「ヘヴィ・トリップII
俺たち北欧メタル危機一発!」
を観てきました。
ストーリーは、
ライブ直後に逮捕されたメタルバンド「インペイルド・レクタム」のメンバーたち。服役中の彼らはあるプロデューサーから、ドイツで話題のメタルフェス「ヴァッケン・オープン・エア」への出演をオファーされるが辞退する。しかしギター担当のロットヴォネンの父が病に倒れ、実家のスタジオが消滅の危機に。彼らは脱獄を決意しフェスへの参加しようとするが。
というお話です。
活動開始から12年間ライヴ経験なし、オリジナル曲なしだったフィンランドのド田舎メタルコピーバンド、 インペイルド・レクタム(直腸陥没)は遂に生み出された史上最高の初オリジナル曲をひっさげノルウェーの巨大フェス、ノーザン・ダムネーションへ殴り込み、 “終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル”バンドへと脱皮したがその行いによってノルウェーの監獄に収監されていた。
獄中、超大物レコードプロデューサーのフィストからドイツのメタルフェス、ヴァッケン・オープン・エアへの出演オファーを受けるも準備不足と投獄を理由に辞退する。バンドは看守の目を盗み、獄中でひっそりとヘヴィ・メタルを演奏するしかなかった。
ある日、ギタリストのロットヴォネンの実家の一部のトナカイ粉砕場兼スタジオが地上げ屋の乗っ取り危機に瀕し、父親が倒れてしまったという緊急事態を聞き彼らは脱獄することに。フェスへの出演料で実家を救うべくふたたび史上最高のオリジナル新曲を携え、フィヨルドの彼方ヴァッケンを目指す。
逃走中に遭遇した、かつての憧れ超電導波デスボイスのベテランメタルバンド、ブラッドモーターは、フィストの操り人形となり商業主義の奴隷と化していた。フィストはバンドを食いものにする金の亡者だったのだ。フィストはボーカルのトゥロにカバー曲をやるように言い、屈辱だと思ったベースのクシュトラックスはフェスから出て行ってしまう。
結局、フェスに出れなくなったインペイルド・レクタムは、日本のバンド・BABY METALに機材を借りて適当な場所で新曲を演奏することに。そこへ彼らを収監すべく怒り狂える元ノルウェーデルタ部隊大佐ドッケンが迫る。この絶体絶命の事態に直面した彼らを待ち受ける運命とは!? 後は、映画を観てくださいね。
この映画、1作目もめちゃくちゃで面白かったけど、2作目もキテたなぁ。大笑いしてしまいました。ストーリーはめちゃくちゃなんですけど、どこか許せちゃうような温かいものが底辺に流れている気がしました。それにインペイルド・レクタムの4人はやっていることはめちゃくちゃなんだけど、自分のためじゃなくて仲間のためや家族のために動いているんです。凄く優しいんですよ。
そんな彼らは、1作目でバンドフェスに参加するためにフィンランドとノルウェーの国境で大暴れしてしまったせいで、ノルウェーの監獄に収監されているんです。刑務所のレクリエーション時間にこっそり?バンド練習をするインペイルド・レクタムの4人。
トゥロ、クシュトラックス、ロットヴォネン、オウラは、看守たちからも問題だと思われているのですが、何故か刑務所長は自分の刑務所の収監人数が少ないのを悲しがっていて、インペイルド・レクタムの音楽もそれほど嫌がっているようには見えなかったんです。このことが、エンディングにも関わってくるんです。
トゥロたちは刑務所に入っているのでフェスは断りますが、ロットヴォネンの実家を守るためにお金を用意しなければいけなくなり、脱獄することにします。思っていたよりも簡単に脱獄出来て、その上、何故か捕まらないで上手く逃げ回ります。刑務所看守だった元ノルウェーデルタ部隊大佐ドッケンが彼らを捕まえる命令を受けて追ってくるのですが、いつも寸でのところですり抜けて助かるんですよねぇ。大笑いしました。
はっきり言って、内容はほとんどありません。めちゃくちゃな歌詞でメタルバンドとして曲をやって自分たちの主張をしたい、と思っている彼らを誰も止められないっていうお話です。もー、ここまで内容が無いと感想も酷い感じになっちゃいますが、でも、面白い映画なんですよ。ここまでやってくれたら文句は言えません。本当に面白い映画をありがとうしか出てきませんもん。
そうそう、今回は日本のメタルバンド、BABY METALが出演していました。結構、何度も出てきて名前も連呼されていたので良い宣伝になったんじゃないかな。あ、宣伝しなくてもメタルが好きな人は既に彼女たちを知っているのかな。大人気ですもんね。私はあまり知らないので申し訳ありません。
前作ではドラムのユンキが亡くなり、ユンキの棺桶を背負ってフェスに行くという無茶な旅をして、その途中でベースのパシがヘヴィメタルのメイクをして”クシュトラックス”という名前に改名することになり、オウラという新しいドラムのメンバーを加え、インペイルド・レクタムというメタルバンドが誕生するけど、フェスでのライブをすることなく刑務所へ収監されちゃうんです。
そして今回は、とうとうメタルバンドとしてフェスに参加してライブが出来ると思うんだけど、またまた大問題が起きてバタバタコメディとなってしまいます。元ノルウェーデルタ部隊大佐ドッケンが彼らを追い詰める役ですが、強いのに全く彼らを捕まえられないんですよ。腕も技術もあるんだけど、彼らがあまりにも突飛な行動をするので予想が出来なかったんじゃないかな。可愛そうだけど面白かったです。
あ、そうそうロットヴォネンのお父さんですが、最初は彼のためにお金が必要だと騒いでいたのに、その内に全く忘れ去られていました。ま、無事に元気になったので安心してもらっていいんだけど、そういうやったらやりっぱなしのネタがいくつもあって、それが笑えるんですよ。
通常は最後までにネタ回収をするのが当たり前の映画業界ですが、この映画はネタをやったら放置のままで終わってしまうという、とっても嬉しい潔さでどんどん先のストーリーに切り替わっていくので、覚えていなきゃいけないなと心配しながら観る必要はありません。気持ち良く忘れて大笑いして良い作品となっています。マジで潔いですよね。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。2作目から観ても、最初から観ても、内容を忘れちゃっても楽しめる映画です。あ、1作目は2作目よりも面白いと思います。まぁ、あまり気にせず楽に観て大笑いして忘れちゃってよい作品です。頭も使わなくて良いのでしあわせになれますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ヘヴィ・トリップII 俺たち北欧メタル危機一発!」