「ダム・マネー ウォール街を狙え!」
を観てきました。Fan’s Voiceさんの、独占最速試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
コロナ禍の2020年、マサチューセッツ州の会社員キース・ギルは、全財産5万ドルをゲームストップ社の株に注ぎ込んでいた。ゲームソフトを販売する同社は倒産間近と囁かれていたが、キースは「ローリング・キティ」という名で動画を配信し、同社の株が過小評価されているとネットで訴える。すると大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め…。というお話です。
コロナ禍まっただ中の2020年。米マサチューセッツ州ブロックトンで金融アナリストとして働く平凡な会社員キース・ギルは、ゲームストップ株が異様に下落している事に気づき、全財産の5万ドルをゲームストップ株につぎ込んだ。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売するゲームストップ社は業績が低迷し、倒産間近のボロ株と見なされていた。
キースは赤いハチマキを巻き、ネコのTシャツ姿の“ローリング・キティ”という別名義で動画を配信し、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴えたのだ。すると、キースの主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。
同社を空売りしてひと儲けをもくろんでいた金融業界のメルビン・キャピタルと経営者のケイブ・プロトキンは、個人投資家の動きなど取るに足らないと言い、空売りを加速していく。すると一般投資家もどんどん買い始め、とうとう大富豪たちは巨額の損失を被ることに。
やがてSNSに集った無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻したこのニュースは、連日メディアをにぎわせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースの行く手には、想像を絶する事態が待ち受けていた。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったなぁ。これが実際にあった事件だというのだから、やっぱりアメリカって凄いなと思いました。それに、この事件,
2021年ですよ。つい2年前の出来事で、それが映画になってるって言うんですから、ビックリしちゃいますよね。どんだけ特急で脚本を書いて、撮影したんだっつーの。
まず、標的になったのは”ゲームストップ”という会社の株です。この会社、日本でいうブックオフのゲーム版みたいな感じです。ゲームは配信に移行してきているし、店の売上も下がっているようで倒産寸前と業界では言われていて、株も低迷していたんです。そこを、”ローリング・キティ”が買い始めたんです。何故なら、株の下落があからさまで、ヘッジファンドが空売りを進めている事が解ったからなんです。
ここで専門用語、ヘッジファンドと空売りとは。ヘッジファンド会社とは、お金持ちからお金を預かって投資をして儲けている会社です。損をすることもありますが、ほとんど大きく儲けてくれるので返りは大きく、手数料が高くても頼んだ方がお得だということです。
空売りとは、持っていない株を売るので「空売り」なんです。100株を100円で売って10000円入ってきたら、その生産日まで1~2週間あるので、その間に入ってきた10000円で同じ株を100株買って帳尻を合わせるんです。その1週間ほどで下落すると解っている株を買えば、10000円持っていて5000円で買えるでしょ。5000円の儲けになるんです。こんなの騙しだと思うんだけど、株市場ではまかり通っているんです。お金を持っていなくても、儲かっちゃうって事なんです。おかしいですよね。
そんな騙しをしている奴らに報復してやるというのが、このダム・マネーで描かれるローリング・キティたちの行動なんです。空売りした株を、個人投資家がどんどん買って行けば、欲しい人が沢山いるから価格は上がっていくでしょ。そうすると、空売りしていたヘッジファンドは、入ってきたお金よりも、多いお金を払って株を買わなければいけなくなるので、大きな損失が出てしまうんです。イイ気味よね。
で、ヘッジファンドが損失を出してお金持ちに泣きついて、お金持ちたちは、今の状況を変えなければと、株取引をしている会社、日本ではほとんどが証券会社ですが、そこに圧力をかけて”ゲームストップ”株の取引きを止めさせようとするんです。えげつない手を使うわよねぇ。自分たちが悪い事しているのに、全然悪いと思ってない所がムカつくわ。
あまりにも大事になってしまい、金額も大きかったので、とうとう政府の金融取引委員会らしきところが動き出して、調査を始めるんです。まぁ、これだけ大騒ぎになれば、国が動くのも当たり前だと思うし、今までヘッジファンドなどがやりたい放題していたのをほおっておいた責任もありますよね。ある程度の空売りは、昔からの事だから仕方がないのかもしれないけど、やり過ぎだったんです。
日本の証券市場も酷いものだと思いますよ。インサイダー取引なんて、当たり前のように今も行われているし、空売りだってバンバンやっているんじゃないかな。アメリカよりも酷いかもしれない。だって、政治家があんなに裏金を手に入れても、「書き忘れちゃった。ごめんね。」で済んでいる国ですからね。あり得ませんよ。
お金持ちになりたかったら、その悪い方に手を突っ込むか、キティのように裏技を使うしかないのかもしれないけど、今、このキティと同じような事をしたら扇動罪になるんじゃないかな。よく知らないんだけどSNSでみんなを煽って株を買わせたとなると、扇動したことになっちゃいそうですけどね。
彼らがどういう道を辿るのかは、映画で確認して欲しいですけど、イーロン・マスクも出て来たし、実話なので本物が公聴会で話をしているビデオも映画で流されました。本物が話しているのを見ると、あー、マジでこんな事件があったんだなと、とてもリアルに感じました。
そして、その後、ゲームストップ株を買った個人投資家がどうしたのかも、ちょっとだけテロップで解説してくれていました。途中で売って儲けた人、半分ほど売って儲けた人、まだ株を持ち続けている人、色々な人がいたけど、これだけ話題になった株なら2年くらいでは下がらないだろうから、値動きを見ていい時に売ればいいんじゃないかな。きっと、持っている事で富裕層に勝ったんだという気持ちになれて、しあわせが増えるのかもしれません。
主演はポール・ダノさんで、良かったですよ。こういう普通の人役、上手いですよね。他にもセス・ローゲンやセバスチャン・スタンも出演しているんだけど、チョイ役でデイン・デハーンが出演していて、おっ!と思いました。彼、好きなんだけどなぁ。もっと出演して欲しいです。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。専門用語が出てくるので、全く知らない人にはちょっと難しい部分があるかもしれないけど、解説を読んでから観れば、十分に楽しめるし、ちょっと株をやってみようかという気持ちになるかもしれません。あ、でも、アフタートークにいらして下さった株式投資家のテスタさんが、この映画を観て株をやろうとは思わない方が良いと仰ってました。こんな風に上手く行くことはありませんから、この映画の事件はたまたまですとのこと。確かにそうよねぇ。でも、ちょっと株取引というのが身近に感じるようになるんじゃないかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ダム・マネー ウォール街を狙え!」