「ふれる。」良いお話なんだけど”ふれる”の扱い方が気になってそちらに寄ってしまいました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「ふれる。」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

同じ島で育った幼なじみの小野田秋と祖父江諒と井ノ原優太。20歳になっても親友同士の彼らは、東京の高田馬場で共同生活を始める。3人の個性はバラバラだったが、島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」が謎の力で彼らを結びつけていた。3人の心はいつもつながっており、そんな関係がずっと続くはずだった。しかし「ふれる」に隠されたもうひとつの力が徐々に明らかになり、3人の友情は大きく揺れ動く。

というお話です。

 

 

同じ島で育った幼馴染、秋と諒と優太。口べただった秋は友達が出来ずにいつも一人だった。ある日、島の海辺にある岩が気になり崩してみると洞窟になっており、そこで「ふれる」というハリネズミのような動物を見つける。

 

学童の先生である脇田が諒と優太に秋と友達になってやってくれと話し、諒と優太が近づくと秋は上手く言葉が出てこずについ手が出そうになると何故か3人は不思議な空間に入ってしまう。それは”ふれる”が作った空間だった。それ以来3人はふれるとお互いの心が読めるようになり、それから3人は親友となった。

 

 

東京・高田馬場で共同生活を始めた三人は20歳になった現在でも親友同士。口下手な秋はバーでアルバイト、体育会系の諒は不動産会社の営業職、コンプレックスの多い優太は服飾デザインの専門学校生として暮らしていた。島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」が持つテレパシーにも似た力で趣味も性格も違う彼らを結び付けていたからだ。

お互いの身体に触れ合えば心の声が聴こえてくる。それは誰にも知られていない三人だけの秘密。しかし、ある事件がきっかけとなり、秋、諒、優太は、「ふれる」の力を通じて伝えたはずの心の声が聴こえないことに気づく。「ふれる」に隠されたもう一つの力が徐々に明らかになるにつれ、三人の友情は大きく揺れ動いていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、良かったぁ。お話も良いんだけど、これペットを飼っている人には響くと思いました。私もずっと一緒にいるフェレットがいるのですが、言葉が無いので行動や表情を見て理解しているんです。この映画でも同じ。”ふれる”は、不思議な力を持つ化け物かもしれないけど、でも可愛いペットなんですよ。言葉は無いけど、その行動や表情で何か意思を伝えようとしている。それがいじらしいんです。

 

きっと、この映画を普通にみれば、3人の男子の友情物語だと思うだろうけど、私は一緒に暮らしている”ふれる”の気持ちが痛いほど伝わってきて切なくなりました。”ふれる”は考えを伝える力を持っていて3人を繋げているけど、3人は”ふれる”を便利に使うだけで心からその動物を理解しようとしていないように見えたんです。一緒に暮らしてきたのに何で理解してあげないんだろうと思いました。

 

 

秋は口下手で言葉にするのが苦手なので”ふれる”に頼りっぱなしで、言葉を口にしなくても諒と優太に考えが伝わるから便利に使っているんです。「口下手だから」で社会は渡って行けないんだよ。難しくても自分で考えて言葉を伝えていかなかったら生きていけないでしょ。ふれるに頼りっきりなんて、そんな傲慢な態度で一生行けると思ったのかな?3人の中で一番性格が悪いと思いました。

 

諒はとても一般的な考えを持つ子で、しっかりしています。”ふれる”の力は便利だと思いながらも、その力が無くても十分にやっていける人でした。彼が一番大人の考え方が出来る人で、他の2人より先に大人になってしまったようなそんな人物でした。でも、一番普通かな。

 

 

優太はまだ学生という頭があり、甘えている感じはあるけど普通の子です。少しコミュ障かもしれません。大人しいので周りに遠慮してしまうような子でした。でも思いやりがあるし優しいので上手く回りとはやっていけるのかな。彼も”ふれる”がいなくても、普通に生活はしていけるタイプでした。

 

そんな3人が出会い、子供の頃から隠し事なく育ってきて、東京でも一緒に暮らしています。”ふれる”が繋いでくれた縁だと思っていて、3人の絆は強く、”ふれる”もペットとして一緒に暮らしています。可愛がってはいるんだけど、どーも”ふれる”に話しかけている場面とかが少ないのよね。ペットがいたら、結構話しかけると思うんだけど3人はあまり話しかけないんです。

 

 

もちろんしっかりと世話はしているんだけど、ハリネズミ的だからなのか触れ合わないんですよね。そっと撫でれば針は寝るから大丈夫なんだけどね。可愛がってはいたんだろうけど、どーも”ふれる”の気持ちを理解しようという様子が見られなかったんです。

 

ペットを飼っている身としては、なんで”ふれる”にも意見を聞かないんだろうとか、話しかけないんだろうとか、凄く気になりました。ペットとは心の交流があってこその共同生活でしょ。何がしたいのかとか、何が食べたいとか、熱いとか寒いとか聞いてあげるとか、もっと交流があって欲しいと思ってしまい、もちろん映画の内容もよく理解は出来たんだけど、ペットとの関わり方の方が気になってしまいました。

 

 

”ふれる”には人の心の声を繋ぐという力があるけど、それ以外、いやそれ以上にあることが出来てしまうんです。ネタバレは出来ないけど、その”あること”って、”ふれる”が人間の気持ちを理解出来るからこそ出来ていたことなんじゃないかと思ったんです。気持ちを理解していたからこそ伝える以上のことが出来ていて、それは凄く優しいことだと思うけど、それにあぐらをかいて伝わるから便利だねってやっていた3人というか、秋は酷いと思いました。なんで”ふれる”の気持ちも考えてやらなかったのかな。腹が立ちました。

 

”ふれる”は、それまで3人を繋ぐために考えて考えて必死で伝えていたのに、自分の気持ちは誰にも解ってもらえなくて苦しかったと思います。私がいたら、直ぐに3人から引き離して大切に一緒に暮らしてあげたのに。ちゃんと一緒に暮らしているペットの気持ちを一番に考えてあげて欲しいと思いました。

 

 

そういう事が言いたかった映画じゃないと思うんだけどね。人の繋がり方や言葉の大切さ、言葉で伝えなければいけない、言わなければ伝わらないことって沢山あるということを教えてくれていたと思います。凄く良い内容の映画なんだけど、どうしても動物の気持ちになっちゃって、そちらに寄ってしまいました。

 

この”ふれる”ちゃん、凄くかわいいのよ。トゲトゲしているけど、血だらけになってもギューってしたいくらいの可愛さなの。映画の中で洋服を作ってあげるという場面があったから、洋服を着させればギューって出来たかもね。でね、ハリネズミやフェレットと同じように、顔を見て話をすればちゃんと伝わるような子でした。頭の良い子だったんです。猫だって犬だってそうでしょ。顔を見ていれば言いたいこと解りますよね。笑っちゃうほど伝わってきて、時々一人で笑ってしまうもん。(笑)

 

 

そうそう、きっとこの映画、声をあてている人のファンが多いのかな。秋役の永瀬さんはあまりセリフが無かったのですが秋の雰囲気は出ていました。諒役の坂東さんは上手かったですね。声優初めてなのかな。彼は演技も上手いので声もピッタリ合っていて上手かったです。優太役の前田さんもちょっと抑えめの感じが上手かったです。ライダー出身の方なんですね。これから楽しみです。

 

ちょっと良い感想にはならなかったかもしれませんが、私は3人の子の気持ち以上にふれるの気持ちが気になってしまい、こんな感想になってしまいました。ごめんなさい。でもペットを飼っている人には解ると思います。でねちゃんと最後には秋もふれるを理解しますから安心してください。よい映画でした。最後、ふれるの涙を見て大泣きしてしまいました。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これはペットを飼っている人には観て欲しいなぁ。ふれるの気持ちになってあげて欲しいです。きっと一生懸命、10年以上も3人を助けていたんだと思います。そんないじらしいふれるを観てあげて欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ふれる。」