「Flow」
を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
世界が大洪水に見舞われ街が消えていくなか、1匹の猫が旅立つ。流れてきたボートに乗り込んだ猫は、一緒に乗りあわせた動物たちとともに、いくつもの危機に襲われる。時に運命に抗い、時には流され漂ううちに、動物たちの間には少しずつ友情が芽生えはじめる。
というお話です。
黒猫が森の中をさまよっていると犬の群れに出会い追いかけられますが、何とか逃げ延びます。しかしそこを洪水が襲い流されてしまいます。高台にたどり着きますが、水位はどんどん上がってきます。猫は巨大な猫像に上りますが水は増えて像を飲み込み、猫は水へ流され、カピパラを乗せた近づいてくるヨットによじ登ります。
ボートを進めていくと、カピパラと猫以外にワオキツネザルが加わり、一度陸地に上がるとそこでラブラドールに出会います。その後、トキの群れに出会い、襲われそうになった猫を1匹のトキが庇い、仲間同士の争いになって、1匹のトキが羽を折られてしまう。群れから外れたトキも仲間に入り、ボートには、猫、カピパラ、ワオキツケザル、ラブラドール、トキが乗り進み始めます。
ボートは巨大な石柱が立ち並ぶ都市の入り口に到着します。猫はカピパラから魚の取り方を教わり、みんなの食事を用意します。穏やかな日々は去り、激しい嵐に見舞われ、猫はまたもボートから頬りだされます。なんとか岸にたどり着き、ボートを探そうと動き回ります。そしてボートを見つけますが岸から遠くにいて戻れそうにありません。それでもガラスフロートに捕まって泳いでいくのですが、その時突然に水位が下がり始めます。
陸地になり、猫は仲間を探し回るとワオキツネザルと再会し、木にぶら下がっているボートを発見します。そこには犬とカピパラが乗っており、今にも落ちて壊れそうでした。犬たちはタイミングを合わせて飛び降りますが、カピパラは降りられません。キツネザルと犬がロープでボートを引っ張り、何とかカピパラは飛び降りることに成功します。水たまりに映る4匹の姿をみんなで見つめます。後は、映画を観てくださいね。
この映画、とっても美しいです。アニメーションだけでセリフが一切ありませんが、素晴らしかったです。昨年公開された「ロボット・ドリームズ」もセリフが一切ありませんでしたが、この映画もセリフは無くても気持ちが伝わってくるんです。
この映画、最初から説明が一切ありませんが、世界が大洪水に見舞われて街が次々と沈没しているのだと思うんです。街には何故か猫の大きなオブジェなどがあり、どんな世界なのかはよく解りません。猫の世界かと思ったけど人間の銅像などもあり、元々は人間が住む世界で、人間が居なくなり、大洪水が押し寄せたのかなと思いました。
街があまり壊れずに洪水に見舞われているようなので、地震で津波というのではなく、地球の磁力変化があり、水がどちらかに寄っているのかなと思いました。磁力の変化での洪水なら、いきなり水が引いていくというのも理解できます。でも、猫たちに磁力の変化なんて解らないだろうから、その都度対応するしかないですね。
洪水が来るまでの生活は解りませんが、黒猫ちゃんは元気そうでした。猫だから水はそんなに好きじゃないんだろうけど、他の仲間と旅をするうちに魚の取り方も覚えて、泳ぎも覚えていて逞しいなぁと思いました。猫のイメージとして、新しいことを努力して覚えるなんてやらなさそうなのに、この子はちゃんと覚えて、みんなのために魚を取ったりするんです。真面目よねぇ。
たまたまボートに助けを求めて集まった動物たち。最初はバラバラなんだけど、段々と仲良くなって助け合っていくんです。言葉は無いので、目や態度で会話をしていたのだと思います。それでも気持ちは十分に伝わっていて、犬を助ける時も、トキを仲間に加える時も、みんなの合意を取っているように見えました。
言葉が無くても会話が出来ている様子が素晴らしいと思いましたが、全体的な絵も素晴らしかったです。アニメーションが凄いんですよ。動物の動きがリアルで驚くほどでした。猫や犬の走り方もそうだけど、トキが喧嘩している場面なども、本当にトキが喧嘩しているようで驚きました。
動く生き物も素晴らしいですが、廃墟になった都市が素晴らしかった。その背景を書くだけで、どれだけ人間が酷いことをして、失敗してきたのかということが解るんです。きっと人間が無茶苦茶なことをして、この地球が崩壊してしまい、残されたッ動物たちが苦労してるんだぞーって叫んでいるようでした。
あの巨大な猫の銅像は何だったのかな。あの都市は猫が「お猫様」と呼ばれえて祭り上げされていたのかもしれない。すっごく大きいような描き方だったので、猫が立てたとは思えないんですよ。だから人間が生きている時に作ったんだろうけど、何なんでしょうね。(笑)
沢山の賞にノミネートされていて、ゴールデングローブ賞ではアニメ映画として最高賞を受賞していました。ギンツ監督は、前作「Away」もバイクで走る青年の姿が素晴らしかったんですよね。今回は人間ではなく猫ちゃん。本当に表情豊かでまるで人間のようだけど猫ちゃんです。そうそう、猫ちゃんのみ、時々鳴きます。にゃぁ~んって鳴くんですよ。可愛いでしょ。
どんな世界でも諦めずに前に進んでいく動物たち。この4匹は、同種の仲間がいても仲間を裏切りません。時々、あれ?となりますが、ちゃんと戻ってきます。その優しさも素敵でした。そしてクジラらしき動物に対して、この子たちが見せる哀しさも感動でした。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。だってね、誉め言葉しか出てこないんですもん。それこそ手塚先生のアニメを彷彿とさせるような動物の動きでなめらかでした。そして全身から優しさが溢れているんです。素敵でした。これは観るべき映画だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「Flow」