「カラフルな魔女
角野栄子の物語が生まれる暮らし」
を観ました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)
ドキュメンタリー映画なので内容は、
「魔女の宅急便」の作者として知られ、88歳になった今でも現役の児童文学作家として精力的に執筆に励む角野栄子さん。そのユーモアと想像力で、実に260冊を超える作品を世に送り出してきました。
長く愛される物語を生み出してきただけでなく、近年は、そのおしゃれなライフスタイルや人生観にも注目が集まっています。鎌倉の自宅ではテーマカラーである「いちご色」に囲まれ、カラフルな眼鏡とワンピースがトレードマーク。「自分にとって気持ちがいいもの」をモットーに、遊ぶように暮らし、遊ぶように書き、毎日を心地よく暮らしています。本作は、そんな角野さんを4年間にわたって撮影し、創作活動の裏側が収録された貴重なドキュメンタリー映画です。
角野さんは、1935年に東京・深川で生まれ、5歳で母を亡くし戦争を経験します。新婚の夫とともにブラジルに渡ったのは24歳のとき。まだ日本人が自由に海外に行けない時代に広い世界を見てみたいと個人移民の道を選びますが、着いた当初は現地での暮らしになじめず、来たことを後悔した日もあったといいます。
そんなとき角野さんにポルトガル語を教えてくれたのが近所に住むルイジンニョ少年でした。このブラジル時代の恩人との交流を綴った「ルイジンニョ少年:ブラジルをたずねて」で作家デビューを果たしますが、それは娘のリオさんの育児に追われていた35歳のときでした。
作家デビューから53年。角野さんは「誰よりも自分が楽しむこと」をモットーに、コツコツと大好きな執筆を続けてきました。そして、奇跡のような出来事が重なり、ついに62年ぶりにルイジンニョと再会することになります。角野さんは今回、ルイジンニョさんにどうしても見せたいものがありました。
という内容です。
このドキュメンタリーですが、NHKで放送された番組と繋がっているようですね。4年間にわたって密着したドキュメンタリーで、2020年から22年にかけてEテレにて全10回で放送された同名番組をもとに、追加撮影と再編集を施して映画版として完成させたそうです。
「魔女の宅急便」はジブリ作品として映画化されたので、とても好きなアニメですが、その原作者の角野先生はこの映画の宣伝などで見て、知りました。もう89歳になられる女性だったんですね。1月1日がお誕生日とのことで、89歳になられたそうです。映画の中の角野先生は、とてもお元気でかわいらしくて、こんな素敵な方だったんだと驚きました。本当に、キキが年をとっても元気で宅急便をやっているというような雰囲気でした。
今は鎌倉に住まれていて、作品を書いて、海に散歩に行ってということを日課にされているようでした。驚くのは、今でも朝9時から夕方5時頃まで、パソコンに向かって作品を書いているというんです。自営業なんですから、そんなに真面目に働かなくてもと私なんて思うけど、とっても勤勉なんですね。自分のルーティーンは曲げないようで、その意志の強さにもビックリでした。
角野先生は父方がロシア人の血を引いていて、クォーターだそうです。若い頃のお写真が出ていましたが、お美しかったですよ。昭和10年生まれなので第二次世界大戦前に生まれ、戦後の大変な時代を知っている方です。母親を5歳の時に亡くし、その後、父親は再婚したらしく、異母弟妹がいるようでした。早稲田大学卒業後、紀伊国屋書店に勤めて直ぐに結婚をし、ブラジルに行ったそうです。
この時代に女性で大学まで行き、大手企業に勤めたのですから、ご実家は良い家柄だったのだと思います。ご主人はデザイン関係の仕事をされていてブラジルに行ったようなのですが、2年ほどで日本へ帰国したようです。ブラジルでの仕事は、あまり上手く行かなかったのかな。でも、ブラジルへ行ったことが、角野先生の創作意欲に火をつけたのかなと思いました。
このブラジルに行った時にルイジンニョさん(ルイスさん)と出会い、その頃、彼はまだ少年で、彼にブラジル語を習ったそうなんです。彼の母親とも仲良くさせて頂いて、彼がいなければ角野先生は作家にならなかったかもしれない。それくらい重要な人物なのですが、その彼が、このドキュメンタリーの為に角野先生にブラジルから逢いに来てくれて、再会するんです。もう、感動でした。
50年以上消息が分からず、最近、ネットで彼の事を知ったという角野先生。逢う事が出来て、本当に嬉しそうでした。そしてルイスさんも、まさか自分が日本でこんなに知られた本の主人公だったなんて驚いたようです。でもお二人の話を聞いていて、どちらもとても言葉が豊かで、これだけ知識と才能のある2人が出会ったからこそ、素晴らしい作家としての道が開けたのだなと感じました。才能がある方って、引き合うのかもしれませんね。
ドキュメンタリー映画って、結構、退屈になっちゃう作品も多いんだけど、この映画は身近な雰囲気で、とっても楽しく進んで行くので飽きません。角野先生は”普通のかわいいおばあちゃん”という感じで、それこそ”PERFECT DAYS"のように、こんな風に好きな事を仕事にして、好きなように生きられたら幸せだなと思えるような映画でした。
角野先生は、母を亡くし、戦争体験もあり、海外に出たりなど、苦しい事も沢山あり、順風満帆な人生では無かったかもしれませんが、今、その分、幸せに生きているのかもしれません。いつも笑っていて、何をしていても楽しそうに見える方なんです。心の中には色々な想いがあるのかもしれませんが、いつも笑顔で、元気をくださるような方でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。ドキュメンタリー映画なので好き嫌いはあるかもしれませんが、もし、優しい気持ちになりたいなと思ったら、この映画を観ると、しあわせな気持ちになって、周りに優しく出来るかもしれません。角野先生は魔女なので、映画でも魔法を振りまいてくれているのかも。(笑)そんな映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「カラフルな魔女 角野英子の物語が生まれる暮らし」
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