【イタリア映画祭】「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」戦争中でも人道的な助けは行っていたんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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【イタリア映画祭2024】

 

「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」

 

(3作目)

を観てきました。

 

ストーリーは、

1940年10月。イタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニはイギリス軍への物資供給を断つため大西洋へ向かっていた。途中で遭遇した船籍不明の船を撃沈するが、それは中立国ベルギー船籍の貨物船カバロ号だった。カバロ号の乗組員たちを救助することを決めるが、それは自らと部下を危険にさらす覚悟の上での行動だった。

というお話です。

 

 

第二次世界大戦中、レジア・マリーナの司令官サルヴァトーレ・トダロは、新しい潜水艦カッペリーニの指揮を執っていました。ひどい事故で大怪我をしたにもかかわらず、引退をせずに新しい職についたのでした。

1940年10月16日、大西洋沖でトダロはベルギーの汽船カバロ号への攻撃を命じます。ベルギーは中立国なのに攻撃を仕掛けてきたために、カッペリーニ号も反撃をし沈没させます。

沈没したカバロ号から2隻の救命ボートで逃げ出した乗組員たちでしたが、海岸からは数百マイルも離れており、このまま漂流すれば確実に死ぬだろうと予想が出来ます。トダロは考えた末、26人のカバロ号の難破者を救助することを決意します。



 

潜水艦には乗組員ギリギリのスペースしかなく、荷重もオーバーしてしまいます。このまま水面を航行し船上の指令室に数人を入れるしかなく、敵軍に攻撃してくれといわんばかりの状態で航行しなければなりません。この状態で生存者をアゾレス諸島のサンタマリアへ連れていくしかありません。

狭く危険な状態で、イタリア軍とベルギー軍の兵士が助け合いながらアゾレス諸島までの道のりを必死で航行します。途中にはイギリス軍もおり、そこを潜り抜けて無事にたどり着くことが出来るのか。そして…。後は、映画を観てくださいね。


 

第二次世界大戦時に潜水艦が行ったという歴史的なお話を映画にしたものです。第二次世界大戦時だから、潜水艦も古い感じに作られていて、そんなんで海に沈んだら二度と浮かんでこれないんじゃないの?と思ってしまうほど粗末な作りなんです。そんな船で戦争をしてたんだから恐ろしい話です。

 

トダロ船長は前回の戦いで怪我をして、もう引退した方が良いと言われているのに引退せず、館長として参戦するんです。奥さんは妊娠していて、もうすぐ子供が生まれるというのに戦争に行ったんです。そういう時代だったんですね。

 

 

彼らの潜水艦は、イギリス軍に補給する船を撃沈するという命令を受けていました。なので、連合国軍の船の場合は攻撃をしたのですが、その時に出会ったのは中立国のベルギーの船でした。なのでカッペリーニ号は攻撃をしなかったのですが、何故かベルギー船のカバロ号が攻撃をしてきたんです。なので仕方なく応戦をしてカバロ号を撃沈し、そこからこの物語は盛り上がっていきます。

 

このカッペリーニ号のお話は実話がベースになっており、ある程度はフィクションが混ざっていますが、敵国船の乗組員たちを助けたのは本当のようです。この時、助けてはいけないという取り決めのようなものがあったらしく、助ける必要はなかったらしいんですけどね。

 

陸の見えない海の真ん中で目の前に人が助けてくれって言っていたら、そのまま見捨ててしまうことは出来ないですよね。そのまま救命ボートで置いておけば寒さで死んでしまうんです。

 

 

だけど、助けたいと思ってもこちらは潜水艦です。潜水艦って、ギリギリまで荷重を減らして、人員を減らしてという究極の水中航行兵器です。無駄な部分が一切無いので、想定外の人間を乗せるなんて通常なら出来ないんですよ。いる場所が無いし、空気も足りなくなっちゃう。だからトダロ船長はギリギリまで船内に入れて、入らない人たちは船上の指令室に入って貰うんです。ということは、潜水艦なのに潜航は出来ませんよね。船上の人は溺れちゃいますから。

 

潜れないということは、敵艦から丸見えで撃ってくださいとでも言っているような状態の潜水艦なんです。だって笑っちゃうでしょ。潜水艦なのに普通の船みたいに海上を走ってるんですよ。そしてとにかく最短距離で行ける港に急ぐのですが、どうしても途中で敵艦に会っちゃいますよね。そしてトダロ船長がどうしたかを楽しんで欲しいです。

 

 

とっても人道的な良いお話なのですが、うーん、ごめんなさい。私、漫画「沈黙の艦隊」が大好きで、潜水艦というとあの”大和”を思い出してしまうので、いまいちだったかなぁ。もちろん時代が違うので、比べちゃいけないのは解っているのですが、あの海江田館長の素晴らしさを考えるとダメなんだよなぁ。

 

第二次世界大戦では日独伊でイタリアは仲間だったんだから、こんな素晴らしい方がいたのだと誇らしく思って良いと思うんです。でも日独伊は負けた訳ですし、戦争に英雄は付きものだけど、戦争を起こしてしまったという責任は取らないとね。ヒトラーが悪いというのは簡単だけど、日本だってイタリアだって、悪い戦争を辞めなかった人がいた訳ですから、反省しなければいけません。

 

話を戻して、潜水艦の中はぎゅぎゅーってしているんだけど、それでも出来るだけ仲良くするんです。そしてご飯の時間には、ベルギーの有名な料理って何?と聞くと、ベルギーの人が”ポテトフライ”って言うんです。イタリア人は、何だろう、食べたことないなぁと不思議そう。

 

 

驚きました、この時代、フライドポテトはベルギーでしか食べられてなかったんです。驚くでしょ。歴史的にそうなんですって。何故ポテトフライがフレンチフライと呼ばれるようになったかっていうと、アメリカ人がたまたまフランス人が好んで食べていたのを知ったかららしいのですが、元々はベルギーの主食らしいです。ジャガイモを揚げるだけなのにね。(笑)

 

潜水艦というと横須賀海軍カレーを思い出します。金曜日はカレーとしておけば、曜日が解らなくならないという素晴らしい考え、さすがだと思いました。イタリアとかでもそういうのってあるのかな。金曜日はニョッキとかね。

 

主演はピエルフランチェスコ・ファビーノさん。イタリア映画に欠かせない有名俳優さんですよね。素敵でした。潜水艦の中なので、ほとんど男性ばかりのキャストでした。潜水艦の中、暑苦しそうだったなぁ。(笑)

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。内容的にはとても良いお話で感動的なのですが、潜水艦好きな私の理想が”大和”なので、どうしてもこの潜水艦最高とはいえません。でも、物語としては、とても良い映画でした。キャストも良いし、歴史的なお話ですからね。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。日本公開は7月5日です。カメ

 

 

「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」