「秘顔 ひがん」欲しいモノを手に入れるために誰もが策を練りしあわせを手に入れていく。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「秘顔 ひがん」

 

を観ました。Fan’s Voice独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

指揮者のソンジンはチェリストでもある婚約者スヨンがメッセージだけを残して失踪。公演のために代理のチェリストであるミジュと対面する。スヨンの代わりはいないと考えていたが、ミジュの魅力にたちまちひかれていく。そしてある大雨の夜、ソンジンとミジュは、スヨンのいない寝室で過ちを犯し、欲望のままに求め合うが…。

というお話です。

 

 

指揮者ソンジンの婚約者が消えた。オーケストラのチェリストであるスヨンは、オーケストラ理事の母親が認めた指揮者であるソンジンとの結婚と大切な公演を控えていたのだが、なぜか「あなたと過ごせて幸せだった」というソンジンに宛てたビデオメッセージだけを残し、忽然と消えてしまったのだった。

 

ソンジンはスヨンの失踪に動揺していたが、公演を中止する訳にはいかない。スヨンの母親である理事が紹介してきたチェリスト代理のミジュの面接をすることに。スヨンの代わりはいないと考えていたソンジンだったが、控えめなミジュにスヨンとは違う魅力を感じ、惹かれていく。

 

 

生粋のお嬢様育ちのスヨンは何事も自分の思い通りに進めてきた。ソンジンは将来有望な指揮者であり、彼との結婚は彼女のプライドを満足させていた。ソンジンは才能はあるが後ろ盾が無く、スヨンとの結婚により後ろ盾を持つことになり、お互いにWinWinの関係だったはずだ。それが何故突然に消えたのか。

 

スヨン不明のまま公演練習は進み、ある大雨の夜、ソンジンとミジュは、スヨンのいない寝室で許されない過ちを犯す。欲望のままに求め合う2人を、実は失踪したはずのスヨンがすぐ<そこ>で覗いていた。何故新居での二人の姿をスヨンが目撃出来るのか。スヨンはいったい…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、脚本構成が上手いです。結婚を控えた婚約中の女性が失踪といえば、恋愛のもつれとか、お金の問題とか、そんな事を想像しますよね。ま、今回も同じようなもんなのですが、一般的な想像とは違うんです。段々と謎が解明されて、3か月前の事6か月前の事と過去の出来事が描かれると、え??となって足をすくわれるような感じを味わうんです。

 

まず主人公はソンジンだと思っているから、才能豊かなソンジンをスヨンが好きになって結婚になったんだなと思うじゃないですか。実はそうじゃなくて、お金持ちのスヨンが経済的に恵まれていないソンジンの面倒見てあげるという感じで婚約したんです。ソンジンはオーケストラ理事の彼女の母親や彼女を嫌っているんだけど、有名になるためには彼女と結婚してオーケストラの指揮者として確立されることを望んでいるんです。

 

 

婚約していたスヨンが失踪してしまい、ソンジンのオーケストラでの立場も危うくなっていくんです。彼女の母親が娘の婚約者で無くなるなら、一緒に仕事をするのはおかしいわよねと言い出し、スヨンが失踪したままならソンジンは解雇されるんだろうなという予感が漂い始めます。このことで判るように、ソンジンは素晴らしい実力で雇われたのではなく、スヨンが結婚すると決めたので採用されていたのかなと感じられました。

 

 

そんなソンジンの前にミジュという女性が現れます。最初から怪しい女性なのですがソンジンは誘惑されてしまい、まんまとソンジンとスヨンの新居で浮気をしてしまいます。そんな二人の欲望にまみれたベッドシーンを、実はスヨンが見ているんです。どこから見ているのかはお楽しみです。

 

で、ここからも面白いのですが、通常ならスヨンを裏切ってミジュを抱いたソンジンが責められる展開になると思うんだけど、実は全く違っていくんです。ここらで、あれ?ソンジンは主人公と言いながら主人公じゃないんだねって感づき始めるんです。

 

 

面白いのは失踪したスヨンと、新しいチェリストのミジュ。この二人がどういう関係なのか、過去に何があったのか、というのが重要になってきて、もうソンジンはただの当て馬だったんじゃないかという存在になって行くんです。面白かったなぁ。

 

二人に関してはあまり詳しくは書けないんだけど、女って怖いよなぁと思うような展開でした。これは女ならではの愛憎劇という感じで男は振り回されるだけってことなんですよ。男はお金のために動いて、女は愛のために動いてという感じかしら。途中でどうなるのかしらとゾッとしたけど、脚本が上手かったなぁ。

 

 

はっきり言って、私はこの映画、ハッピーエンドだったと思います。見ようによってはホラーというか怖い終わり方に見えるんだけど、全員が自分の希望通りになっているんですよ。一般的な解決法ではないけど、でも誰も傷ついていない。誰もが幸せになっているように見えました。

 

これ邦題が「秘顔 ひがん」でしょ。最後にはある人物の「悲願 ひがん」だった”支配される奴隷”になれたんじゃないかと思い、ゴロがいいじゃんって思いました。誰がそうなるかは映画で確認して欲しいですが、好きな人に囚われてずっと一緒にいられる”奴隷”です。きっとその人にとっては、それが幸せなんです。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。この観ている人の固定概念を崩してくる作り方は上手いと思いました。似たようなサスペンススリラーはあるようで無いと思います。R18+指定なので大人向けですが、誰が観てもこの内容は面白いと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「秘顔 ひがん」