「ネムルバカ」
を観てきました。
ストーリーは、
大学の女子寮で同じ部屋に住む後輩・入巣柚実と先輩・鯨井ルカ。ルカはインディーズバンド「ピートモス」のギター&ボーカルとして夢を追っているが、入巣は特に夢や目標のないまま、古本屋で何となくアルバイトする日々を過ごしている。ある日、ルカに大手音楽レコード会社から声が掛り…。
というお話です。
大学の女子寮で同じ部屋に住む後輩・入巣柚実と先輩・鯨井ルカ。入巣はこれといって打ち込むものがなく、何となく古本屋でバイトする日々を送っている。ウザい店長や面倒な客を相手に、だらだらと適当な返事でごまかしていた。
一方ルカはいつも金欠状態だがインディーズバンド「ピートモス」のギター・ヴォーカルとして、自らの夢を追いかけている。ある日、いつもの通り酔っぱらって寝ていた入巣が、寝ながら鼻歌を歌っている。そのメロディが気になったルカは、そのメロディを曲にし歌詞をつけて、「ネムルバカ」という曲に仕上げ、バンドのライブでやることに。
そんな2人は安い居酒屋でダラダラ飲んだり、暇つぶしに古い海外ドラマを観たり、緩くもどこか心地よい日々を過ごしていた。ルカが作った「ネムルバカ」はライブでも受けて少し話題になり始める。そしてルカは大手音楽レコード会社から連絡を受け、デビューしてみないかと声をかけられる。そして2人の日常に大きな変化が訪れる。後は、映画を観てくださいね。
この映画、青春していて良かったです。大学時代の緩さと、自分がやりたいことがやれない、見つからない、という悩みのようなものが集約されていて、何とも懐かしく、羨ましい気持ちになりました。いい時代ですよねぇ。年を取ると、何であの頃に色々とやっておかなかったんだろうと思うけど、その頃の自分は経験も知識もなかったんですもんね。仕方ないです。
この頃って、何していいのか分からなかったりするのよね。そして見つかったら見つかったで、今度は自分の経験や知識が足りないから思い通りにはならないのよ。誰かの言う通りにしていれば何とかなるかなぁなんて思って、言われるがままにやってみるけど、どんどん違う方向に向いて行っちゃって、不安とストレスが溜まっていくのよね。
そんな若い頃の悩みを良く描いていて、上手いなぁと思いました。これ、漫画原作らしいですね。原作を読んでみたいなぁ。本屋さんに行って来なくちゃ。よくありそうなお話ではあるんだけど、この映画、雰囲気がとっても良かったんですよ。キャストが良かったのかしら。主演のお二人のバランスが良くて、あの可愛い平さんが金髪でバンドをしているとかって、ええ~と思ったけどピッタリでした。
平さん演じるルカさん、凄く可愛いし歌もうまいし、こんな子がいたら、絶対に事務所がほおっておかないだろうなって感じだったので、この展開は納得出来ましたが、まぁ、映画の中のルカのやりたいことでは無いだろうなと思えたので、彼女の最後の行動も納得出来ました。なので思い通りの展開ではありましたが、持って行きかたが上手いし、突然に伊能さんが目の前に出てくるし笑いました。今回は殺し屋じゃないのね。(笑)
一方、久保さん演じる入巣さんも、まぁ、こんな感じですよねぇ。大学に入ったはいいが何していいんだかわからなくて、とりあえずバイトをしてみるとか、ライブに行ってみるとか、何も考えずに行動している時なのかなと思いました。大学1年のころは必修がほとんどだから高校時代とあまり変わらないんだけど、でも大学だから自分の責任で行動する訳で微妙な時代です。
この先輩と寮が同室で、部屋でダラダラして飲んでいるっていうのもいいなぁ。懐かしいです。コンビニのおかずを買ってきて、これは贅沢だったなとか言いながら、ビールの缶が散乱していたりして懐かしいなぁ。私の時代はコンビニの食べ物なんてろくなものなかったから、酷い食生活でした。ほとんど乾きモノだったもん。
阪元監督、やっぱり上手いなぁ。この入巣とルカの雰囲気、観ていて凄く共感出来ました。それに入巣がバイト先で店長や客を適当にあしらいながらも、ちょっと気を使って付き合ってやっているという感じが上手かった。そうそうそうなのよって感じで、嫌がりながらも顔を引きつらせながら付き合ってやってる感が伝わってきました。ビデオデッキなんて、今どき持ってるヤツほとんどいないでしょ。店長もキモかったわ。
そうそう入巣とルカが男子に対してとっても荒っぽいのが嬉しくなりました。タイミングイイ感じでしたねぇ。阪元監督って、こういう場面のタイミングが絶妙ですよね。ベイビーわるきゅーれでもそうでしたが、今回も完璧でした。そんな演出をするかと思えば、ラストライブの号泣場面。私も泣けました。なんですか、あの涙が心から溢れてくる感じは…。うーん良かったです。
この映画、何か特別に特徴があるとか、ストーリーが面白いとか、感動作だとかそういう訳では無いんだけど、何故か惹きつけられて目が離せなくなり、最後は気が付いたら涙が溢れていたという映画でした。誰もが経験したことがあるような、共感が出来るような場面が一杯詰まっていて、知らず知らず、自分の事を思い出していたような気がします。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これと言ってすごい感動作とかは言えないんだけど、何かが心に刺さる映画でした。私は好きになりました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ネムルバカ」