【東京国際映画祭】(18作目)
「ロクサナ」
(コンペティション)
を観ました。
ストーリーは、
自堕落な生活をしているフレードは、友人のマンスールと共に、仕事を探しています。マンスールは結婚相談所に面接に行き、縫製として雇用され、付き添いだったフレードは、そこにカメラマンとして営業に来ていた女性の車が置き引きに遭うのを目撃し、彼女を助けます。
女性の名前はロクサナ。結婚式のビデオや写真を請け負う会社を設立したらしく、結婚相談所へ営業に来ていたんです。美しいロクサナに惹かれたフレードは、彼女を助けて、仕事の手伝いもし始めます。ロクサナは、結婚式の撮影の仕事を取り、フレードを連れて向かいます。
しかし、ロクサナの仕事ぶりはとても適当で、後先を考えておらず、イスラム圏でありながら酒を所持し、結婚式へ向かう車の中に隠しており、警察に捕まってしまいます。ロクサナは、仕事を取るために結婚式に酒をプレゼントするからという約束をしたようです。このままでは仕事に行けないので、仕方なく、フレードが自分の責任だと訴え、収監されて、ロクサナたちは仕事に向かいます。
留置場で過ごしたフレードは、何とか保釈されますが、罰金を払うか、鞭打ちの刑を受けなければなりません。ロクサナは、お金を用意すると言いながら、自分もお金に困っていて、どうなるのか解りません。その上、何故か、車の置き引きも、他の事も、警察に届けようとしません。
フレードは、自分の母親が認知症になってきており、どう面倒をみていくのか、姉夫婦との関係もあり、悩んでいます。その上、ロクサナの問題に関わってしまい、何とか上手く解決をして、ロクサナと良い関係を築きたいと思っているのですが…。後は、映画を観て下さいね。
イランの若い人たちは、安定した仕事も少なく、辛い状況でいるのかなという事が描かれていました。主人公のフレードは、実家に住んでおり、昼は寝ていて、夜は友人と遊んでいます。認知症の母親が、警察を呼んで、自宅に住み着いている息子を連れて行ってくれと頼むほどで、笑ってしまいましたが、笑える状況ではないのかもしれません。それくらい、仕事が無いようでした。
でも、結婚式の様子とか、相談所の様子などを見ると、確実に富裕層はいて、その落差が激しいのかなと思いました。フレードが、どんな生き方をしてきたのか解りませんが、仕事も無く、実家でふらふらしているようなので、あまり努力をしてきた人間ではないのかもしれません。
母親にいい加減にしろと言われて、仕事を探しに行きますが、本気で探す気は無さそうでした。でも、友人のマンスールの面接について行き、出会ったロクサナに恋をして、話が動き始めます。
イランで女性が仕事を始めるというので、随分と無理をしたのではないかと思います。でも、一応、写真スタジオとしての器材も揃えて、仕事を取りに回っていたので、頑張っているなと思いました。ただ、やることが荒いかなーと思いました。女性が会社を始める時に、一番、気を付けなければいけないのが、女だから許されるのではないかという甘えです。
このロクサナもそうですが、違法な事をしても誤魔化せるとか、誰かが助けてくれるとか、どこか甘えがあるんです。自分で仕事をするなら、全て自分が責任を取らなくてはいけません。人に罪をかぶって貰うとか、論外です。責任が取れないなら、そこで仕事は終りです。その覚悟がないのだから、既にロクサナは事業に失敗しているんです。女だから許されるのは女として生きているからで、経営者としては生きられません。
フレードは、経験が浅いので、そんな事も解らず、ただロクサナの容姿のみに惹かれて、手伝ってしまうのですが、ダメダメですね。それは、彼女のためにもなりません。そして、どんどん悪い方向に向いて行ってしまうんです。これは、イランだからというのではなく、どの社会でもそうですよ。
そうそう、驚いたのが、お酒を持っていると違法という事と、その罰が、罰金か鞭打ちの刑だと言っていて、笑ってはいけないけど、少し笑ってしまいました。今の時代に鞭打ちの刑って、凄いですよね。痛いんだろうなぁ。それって、人権侵害だと思うけど、そういう認識はないのでしょうね。ビックリしました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。映画としては、とても良い出来だと思うのですが、このロクサナという女性が、あまりにも甘い考えで仕事をしていて、ちょっとイラッとしました。私も会社経営をしていますが、こういう女が一番嫌いです。ビシッと出来ないなら、会社をしないでください。女性がみんな甘えて仕事をしていると思われては困ります。そんな気持ちもあり、超!が付けられませんでした。でも、映画自体は、素晴らしい作品です。もし、日本公開されるようでしたら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ロクサナ(コンペティション)」