客が遠のき活気を失ってしまった町で、多くの教え子に慕われていた元中学校教師・神尾英一が何者かに殺害される。父の訃報を受け、結婚を控えていた娘の神尾真世が実家のある町に帰ってくる。真実を知りたいと願う真世の前に、元マジシャンの叔父・神尾武史が現れる。
というお話です。
元中学校教師である神尾英一が何者かに殺された。2か月後に結婚を控えていた神尾真世だったが、父・英一の突然の訃報を受け、実家のある町に戻る。とつぜんの出来事に動揺を隠しきれない真世だったが、警察から殺人事件の可能性があると聞き、更にショックを受けてしまう。
その町はコロナウイルスの蔓延以降、観光客も遠のき、活気を失ってしまっていた。そんな折に起こった殺人事件。教師として多くの教え子から慕われていた英一はなぜ殺されなければならなかったのか。恨まれるようなことは何一つ無いように見えていた。
真実を知りたいと願う真世の前に現れたのは栄一の弟である叔父の神尾武史。かつてラスベガスで名を馳せた元マジシャンだ。卓越したマジックとメンタリスト級の巧みな人間観察&誘導尋問を武器にして、武史は、姪・真世と共に兄栄一が殺された殺人事件の謎を追っていく。
容疑者と思われる人物は真世の同級生たち。その町を復興させようとする建設会社社長と銀行員と酒屋の3人、売れっ子漫画家とそのマネージャー、青年実業家、旅館の女将、みんな真世の同級生だ。武史は警察の動向を盗み見ながら、栄一の葬儀を使ってそれぞれの人物の人間観察をしていく。武史は犯人を見定めることが出来るのか。後は、映画を観てくださいね。
福山さん主演の作品、楽しみにしていました。うーん、まぁまぁって感じかしら。主演のお二人はよいのだけど、他のキャスティングはあまり良くなかったなぁ。何故なら出演者が解った時点で犯人が誰か解ってしまうからです。容疑者を観た時”あ、この人が犯人役だね。”と想像が出来てしまうんですよね。なんでこういうキャスティングをしちゃうのかしら。とても残念です。
そしてストーリーですが、東野圭吾先生の作品、とても好きだったのですがここ最近の作品は深みが無くて薄っぺらいんです。今回も犯人の動機があまりにも短絡的で無理やりなんです。”マスカレードシリーズ”もそうでしたが、恋愛やら今回のマジックやら、他の要素を押し出してしまうので、一番重要な事件の推理という部分が薄いんです。今回はキャラクターが面白いだけに勿体ない内容だなと思いました。
東野先生、ガリレオシリーズまでは好きでしたが、作品が多すぎるから内容が薄くなっちゃうのかな。読みやすくて良かったんだけどなぁ。読まなくなりましたもん。他の作家さんの推理小説でよく練られて面白い作品が増えたのでそう思うのかしら。
映画の感想に戻りましょう。田舎の中学校教師が殺されて、その犯人捜しをするのが娘の真世と弟の武史。真世は結婚式が2ヶ月後に迫っていて、一番楽しい時のはずなんだけど実は結婚を迷っています。それは脅迫紛いのメールが届いたからです。この結婚式関係のゴタゴタは無駄だと思いました。もっと事件解決の内容に時間をかけて欲しかったな。蛇足に見えました。
武史は元マジシャンで今は東京でバーを経営しているようでした。元マジシャンという設定は面白くて事件解決に役にたっているようでしたが、ラスベガスでマジックショーを開いていたほどのマジシャンが引退して東京でバーをしているということは、ラスベガスで何か事故が起きて引退せざるを得なくなったんじゃないかな。
ラスベガスのマジックショーといえばデヴィッド・カッパーフィールドが有名でしょ。あのレベルでないとショーはやらせて貰えないし、やるとなったら年単位だし、予算だって億単位でプロモーターなどもいたハズだから、そんな簡単に辞められたとは思えないんですよ。何か凄い事故があったんだろうけど、そういう事は、今回の映画では一切明かされません。殺人事件よりそっちの方が気になっちゃって、明かされないのが残念でした。
思うに、これ続編を作るか連続ドラマ化する予定でもあるんじゃないかな。明かされなかったネタがいくつもあるんです。真世の結婚前の問題も解決したんだろうなと思えるような展開ではあったけど、どんな解決がついたのかも明かされないんです。ネタ回収し終わってない部分が多すぎて、これはどう考えても次に来る作品でネタ回収だろうなとしか思えないんです。
殺人事件については、ネタバレになるのであまり明かせませんが、それくらいで??というような展開でした。本人にとってはそれは色々とあったんだろうけど、動機が弱かったなぁ。どちらかというと、犯人以外の人々の動機の方があり得そうかなと思いました。お金のために人を殺すというのは一番多い動機ですからね。特に地方の町は過疎化が進んでますからね。
ストーリーは薄っぺらかったけど、福山さんのマジシャンはカッコ良かったなぁ。この元マジシャンのキャラクター、もっと観たいと思いました。この洞察力を使って、元マジシャンが探偵をするとか面白そうだな。真世とバディを組むのもよいけど、真世の婚約者の健太を使っていくのも面白そう。バチスタシリーズで中村さんと伊藤さんのバディ良かったですもん。
夢は膨らむけど、福山さんはお忙しいからなぁ。年末には「ラストマン」の公開もあるでしょ。あちらのバディはよく出来ているから面白いですよね。公開が楽しみです。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。推理の内容は薄いので推理モノが好きな方には物足りないと思いますが、キャラクターが面白い。それだけで観る価値はあります。特にオープニングで武史のマジックショーの映像があって、それが美しいです。ラスベガスのホテルのホールであんなショーをしていたら大人気になるだろうな。チケット取るのが大変そうだな。(笑)あまり推理を考えず観たままを楽しんだら良いです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ブラック・ショーマン」