「愛されなくても別に」毒親の愛はいらないけど信頼出来る人間はいて欲しいとおもったんじゃないかな? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「愛されなくても別に」

 

を観てきました。完成披露プレミア上映会がFan’s Voiceさん枠で当選し観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

大学生の宮田陽彩は母親に代わって学費と家計を稼ぐため、学校以外のほとんどの時間をコンビニでのアルバイトに費やしている。人生に期待することなく生きてきた。ある日、同級生・江永雅の父親が殺人犯だという噂を耳にする。陽彩と雅の出会いは、それぞれの人生を大きく変えていく。

というお話です。

 

 

宮田陽彩は、"クソ"のような大学生活を送っていた。大学に通い、それ以外のほとんどの時間をコンビニでのアルバイトと家事に費やしていた。浪費家の母親は全てを陽彩に依存し、「愛しているから」という言葉で彼女を縛っていたのだ。陽彩は遊ぶ時間もお金も無い。陽彩は、親にも友人にも、何かに期待して生きてきたことがない。

そんなある日、同級生・江永雅のひょんな噂を耳にする。「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」。江永雅は同じコンビニのバイト仲間なのだ。自分より不幸な子がいるなんてと思い、雅に噂は本当なのか聞いてみると、概ね本当だとの回答が帰ってくる。

他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたりだったが、この出会いがふたりの人生を変えていく。何となく距離が近づいた陽彩と雅。陽彩は実の父親との再会で母親の裏切りを知り、雅は過去の因縁からある男に狙われて殺されそうになってしまう。それぞれがその苦しみを一人で受け止められなくなった時、お互いの手を掴むことを選ぶ。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、良かったなぁ~。毒親に苦しめられる女性のお話なんですけど、母親の毒っぷりがリアルなんですよ。こういう母親いるよなぁ~って感じで、子どもが怒りたくても怒れないような言い回しや態度をするので、子どもが我慢するしかなくなるんです。私、自分がこの毒親と同じ年代だと思うので、そのずる賢さが解るんですよ。酷いなぁと思いました。

 

主人公の陽彩は、母一人子一人で自分を育ててくれた母親のために必死で働き、大学にも通い、酷く無理をしているんです。いつも母親は”あなたを愛している”と言って、陽彩を繋ぎとめているんだけど、どうみても自分しか愛していないような人物なんです。こういう人いるよねぇ。相手が夫でも子供でも、愛していると言っておけばお金を運んでくるんだから、いい様に使っているだけなんです。そこに愛は見えないんです。

 

 

陽彩は、母親が酷い人間だと気が付いていても、母親だから切ることが出来ないんです。我慢して我慢して、ボロボロになっていました。誰も信用出来なくなり誰にも頼れないと思い込んでいて、一人で孤独に生きていました。そんな陽彩は雅に出会います。

 

雅は酷い毒親に育てられており、父親からは性的虐待、母親からは売春しろと言われてきた女性です。父親はある殺人事件後に失踪して見つかっていません。最悪の両親に育てられた雅は、周りでどんな噂をされようとも、もう諦めて相手にしていません。人の口には戸は立てられませんからね。気にしないのが一番です。

 

 

陽彩は自分よりも不幸な雅と出会い、何となく打ち解けていきます。一人孤独でいいんだと思っていたけど、やっぱり誰かに頼りたい、話をしたい、と思ったんじゃないかな。陽彩は人と触れることも苦手で、手を繋いだだけでも苦しくなるような、そんな性質がありました。そして苦しみから逃げるために”芳香剤”の臭いをいつも嗅いでいるんです。ちょっと奇妙でした。

 

そして陽彩と雅が出会う同級生で、木村さんという子が出てきます。彼女、凄い過保護に育てられていて、地方から出てきて一人暮らししてるんだけど、ある新興宗教にハマったらしくヤバい感じになって行くんです。宇宙(コスモ)様とか言っていて、ペットボトルの水が3000円とかで売られていて、ヤバい宗教なんです。その木村とのことでもひと騒動あります。

 

 

面白かったなぁ。もう見るからにインチキなんだけど、信じちゃっているというか頼っているんだろうな。私、どうしてもこういう宗教的なモノにハマる人の気持ちが解りません。なんたって、宗教は儲かるから一緒にやろうと言われたことがあるんですもん。色々と説明してくれて、あーマジでこれは儲かるんだろうなと解ったのですがインチキは嫌だったので断りました。私の周りには面白い人がいたなぁ~。

 

ま、毒親のことや宗教のことなどがあり、二人は成長していきます。それまで人生を諦めていた二人だったけど、生きていくという前向きな考え方に変わっていったように見えました。

 

それにしても毒親の話は酷かったなぁ。自分の子供によくそんなことが出来るよなと思ってしまいました。私はペットのフェレットにもそんな事出来ないよ。ま、命令してもやってくれないけど。(笑) どう考えても、自分の子どもを人間とは認識していないんですよね。

 

 

自分のいう事を聞く人形程度にしか思っていないように見えました。色々あって、母親が陽彩に謝る場面があるんだけど、どう見ても表面上しか誤ってないのよ。ここで誤っておけば、また働いてお金を持ってくるだろうと思っているのがありありと見えるんです。いやぁ、酷かった。本当に酷かった。

 

陽彩役の南さん、色々なところに出演しているけど、まだお若いんですね。22歳と聞いて驚きました。しっかりしているし、演技も上手いし、これからどんどん良くなっていくのかな。雅役は馬場さんが演じていて良かったです。「コーポ・ア・コーポ」が良くて好きになりました。独特な雰囲気で素敵な役者さんだなと思っています。

 

そういえば同級生の木村さん役で本田望結さんが出演されていました。最近観てなかったので、ちょっと驚いて嬉しくなりました。やっぱり上手かったです。さすが天才子役と言われた方です。宗教にのめり込む感じが何とも言えませんでした。こんな風になっちゃう人いるんだって思うほどリアルでした。

 

 

最後に一つだけ。親でも何でも理不尽な事を要求したり納得出来ないことをやらされたりしたら断わっていいんです。最後には逃げ出しても良いんですよ。我慢して付き合っている必要はありません。お互いに個々の人間なので、解りあえなければ別れてよいんです。親だろうが何だろうが、一緒にいたら自分が壊れると思ったら離れてください。間違っていませんから。周りはちゃんと理解してますから大丈夫。どうしようもなければ、誰かに頼ってください。助けを求めることは恥ずかしくありませんからね。

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。毒親にイラついてムカつくけど、二人はそれに対抗して、ちゃんと自分たちのいく未来を見ることが出来ていたように見えました。優しい映画で、観た後にスッキリしました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「愛されなくても別に」