「フェラーリ」カリスマ車オタクが創った車は凄いこだわりだけど家族はどーなのよっ!神に怒られます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「フェラーリ」

 

を観てきました。Fan’s Voiceさんの独占最速試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

1957年。エンツォ・フェラーリは難病を抱えた息子ディーノを前年に亡くし、会社の共同経営社でもある妻ラウラとの関係は冷え切っていた。そんな中、エンツォは愛人リナとその息子ピエロを妻に知られ、さらに会社は業績不振によって破産寸前。彼は再起をかけてイタリア1000マイルを縦断するロードレース「ミッレミリア」に挑む。

というお話です。

 

 

1957年夏、エンツォ・フェラーリは、1,000マイルに及ぶ公道耐久レース「ミッレミリア」に向けてレーシングチームを準備していました。彼は元レーサーで、引退後に妻のラウラと共に会社を設立し、自分の企業の車を走らせるレーシングチームを持っています。

1年前に一人息子のディーノを難病で亡くし、妻ラウラとの関係は冷え切っていました。エンツォは毎日、息子の墓を参り、それから会社へ行くという生活を送っています。

そんなエンツォが唯一安らげる場所が愛人のリナ・ラルディのところでした。戦争時に出会いリナと不倫をして子供まで生まれているんです。その子ピエロが大きくなり、リナは認知して欲しいとエンツォに話しますが彼は承諾しません。というか出来ないんです。



 

エンツォは愛人の事を妻のラウラには隠しており、イタリアはカトリックの国なのでその頃は離婚が許されていません。ラウラに愛人の事を話し、子供がいることを話せば会社の共同経営が崩れ、どんな要求をされるか解りません。

そんな悩みを抱えるエンツォは、会社経営でも行き詰っていました。F1マシンの開発費用がかかり、深刻な財政難に陥っていました。事業を継続するためにはフィアットに吸収合併しなければなりません。レースで優勝し、資金集めが出来ればその心配も無くなります。そして万全の準備をして「ミッレミリア」に挑むのですが…。後は、映画を観てくださいね。


 

面白かったです。マイケル・マン監督なので、面白くない訳が無いとは思いますが、それ以上にこの”エンツォ・フェラーリ”という人物が不思議な人で驚きました。アダム・ドライバーさんが演じていて、カッコよくて、カリスマ性があり、誰もが彼の前に行くと緊張するという感じかしら。こんな人がフェラーリの創業者だったんですね。

 

きっと車好きな方にはたまらない映画なのだと思います。古いレーシングカーが走るし、エンジンがどーとか、コーナリングがとか、タイヤの溝やらなんやら、私には解らないんだけど色々とあるんでしょ。きっと見ていると、色々な部分が細かく描かれているので解る人には解るのだと思いました。

 

 

エンツォは、ラウラと息子のディーノとで幸せな生活をしていたんだけど、息子の死によって最悪の状態になったということになっているんです。でもね、愛人のリナとは10年以上も続いていて嘘をついていたんですよ。

 

息子が亡くなったのは1年前なので、家で幸せそうな顔をしながら愛人とずっと続いていて、子供を認知するからと話していたのかと思うとムカつきました。酷い男でしょ。カトリックでは不倫も許されてないんだけど、どうなのよ。子供まで作っちゃって、奥さんの事を考えると許せないなと思いました。

 

 

まぁ、息子が亡くなってラウラは精神的に不安定になっていたそうなので、嫌になったりするのは理解出来るけど、その時点で既に不倫10年以上でしょ。それは許されないでしょ。相手の女も平然と子供を産んで認知しろと迫るってどうなんだろう。正妻に謝りに来るのが筋ってもんじゃないの?それがあってこそ、認知とかの話が出るんでしょ。

 

この時期は愛人が妻に見つかっちゃたのも不運だけど、それ以上に沢山の不幸が押し寄せてきたようなんです。息子の死から始まり、愛人が妻に見つかり、会社の経営難、レースでの失敗など、映画の中に沢山詰め込まれているんです。

 

 

これ、フェラーリがフォードに買収されそうになって、それを止めるためにエンツォがマスコミに噂をこっそり流して、そしてフィアットの創業者一族の傘下に入ることになったというエピソードもサラッと描いていました。私はあれ?今のはどっちかな?と思ったりして慌てました。詳しく説明してくれないので、フェラーリの歴史くらい勉強していくと、話がよく解ります。この時に噂を流すのに協力した人が、フェラーリさんの自伝を書いたんじゃないかな。その時に家族を記事にしてよいと約束してましたから。

 

映画のメインは”ミッレミリア”という耐久レースでフェラーリの車を勝たせるために奮闘する姿が描かれています。1つのレースにフェラーリの車が4台くらい出てたかしら。ホント、申し訳ないんだけど、私には赤い車のどれがフェラーリでどれがフィアットなのか区別がつかず、番号で見ていたんだけど途中でこんがらがりました。

 

最初の方で駅近くでエンツォに挨拶をしたんだけど無視される男性がいるんです。その人が、このレースに出場するスペイン貴族のアルフォンソ・デ・ポルターゴ侯爵でカーレーサーなんです。彼の存在が、後々、キーになってくるので、スペイン貴族がレーシングチームに加わるんだということだけ覚えておいてください。

 

 

エンツォの人生を辿ると、結構、ハードな人生だったんだということが解ります。レーサーだった時は雇われていたから気楽だったと思うけど、会社を起こしてからは、従業員の責任も取らなければならないし、その上、息子の死や愛人の存在など、好きなこともしていたけど、その分罰も受けていたように見えました。やっぱり、人の人生はプラスマイナスゼロになるように出来ているのかなと思いました。

 

そうそう1つ、凄いモラハラだと感じたことがありました。妻のラウラが愛人がいることを知って、エンツォの母親に知っていたんですか私の息子がいたのにというと、「あんたが跡継ぎを残さなかったから。一人じゃ足りなかったんだよ。」というんです。はぁ?跡を継ぐのは息子じゃなきゃいけない訳じゃないし、妻は子供を産む道具じゃないんだよって言ってやりたくなりました。息子が亡くなって1年しか経ってないのに、こんな事言われたらショックで寝込みますよね。

 

 

でも、このエンツォの母親も苦しかったんじゃないかな。戦争で長男を亡くして、フェラーリ家は次男のエンツォが継ぐことになったのですが、長男が生きてエンツォが死ねばよかったとポロっと言ったりするんです。酷い話だけど、この母親の時代はそういうもんだったんでしょうね。今時、義母が、息子の妻が子供を産まないからとか跡継ぎの男の子をとか言ったら、直ぐに離婚になりますよ。そんなに欲しきゃ、TVドラマみたいに代理母でも頼みなよと言われます。

 

この時代のイタリア、強烈でした。離婚は出来ない、愛人が平然と家を貰って暮らしている、公の場に愛人も出てくる。まるで平安京の日本だよ。

 

 

映画の解説にオクタン日本版の編集長・堀江さんがいらしてくださり、お話を伺ったのですが、この時代のレーシングカーって、エンジンや車の内部はフェラーリが作っていたけど、外部のビジュアルは、それ専門の会社がデザインしていたそうです。あの周りのデザインがフェラーリのこだわりなのかと思っていたら、技術メインなんですね。うーん、マジで車オタクな人たちが作っていたんだなと知りました。

 

この映画に出てくるフェラーリの古い車たちは、映像を3Dスキャンして作っているモノもあるようですが、本物を使っている部分もあるようでした。あの時代のフェラーリを手に入れようとすると、もう何十億、何百億のレベルだそうで、はぁ~??とあまりにもビックリしました。そんなにするんですね。簡単には壊せないですね。怖いなぁ。楽しいお話を聞かせてくださって、堀江さんありがとうございました。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。私は面白かったな。こんな人がフェラーリを作った人なんだということが知れて驚きと興奮を感じました。ムカつくけど、カッコいい人でした。やっぱり何事もオタクが勝つんです。オタクをバカにすんなよって感じでした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「フェラーリ」