「ファンファーレ!ふたつの音」
を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
スター指揮者ティボ。ある日、白血病と診断され、ドナーを探す中で自分が養子であること、そして生き別れた弟・ジミーがいることを知る。ジミーは寂れた町の食堂で働きながら仲間と結成した吹奏楽団を楽しみに暮らしていた。育った環境も性格もまったく異なるティボとジミーだが、ティボはジミーに類まれな音楽の才能を見いだす。
というお話です。
世界を飛び回るスター指揮者のティボは、ある日突然、演奏練習中にホールで倒れてしまう。病院で白血病と診断され、妹にドナオーを頼むが血液型が合わない。なんと遺伝学上の兄妹ではないと診断されてしまう。母親が重い口を開き、実はティポは養子だと告白をする。
ティポはドナーを探すため、母親に聞いた自分の弟を訪ねることにする。ティポの本当の母親はティポを養子に出し、その後に生まれた子も養子に出そう連絡を取ってきたが、ティポの養母は既に妊娠していたために断ったという。電話番号から場所を突き止めると、今は寂れた元炭鉱町だった。
かつては炭鉱で栄えた町は今は寂れ、給食センターで働くジミーは仲間との吹奏楽団が唯一の楽しみである。そんなジミーに兄弟であることを告げ、ドナーになってくれないかと頼むティポ。ジミーは最初驚いて拒絶するが、直ぐに思い直し兄のドナーとなる。手術は成功しティポは元気になり、ジミーに会いに来るように。
すべてが正反対の二人だが、ティボはジミーに類まれな音楽の才能を見出す。これまでの運命の不公平を正そうと、ティボはジミーを何がなんでも応援することを決意する。やがてその決意は、二人の未来、楽団、そして町の人々の運命をも思いがけない方向へ動かしていく。後は、映画を観てくださいね。
この映画、感動がじわじわとくる映画でした。何となく「最強のふたり」に似ている感じかしら。生き別れた兄弟が病気のために再会し、そこからまた関係を紡いでいくというお話で、どこかで聞いたような話だなって思うかもしれませんが、面白い展開になるので、今までの王道を行くストーリーではありませんでした。
ティポは世界的に有名な指揮者。クラシックの作曲もして、凄い人なんです。でも突然に白血病で倒れてドナーを探すと弟がいることが解ってという展開なんです。フランスでは養子はよくある事なのかな。でもティポは病気になるまで自分が養子だと知らなかったんです。まぁ、お母さんも言いにくいよね。言わないで済むならそうしたいことだったと思います。
そして弟のジミーを見つけ出しドナーになって貰うんです。ジミーは、まだ小さい頃に母親が亡くなり、今の母親の養子になったらしいんです。そんなに裕福な家ではないけど、愛情深く育てて貰ったようで、凄く良い人になっていて、快くドナーになってくれるんです。
ティポはとても感謝をして、弟のためならなんでもやってやろうと考えるんです。そして弟が楽しんでいる炭鉱町の吹奏楽団に手伝いに行くようになるんです。そんな田舎の吹奏楽団ですから、音は外れるし、楽譜は見れないし、めちゃくちゃではあるんだけど、ティポはそこで指揮をしながら、ジミーにも指揮を教えるんです。
ジミーは絶対音感を持っていて、小さな楽団でも音が外れている部分を指摘しているんです。なので思っていたよりもしっかりした楽団なんです。でもね、その町の工場の経営が苦しいようで、閉めるやら閉めないやらでモメていて、楽団もその影響を受けていて、何となく危ない状況になって行きます。
でも世界的な指揮者が来てくれて、指揮をしながら教えてくれるので、みんな一生懸命通ってくるようになり、盛り上がり始め、ジミーもちょっと調子に乗っちゃったりして色々とありますが、まぁ、映画で楽しんでください。わちゃわちゃして途中で色々な展開をします。
何だか誰もが優しくて、相手のことを思いやって、ちょっと途中でデモ的なことが起こったりもするんだけど、良い人ばかりだったような気がします。そして切ないお話でした。音楽には裕福も貧困も無くて、誰もが楽しめるモノであるということが描かれていました。
大きな劇場で観るから素晴らしいとかそんな事は関係ないんです。どこで演奏しても、どこで聞いても、相手に届いて欲しいという思いが大切なんだって思えて、感動したなぁ。もちろん上手い演奏がいいだろうけど、下手でも温かい演奏ってあるじゃないですか。
どこかのストリートピアノで下手な人は演奏しないでと張り紙がされたというニュースがあったけど、たどたどしくても子供が一生懸命引いてたら微笑ましくて嬉しくなるよね。そういうためのストリートピアノじゃないの?誰が弾いても楽しめるのが音楽だと思うんです。
そんな想いが詰まっている映画で素敵だったなぁ。切なかったけど、この映画のラストは素晴らしかった。ボレロの演奏で終わるんだけど、その演奏が素敵だったんです。あの”タンタタタタンタタタタン”っていうテンポでじわじわと音が上がってくるのが、この映画のラストにとても響きました。
ボレロのこの音って工場の音から取ったんですよね。たしかボレロを作曲したラヴェルの自伝映画でも言ってました。このボレロがティポとジミー兄弟を永遠のものにしたと思います。本当に感動しちゃいました。私はあからさまに色々と描かれるよりも、ここからこうなるんだろうなぁと想像させるような作り方の方が好きなので、この映画は良かったです。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。私はとても好きな映画だったのですが、余韻を楽しむのではなく、しっかりと色々な出来事を描いてくれるほうが好きな方には少し物足りないかもしれません。でも、感動すると思いますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ファンファーレ!ふたつの音」