「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」
を観てきました。
ストーリーは、
将軍アカシウス率いるローマ帝国軍の侵攻により、愛する妻を殺された男ルシアス。アカシウスへの復讐を胸に誓う彼は、マクリヌスという謎の男と出会う。ルシアスの怒りに目をつけたマクリヌスの導きによって、ルシアスはローマへと赴き、マクリヌスが所有する剣闘士となりコロセウムで待ち受ける戦いへと踏み出していく。
というお話です。
ローマ帝国が栄華を誇った時代。
アフリカの地で平穏な暮らしを送っていたルシアスは、将軍アカシウス率いるローマ帝国軍の侵攻により愛する妻を殺され、捕虜として拘束されてしまう。
すべてを失いアカシウスへの復讐を胸に誓ったルシアスは、謎の奴隷商人・マクリヌスと出会う。彼はルシアスの闘志漲る眼を見て自分の計画に役立つと思い、ルシアスを買って自分の剣闘士としてローマへ連れ帰る。
ローマはゲタ帝とカラカラ帝という双子の皇帝が統治しており荒廃していた。遊びばかりにかまけて政治は任せっぱなし。市民が困窮しようと知った事ではないという態度なのだ。アウレリウス帝の理想の都は地に落ちていた。
アカシウスはローマの荒廃を正すために皇帝への反乱を計画していたが、スパイにより密告されてしまう。アカシウスは囚われることとなり、その妻であり前皇帝の娘ルッシラも幽閉されてしまう。ルッシラは実はルシアスの母親であり、ルシアスはただ一人前皇帝の血を引き継ぐ者だった。
剣闘士《グラディエーター》となったルシアスは、復讐心を胸に、力のみが物を言うコロセウム《円形闘技場》で待ち受ける戦いへと踏み出していく。後は、映画を観てくださいね。
今日から公開だったので朝一番で行ってきました。凄く楽しみにしていたんです。やっぱりリドリー・スコットの作品はスケールが全然違いますね。大画面で観るべき作品だと思いました。もう、観ていると大画面に引き込まれそうですもん。
前作のグラディエーターから20年以上経っており、ルシアスはアフリカで幸せに暮らしていたんです。父マキシマスの事件によってルシアスも追われる身となりルッシラが遠くへ逃がしていたので、その地では安全だろうと思われていたのですが、とうとう皇帝の命でローマ軍が侵攻してくるんです。
ローマ軍は”腐っても鯛”という言葉通り、荒廃していても一流でアフリカの小国なんて歯も立ちません。あっと言う間に攻められて、あっと言う間に陥落しました。観ていたら、やっぱりこの時代の戦争は将軍の差配が重要なようでした。手際がいいんです。アカシウス将軍って凄いわと思いました。
そのせいでルシアスは捕虜となって奴隷になって、グラディエーターになるのですが、これルッシラはよく自分の息子だとわかったよなぁ。こんなに剣闘士が沢山いて、ワラワラ戦っていたら気が付かないでしょ。確かにマクリヌスが宣伝していたけど、それでも遠目で観ただけでわかるもんかしら。そこは不思議でした。まぁ、気が付かなかったらそのまま終わっちゃうから、気が付いてよかったよね。
ゲタとカラカラという双子の皇帝が危ない人たちなのよ。ゲタは冷静ではあるけど考えが浅くて、カラカラはドラッグのやり過ぎで頭がいかれちゃっているんです。この人たちもアウレリウスの血を受け継いでいる人たちなのかしら。どう見ても頭悪くて、サイコパス気質のふたりなの。前回に皇帝の息子であるコンモドゥスがマキシマスに殺されたから、どこかから血を引く人を連れてきたんだろうね。でないとこんなに頭の悪い二人が作戦で皇帝になれたとは思えないですから。
で、この双子皇帝があまりにも娯楽ばかりして政治を顧みないので、ローマは酷い状態となっていました。何でもかんでも皇帝がやらないで元老院で審査をするので良いんだけど、あまりにも好き勝手してしまうので、元老院では手に負えなくなっているんです。平気で昨日まで側近だった人間を切ったりしてしまうので、人材も育っていないんです。
そんな時に奴隷の剣闘士のルシアスが、コロッセオで正々堂々と勇気を見せて正しいことを言うので、ローマ市民の不満が爆発していくんです。今の日本と一緒ですよ。自民党がアホな事ばかりして自分の懐に金を入れる事しか考えてないから、国民が怒り始めているでしょ。それと同じような事がローマでも起こっているんです。どんなに時代が進んでも同じことをしているんですね。地位を手に入れると脳が腐敗してしまうのかしら。
アカシウス将軍ですが、悪い人なんだろうなーと思っていたんだけど、実はとても良い人でした。礼節を重んじる人物で、マキシマスの部隊にいた方なんだろうと思います。まるでローマの最後の良心という感じに描かれていました。
日本にはルシアスのような英雄は出てこないんだろうなぁ。ルシアスはローマ市民のためになる行動に出るんです。自分のためではなく、祖父の賢帝と言われるアウレリウスのように人々のためになる政治を平和な街を作るために剣闘士ながら立ち上がって戦うんです。うーん、カッコ良かったです。
ルシアスを剣闘士にさせたマクリヌスは黒人で、ローマ帝国の中でも珍しい存在だったと思います。元老院はほとんどが白人でしたからね。この時代に黒人で中枢に入れた人はそんなにいないんじゃないかしら。段々と彼の秘密も明らかになりますが、彼も復讐という強い思いがその原動力になっていたのだと思います。
マクリヌスは皇帝の座を狙ってはいたと思うけど、やっぱり黒人の自分が皇帝にはなれないだろうと思って、とりあえずは皇帝を置いて政治は自分がやるつもりだったんじゃないかな。彼は皇帝の椅子に座ろうと思いながら座らなかったんです。何となくその表情や動きから、黒人が皇帝になるのに自分も抵抗があったんじゃないかな。そういう時代だったんだろうと思います。
リドリー・スコット監督の作品は、そういう細かい部分も気をつけて表現してあるので、とても面白いと感じました。前作もそうだったけど、言葉や行動だけでなく、表情や目くばせだけでも感情が伝わるように描かれていて感動でした。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは凄い映画でした。大画面で観るべき作品だと思いました。こんなにスケールが大きくて美しい世界を伝えてくれるなら、観る方も大画面で観なければ怒られちゃうんじゃないかな。これIMAXで観たら凄いんだろうなぁ。IMAXでもう一度観たいと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」