「法廷遊戯」法廷で裁かれる罪と裁かれない罪がある。でも心の中の罪は消えないし逃げられないんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「法廷遊戯」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

法曹界を目指しロースクールに通う久我清義は、幼なじみの織本美鈴、「無辜ゲーム」を司る学校の天才、結城馨らと共に勉強漬けの日々を送っていた。数年後、司法試験に合格し、晴れて弁護士となった清義のもとに、馨から久しぶりに無辜ゲームの誘いがくる。呼び出された場所に向かった清義が目にしたのは、血のついたナイフを手にした美鈴と、息を引き取った馨の姿だった。

というお話です。

 

 

弁護士を目指してロースクールに通う久我清義と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴、2人の同級生でロースクールに通っている途中で司法試験に受かってしまった、天才の結城馨は、仲が良かった。

学生たちの間「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判が流行っており、何か事件があると、学校が終わってから、このゲームで解決をしていた。このゲームを司るのは、天才・結城馨。彼は司法試験に受かった後も、裁判官、検事、弁護士にならずに研究の為に学校に残っていたのだ。



 

清義と美鈴も、数年後、無事に司法試験に合格する。ある日、弁護士となった清義のもとに、馨から、久しぶりに無辜ゲームをやろうという誘いがくる。約束の13時に呼び出された場所へ行くと、そこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった。

その場で美鈴は、清義に”私の弁護をして欲しい。”と告げ、警察を呼ぶ。この事件をきっかけに、3人をめぐる過去と真実が浮かびあがっていき、事態は二転三転していく。あとは、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、脚本が上手かったなぁ。これは良く出来ていました。原作を読んでいないので、原作との比較は出来ませんが、本当に面白いストーリーでした。立場が二転三転していくのですが、この転換が、無理矢理ではないんです。とても理屈に合っていて、唸らせるくらいなんです。

 

最初は、普通に法律家を目指している学生3人なんです。そして、そのロースクールで、今、流行っている”無辜ゲーム”という模擬裁判があり、ちょっとしたことでも、裁判として論じてみるという、法律家になる人間たちには、とても良いシュミレーション勉強なんです。

 

 

私は、そのゲームで何かこじれたりするのかしらと思っていたら、主人公の清義の過去にあった事件を、クラスのみんなにチラシにして配るといういたずらがあり、その犯人探しを、この無辜ゲームで探し出したんです。直接、配った犯人は見つかったのですが、それを依頼した人物は判らず仕舞い。結局、裁判はモヤモヤして終わります。

 

同じ頃に、美鈴も同じような嫌がらせを受けています。清義と美鈴は、同じ施設で育った幼馴染であり、清義が昔関わった事件には、美鈴も関係していたんです。2人は、一体、誰が今更こんな事をと、犯人を捜そうとしますが、結局、犯人は解らず、嫌がらせは終わってしまいます。

 

 

それから2年後、清義は司法試験に受かり、弁護士として仕事をしていました。そこへ久しぶりに馨から連絡があり、もう一度、無辜ゲームをするから来て欲しいと言われます。馨は、今も学校に残って法律の研究をしており、いくつもの論文を書いているようでした。懐かしいと思った清義は、13時に行くことを約束して、当日、行ってみると、そこにはナイフで刺された馨と、彼を刺したらしい血だらけの美鈴が待っていました。

 

一見、清義たちが学生の頃の出来事と、今回の殺人事件は、何の関係も無さそうに見えますが、これが、上手く繋がっているんです。それも、驚くような繋がりで、あなた達、学生時代は仲良かったじゃないの!と言いたくなるような展開でした。これ、殺人者となってしまった美鈴が、一見、サイコパスっぽく見えるんだけど、いやいや、これ、内容を観ると、馨がサイコパスなんじゃないかと思うくらい、よく考えられているんです。

 

 

誰が犯人というのは、裁判でも何でも、簡単に決められるけど、本当に罪を犯したのが誰なのかというのは、それこそ、映画の中でも言っているのですが、神様しか解らないんです。裁判では、人間の思い込みなども作用して、冤罪をも起こりうるんだけど、実際に罪を犯した人間は、どうやって裁かれるべきなのかという事が、描かれていました。

 

裁判だと、一方的になってしまう事も多いと思うんです。殺人とかは別だけど、痴漢や窃盗など、自分はやっていなくても、見たと言われたり、品物がバックなどに入っていたら、犯人にされちゃうでしょ。でも、見たというのは嘘かもしれないし、バックに誰かが入れたのかもしれない。でも、それを証明出来なければ犯人にされちゃうし、お金が無くちゃ弁護士も国選弁護人になっちゃうんでしょ。だから、冤罪って起こりますよね。

 

 

それとは反対に、実際に罪を犯していても、言い逃れが出来てしまう人もいる。理不尽な世の中です。外国人の犯罪が多いのも、検察が、全然起訴しないからでしょ。意志の疎通が出来ないからなのか、相手がワザと言葉が解らないフリをしていて、起訴出来ないのかもしれない。酷い世の中だと思いますよ。

 

話を映画に戻して、何故、馨は殺されなければならなかったのか、そして、美鈴は何故殺したのか、本当に殺したのか、清義は弁護士として、美鈴の無罪を主張していきます。でも、調べていくと、決定的な証拠は出てくるのですが、それが意味するものは、過去の犯罪なんです。うーん、よく出来ていた。原作が面白いのでしょうね。

 

 

主演の永瀬さん、あまり役者としてはどうかなと思いましたが、この無口で表情が無いというキャラクターは、良かったと思います。というか、彼が無表情の分、杉咲さんや北村さんの感情表現がとても素晴らしく、本当に上手かったので、それによって、彼の無表情さが良く見えたのだと思います。柄本さんや大森さん、筒井さん、生瀬さんなど、名バイプレイヤーが勢ぞろいだったので、それも盛り上がった要因だと思いました。

 

法廷で裁かれなくても、ちゃんと神様は見ていて、罪人はその罪を償わせられるんです。逃げることは出来ません。どこまでも追って来て、償うまで、マトモな生活は出来ません。罪は消えないんですから。

 

 

この映画、本当に面白い映画です。私は、超!超!超!お薦めしたいと思います。満点と言って良いかな。良く出来た脚本でした。原作も読んでみたいと思いました。誰が観ても、楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「法廷遊戯」