「熱のあとに」
を観てきました。
ストーリーは、
自分の愛を貫くため、ホストの隼人を刺し殺そうとして逮捕された沙苗。事件から6年後、彼女は自分の過去を受け入れてくれる健太とお見合い結婚し、平穏な日常を過ごしていた。しかしある日、謎めいた隣人女性・足立が沙苗の前に現れたことから、運命の歯車が狂い始める。
というお話です。
愛したホスト・隼人を刺し殺そうとした過去を持つ女・沙苗。事件から6年の時が経ち、出所した沙苗は母親に見合いを勧められ、嫌々ながらも見合いに行く。相手は”若くして銀行の役職についている男”らしく母親は直ぐにでも沙苗を結婚させたいようだった。出所してきた娘を家から出したかったのだろう。
相手の男は、実は本人ではなく身代わりだった。男も無理やりな見合いだったらしく、友人に身代わりを頼んだのだった。見合い場所で写真と違う男に母親は気づいていたが、相手は誰でも良かったのだ。
母親は先に帰り、お互いに結婚を望んでいないことを確認した二人は何故か意気投合し付き合う事に。林業に従事する健太は結婚などする気は無かったが、美しくて落ち着いている沙苗を気に入り、沙苗も居場所を見つけるために結婚を決める。健太は沙苗の過去を知り、受け入れた上で結婚に踏み切ったのだった。
平穏な結婚生活が始まったと思っていた矢先、2人の前に謎めいた隣人の女・足立が現れる。気さくに接してくる足立が抱える秘密とは。そして、全てを捧げた隼人の影に翻弄される沙苗がたどり着いた、“愛し方”の結末とは。後は、映画を観てくださいね。
うーん、微妙な映画でした。2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアされ、監督が作り上げたお話でした。主人公の沙苗がホストを刺した場面から始まり、直ぐに転回し6年後の出所した沙苗のお話になります。沙苗の扱いに困った母親が無理に見合いをさせ、そこで知り合った健太と結婚することになります。
あからさまに母親は迷惑がっているように見えました。まぁ、ホストを刺して殺人未遂事件を起こした娘なんて、誰が考えても迷惑な存在です。少し前にホストに貢いだ女性に政府が支援するとかいうアホな話がありましたが、おいおい、じゃぁ銀座のオネエサンに何千万も使った男性が破産しそうになったら政府が補助金を出すのかって話なんです。
なんで女性だけ支援するの?それこそみんなが大好きな差別じゃないの?大体、母親が娘の借金をチャラにさせて欲しいと政治家に頼むなんて、どんだけ厚顔無恥なんだよってことでしょ。ホント、娘がホストにハマって借金するなんて、どんな育て方をしたんですかって聞きたいです。お金の使い方がおかしいですから。
この映画の沙苗もホストに何千万も貢いで、お金が無いので風俗で働いて、最終的にホストを刺したんです。私にはどうしてそんなにのめり込むのか全く理解が出来ないんです。べらべら喋って持ち上げたり愛を囁いたりしてくれるのが嬉しいの?お金を払って言ってくれているだけだから、それは全て嘘だと思うんですけど。そんな言葉が欲しいだけなら相手がロボットでいいんじゃないの?でも、この主人公の沙苗はホストが本心から言ってくれていると思っちゃっているんです。
反対に自分がホステスとして働いていたらどうだと考えないのかしら。相手にお金を使わせるために必死で嘘をつきまくってお客を喜ばせ、何度も通って貰うために”あなただけを愛してる。”とかいう訳でしょ。相手の立場になれば、そういう事は直ぐに解るハズなんですけどね。頭が悪いとしか思えません。
そして刑務所に入り出所してきても、そのホストのことが好きだったのだと思います。だから、健太という金ズルを捕まえたようにしか、私には思えませんでした。この沙苗の言っている事、ちょっとキ〇ガイのように聞こえました。だって、何処までも貢いでいくのが愛というような考え方なんです。自己満足する為に、相手を愛しているんじゃないかな。そのホストを好きで、何処までも貢いであげるという自分が好きなんでしょう。ナルシストですよ。
ホントの事言って、気持ち悪い女性でした。こういう人とは友達にもなりたくないし、それ以前に知り合いたくないです。絶対に私とは合わないだろうから。好きな人は好きな人で良いけど、相手に依存するのは愛じゃないんですよ。お互いに一人で立って、対等の立場で相手と接するようにしなければ人間としておかしいでしょ。
沙苗と結婚した健太は、まぁ、よく居そうな男性です。そんなに気が強い方でもないし、けんかっ早い方でも無く、通常のサラリーマンとして働いている男性でした。結婚当初は上手く行っていたんです。でも、隣の住人が出て来てからおかしくなっていきました。ま、この沙苗が変わっているんだけど、近づいてきた隣人もちょっと変わっていました。
愛は献身的に与えるものというのは一概に間違っていないけど、人間同士ならまず対等とならなければいけないし、与えるだけでは通常相手は息苦しくなるハズなんです。もし自分が大して好きでもない人に好かれちゃって付き纏われたら怖いでしょ。愛だからと言われて年中付きまとわれて援助されたら、ここから抜け出せないんじゃないかと不安になるのが普通よね。
ちょっと微妙な映画でした。相手を殺すほど愛しているって豪語していたのに、相手が自分の方を向いたら一気に気持ちが冷めるんです。この部分には共感出来ました。欲しいと思っていたモノが手に入ると、安心して興味が無くなってしまう事って沢山ありますから。私はゲーム機がそうかな。このゲームがやりたいからと思ってゲーム機本体を買うと、いつでもゲームが出来るようになり全くゲームをやらないんです。映画の配信もそうかな。サブスク契約するといつでも観れると思って観る暇を作らないから観れないんです。人間ってそんなもんですよね。
良い俳優さんが揃っているんだけど、内容が解り難いように感じました。それに沙苗の情熱が強すぎて観ていて疲れてしまうんです。ホストにハマったり、推しにハマったりする人が現代は多いようなので、こういうお話になったのだろうけど、ちょっとキ〇ガイが入っていますよね。現代は精神的なストレスが多いので、依存度が高くなってしまうのかしら。恐いです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ストーリーは、そんなに面白い作品とは思えなかったけど、キャストが良いし、橋本さんの突き進むような愛の表現が強烈で、その部分は良いかなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「熱のあとに」