「ルックバック」
を観てきました。
ストーリーは、
学生新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。ある日、先生から、同学年の不登校の生徒・京本の描いた4コマ漫画も新聞に載せたいと告げられる。自分の才能に自信を抱く藤野と、引きこもりの京本。正反対な2人の少女は、漫画への思いでつながっていく。しかし、ある時、すべてを打ち砕く出来事が起こる。
というお話です。
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だった。ある日先生からもう一人漫画を載せるから1枠場所を譲ってくれと言われ、”引き籠りの軟弱者に漫画が描けるんですか?”と言いながらも譲ります。
次の学年新聞に初めて不登校の同級生・京本の4コマ漫画が掲載される。藤野はその画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。
小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられ、サインを強請られる。驚いた藤野は京本に絵が上手くて驚いた事を伝え、仲良くなる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる。後は、映画を観てくださいね。
この映画、最初はアニメで1時間弱で鑑賞料金も固定となっていて、観に行こうかどうか悩みました。私はいつもサービスデーや会員割引を使って映画を観ているので、定価で観せられるのに抵抗があったんです。何となく負けるような気がしてね。(笑)でも話題になっていたので観に行ったのですが、これが良かった。凄く良い映画でした。
思ったんだけど、映画は90分に納めるべきという話があるけど、きっとどんな内容でも90分枠に収まるハズという典型的な作品じゃないかと思いました。なんたって58分ですよ。それなのに、こんなに伝えたいことがきっちり収まっていて、ストーリーも全てがしっかりと組まれている。文句のつけようがない内容なんです。人物像も描けているし、これ以上どうしろと…というくらい1本の映画になっているんです。
藤野は小学校で漫画を描いて新聞に載せている。そこに引き籠りの生徒の漫画が載って来る。これが始まりですよね。京本の絵は遠近法も取れておりしっかりとした絵画になっていて、藤野の漫画は子供の漫画なんです。初めて負けたと思った藤野は絵の練習をするんだけど上達しなくて諦めるんです。
この気持ち、凄くよく解るんです。私も絵は下手だったから。美術系の大学に進んで美術教師の免許も取ったけど、漫画は下手だったのよ。だから、他の人の絵を見て凄いコンプレックスがあったなぁ。それに、この原作マンガにもあるように私の時代は”漫画なんて描いているとオタクと思われてキモがられる”と言われた時代です。いい年して漫画なんてって言われて、読むのさえ隠していたくらいだもん。
この映画、そんな時代のお話みたいだけど、原作者の藤本先生はまだお若いのになぁ。何で知っているのかしら。ま、時代は変わって、漫画が上手ければ先生と呼ばれるようになり、凄いお金が入ってくるようになる職業になったから、今の時代は凄いよなぁ。世界で読まれるんですもんね。日本は凄いです。
話を戻して、京本と出会って藤野は漫画を語る事の出来る友人が出来て、お互いに切磋琢磨して漫画が上手くなっていくんです。藤野の漫画のアシスタントを京本がしてくれて、漫画賞にも出して何度も賞を貰うようになり、プロとして藤野は活動するようになって行くんです。そして藤野の努力に触発されて、引き籠りだった京本は美術大学に進学し、一人で生活も出来るように成長するんです。
この2人の相乗効果は大きかったのだと思いました。一緒に過ごした時間が宝物だったんだろうと思いました。だから、お互いに大きく飛び立つことが出来たのだろうと思います。いつだって、何をするのも怖いけど、一緒にいてくれる友達がいれば頑張れるんですよね。一歩踏み出すことが出来るんです。
お話はそんな簡単には終わりません。この後に大きな出来事が起きます。2人にとっては、辛い苦しいことだったと思うけど、藤野が出した答えに泣けました。うん、そう思って前に進もうってことなんだけど、キツいよね。辛いよね。それでも前に進まなくちゃっていう気持ちが伝わってきて、本当に泣けました。
私、チェンソーマンから入っているから、こんなに真面目でほっこりしたようなお話を藤本先生が描いていたことに驚きました。こういうお話だったんですねぇ。うんうん、納得しました。皆さんも感動したんだろうなぁ。
声も良かったです。藤野を河合さん、京本を吉田さんが演じられていて、声からもその性格が読み取れるように演じていて良かったです。ちょっとキツめの藤野と、影に隠れるようにしている京本、どちらも表面だけでなく、その奥に隠れた気持ちや思いもちゃんと含ませるような演技で上手いなぁと思いました。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。評判通りの出来で感動作でした。サービスデーでも安くならないけど、観る価値があったなと思えた作品です。1時間弱なのに、こんなにしっかりと心に響いてくるなんて、素晴らしい作品です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ルックバック」