「ストリートダンサー」ダンスがメインだけど人種・宗教観・政治の問題を深く描いていました。良作です | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ストリートダンサー」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

インド系の青年サヘージ率いるヒップホップダンスグループ「ストリートダンサー」と、パキスタン系の女性イナーヤト率いる「ルール・ブレイカーズ」はライバル同士で、街で遭遇するたびにダンスバトルで火花を散らしていた。そして二人は別々の目的のために、ダンスバトル大会「グラウンド・ゼロ」で相対することとなる。

というお話です。

 

 

舞台はロンドン。インド系の青年サヘージ率いるダンスチーム「ストリート・ダンサー」と、パキスタン系の女性イナーヤト率いるダンスチーム「ルール・ブレイカーズ」はライバル同士で、街中で鉢合わせするたびに、火花を散らすダンスバトルを繰り広げていた。

ある日、10万ポンド(約1,800万円)の賞金が獲得できるダンスバトル「グラウンド・ゼロ」の開催が発表される。



 

イナーヤトはレストラン店主ラームがインドやパキスタンなどの南アジア系の路上生活者に食事を無償提供している事実を知ってしまう。違法ではあるが彼らを助けるためには仕方ない。食事費用も無く自国に帰る金も無い人々には誰かの助けが必要だったのだ。

イナーヤトはダンスバトル「グラウンド・ゼロ」で優勝し、その賞金を彼らの為に使おうと思い、バトルへの参加を決意する。一方サヘージは脚を怪我してダンスの第一線から退いた嘗てのトップダンサーの兄に誕生日に何が欲しいと聞くと、兄は自分の夢だったグラウンド・ゼロで優勝して欲しいとサヘージに言う。



 

サヘージは今のダンスグループでは実力が足りないことを重々承知しており、イギリスのトップグループである「ザ・ロイヤルズ」に加入して優勝を目指そうとザ・ロイヤルズの門を叩き、彼らの一員になることに成功する。

別々の目標のもとグラウンド・ゼロに参戦したサヘージとイナーヤトだったが、あるきっかけから友情が芽生え、同じ目的を持ち、コンペティションを勝ち進んでいく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

表向きは一時流行ったダンスバトルのドラマや映画のようなお話でしたが、実はインドやパキスタンの政治的な問題やイギリスへの移民問題、そして彼らの宗教観や生活様式の違いを詳細に描いている内容でした。アフタートークで、この映画の翻訳をして下さった佐藤先生がお話してくださり、字幕だけでは到底解説出来ないような宗教、民族の違いを教えてくださいました。

 

挨拶一つとっても、字幕では”こんにちは”だけど、インド=ヒンドゥーでは手を合わせて頭を下げるけど、イスラムだと片手を頭の方に持っていくようで、それぞれに意味が違うらしいんです。大体、宗教で国が別れたのがインドとパキスタンなんですから、簡単に仲良くなれるハズが無いですよね。そんな二人が出会ってダンスバトルですから、上手く行く訳がありません。

 

 

舞台はイギリスなので、移民問題も絡んできます。サヘージはイギリスに住んでおり、インドの従兄弟の結婚式に参加した帰りにイギリスに入国したいと4人に頼まれて、違法とは知りながら断れずにイギリスに不法入国させてしまいます。きっとどこの国でも、こんな風に入ってきている外国人が沢山居て、不法移民となっているのでしょう。そりゃ、貧困で苦しむことになりますよ。

 

日本の不法移民の方々の態度を見ても解りますよね。優しくしてあげていれば態度が大きくなり”日本人死ね”とか大声で騒いでしまう。自国に帰った方がよっぽど良いのに、何故か帰らないんです。この映画の中の方々は、資金提供を受けて自国へ帰る事が出来ていましたが、日本は甘いから、そろそろ強制送還する必要があると思っています。

 

 

話を戻して、ダンスバトルに関してですが、やはりインド映画ということでダンスには手を抜いていません。凄いバトルでした。イギリスが舞台なのにどう見てもインド系の方が多くて、イギリス人はあまりダンスバトルに興味が無いのかなぁと思ってしまうほどでした。主演のバルン・ダワンやシュラッダー・カプールが上手いのは当たり前ですが、その二人に関わるレストランオーナー役を伝説のダンサーと呼ばれるプラブ・デーバが演じています。

 

最初はレストランのオッサンくらいにしか観てなかったら、突然に踊り出してマイケル・ジャクソン並みのダンスをするんですよ。はぁ~!?と思ってしまいました。凄かったです。いきなりPVのような場面になって、レストランが舞台になるんです。そしてダンスをし始めたら、白いスーツとかで踊り出すんです。その上、マイケルに似た曲までもが流れてきてビックリでした。50歳になる方ですが、若手よりも上手いんじゃないかと言うほど動きがピッとしていて気持ちが良くなりました。


 

そうそう、ダンスバトル「グラウンド・ゼロ」でどうしても納得出来ないなぁと思ったことがありました。チームで参加していて、準決勝くらいまで進んでから突然に相手チームに鞍替え出来るっておかしくないですか?いくらルールが無いからと言って、簡単に相手チームに移れるなんておかしいですよね。

 

それなら潜入作戦で優勝候補チームに入って練習をしていて、いきなり決勝で相手チームに鞍替えして優勝候補チームから抜けたら、そこに穴が出来て優勝候補チームはダンスの連携が取れなくなるでしょ。酷いやり方だなと思いました。映画の中では悪気は無いけど、悪気があると思われてもおかしくないですよ。どうしても優勝したいなら優勝候補を潰すのが一番だから、それくらいやりますよ。これは大会として良くないなと思いました。

 

この映画では一番家族愛について深く描いていました。サヘージは夢破れた兄の為に必死で頑張るし、イナーヤトは自分と同じ民族の不幸な人々を助けたいと思うし、そのイナーヤトをご両親はとても愛しているし、他に出てくる人々も誰もが家族を思い、一族を思い行動している事がよく描かれていました。その家族の在り方も国の違い、宗教の違いで違っていて、その辺りも詳しく描いていました。とても気を使って映画を作っている事がよく解りました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ダンスバトルがメインのように見えますがダンスを中心としながらも、インドとパキスタンの成り立ち方、宗教の違い、生活の違い、などが描かれていました。そしてイギリスに移民してダンスが出来る人々は成功者で、ほとんどの移民が苦しい生活を強いられていることも理解出来ました。上手い描き方だなと思いました。ダンスに興味は無くても、南アジアの状況を知るためには良い作品だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ストリートダンサー」