「おばあちゃんと僕の約束」不純な動機で祖母の介護を引き受けたけど、変わっていく様子が素敵です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「おばあちゃんと僕の約束」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

大学を中退してゲーム実況者を目指す青年エムは、従妹ムイが祖父から豪邸を相続したことを知り、自分も楽をして暮らしたいと考えるように。そんな中、お粥を売って生計を立てているひとり暮らしの祖母メンジュが、ステージ4のガンに侵されていることが判明。遺産の相続を目的にメンジュに接近したエムは、祖母から信頼を得ようと交流するなかで、その慎ましく生きる姿や考えに触れていく。

というお話です。

 

 

大学を中退してゲーム実況者を目指す青年エム。しかしそんなに上手く行く訳もなく、先行きに不安を感じていた。そんな時、従妹のムイが、祖父を介護したことで豪邸を相続したと聞き、自分も楽をして暮らせないかと画策。ムイにどうやってそうなるように仕向けたのかと指南をしてもらう。

 

エムには一人暮らしの祖母・メンジュがおり、ステージ4のガンに侵されていることが判明。母方の祖母メンジュはには長男長女次男と3人の子供がいるが、エムの母しかメンジュの面倒を見れそうにない。

 

 

タイでは男子が相続するのが通常であり、女性には何も相続されないことが多い。メンジュも息子には甘く、既に中年である次男に今もお金を渡している。そんなメンジュに不謹慎にもエムは近づき、彼女から信頼され相続を得ようとする。

 

しかし、メンジュの慎ましくも懸命に生きる姿に触れる中で彼の考えは変わっていく。まったく会いに来ようとしない長男家族、今も金の無心しかしない次男、マモトなのはエムの母親だけだが、それでもメンジュは息子を頼りにしている。エムは面倒をみながらおかしいと訴えるのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、内容を知らずに観に行ったのですが、映画館に入ったら凄い混んでいて驚きました。みなさん、ちゃんと下調べをしていて、良さそうな映画をチョイスしてきているんですね。うーん、私もそうしないといけないんだろうけど、力で押すタイプなので出来ないんですよねぇ。(笑)

 

とても良い映画でした。日本でも田舎の方とか古いお家ではこの映画のように、男性しか家を継がせないという思想が残っているところもあると思うけど、この考え方は変えていかないとダメだよね。

 

映画の中でムイという女性が祖父の介護を引き受けて看取るまでやって、家を相続させて貰ったという話が最初に出てきます。本当はこうでないとダメだよね。ただ長男だからという事で家を相続させて貰うとかあり得ないでしょ。大体、長男は甘やかされているので面倒を見ないんだから、そんな人に相続させちゃダメですよ。

 

 

当たり前のことなんだけど、タイでは介護してくれた人に相続させるような事がほとんど無いようで、エムは自分も祖母の面倒を見て上手く行けば家を相続させて貰えるかもと思って祖母の面倒を見始めるんです。最初は下心が見え見えなんだけど、メンジュはありがたいと思って、孫に面倒を見て貰うんです。

 

メンジュの息子たちは酷い人たちで、長男は都会に大きな家を買って、家族で幸せに暮らしているんです。長男だけはたまに家に寄るようですが、長男の家族はオンラインで顔を見せるだけ。面倒をみようなんて一切思っていないんです。

 

 

そして次男は独身で、借金まみれ。母親に会いに来るのはお金の無心の時だけ。お金はないというのに家を漁って有り金を持って行ってしまいます。酷い息子でしょ。マトモなのはエムの母親の長女だけ。エムの母親はシングルマザーのようだったけど、しっかり仕事をしてエムを育てていました。メンジュの面倒もエムの母親がほとんど見ていたんですよ。

 

でもメンジュが病気で余命短いと知ると、家や土地などの相続を考えて、長男次男が近寄ってくるんです。長男は裕福なので、一緒に住めばよいと言ってくるのですが、きっと部屋をあてがうだけで、面倒はほとんどみないんだろうなと予想が出来ます。次男は母親が元気なのに家を売ろうと画策します。酷いですよね。

 

私は一人っ子なので相続で揉めることは無いので解りませんが、兄弟姉妹がいると介護を誰がやるかで揉めて、その後、相続で揉めるみたいですね。色々な話を聞くので驚きます。私の父方の家が相続で揉めたので、私と両親は遺言書を書いておこうと相談しまして、今、相続専門の法律関係の事務所へと頼んでいます。

 

 

映画に戻って、エムは自分は孫なので、相続に口を出せずに静観するだけですが、自分の母親にはどうにかならないのかと相談します。でもエムの母親は女性なので、相続させて欲しいとは言えないようなんです。そしてメンジュも自分の親が死ぬときに、遺産をほとんど貰えず、全て兄に取られて悔しい思いをしているんです。

 

メンジュが兄の家に行って、墓を作りたいから親から相続したお金の一部を貰えないかという場面があるのですが、兄は相続は俺がしたのでお前にやる金は無いと突っぱねます。酷いでしょ。兄妹で、妹が余命短くて墓のお金が欲しいと言ったら、普通はくれるんじゃないの?どいつもこいつも金に汚いなぁと思いました。

 

 

お金が絡むとどうして人間が変わったようになっちゃうんでしょうね。それぞれが自分の力でお金を稼いで、稼いだだけの生活をしていれば何の問題も無いと思うんだけど、楽して贅沢しようとするからダメなのよね。ま、でも今の日本ではどんなに頑張っても税金に取られちゃうからやる気が無くなっちゃうだろうけど。タイはどうなのかしら。映画で観た感じだと、税金で苦しいという感じでは無かったけどね。

 

エムはメンジュの介護を続けていたんだけど、酷い息子がいたためにエムに相続は来なさそうな状態になって行きます。それでもメンジュが必死で育ててきた子どもたちや自分の生活を続ける姿を見て、エムは相続など関係なく、おばあちゃんの面倒を見ようと思って続けていくんです。エムは母親に愛情深く育てられていたので、やっぱりいい子なんですよ。

 

 

感動作でした。私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。タイ映画でこういうホッコリした作品はあまり日本に入ってきていなかったので、ちょっと目新しくて、タイの生活も解って楽しめました。やはり国によって考え方は違うけど、親が子を思う気持ちや子が親を思う気持ちは変わりません。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「おばあちゃんと僕の約束」