【東京国際映画祭】(17作目)
「エア」
(コンペティション)
を観ました。
ストーリーは、
第二次世界大戦の独ソ戦。兵士の数が減っており、女性パイロットを採用し始めたソ連。最初に採用した女性パイロットが、男性パイロットよりも才能を発揮し、敵機を何機も撃墜しており、その成果を見た司令部が採用を決めたのだ。
若い兵士ジェーニャは、先輩のリタに憧れ、技術を磨いて、一流のパイロットに成長しますが、先輩のリタが敵機にやられて亡くなり、仲間も減って行きます。司令官のアレクセイとの絆も深まりますが、彼も戦火の中、心労もたたって、亡くなってしまいます。
戦争は終わらず、ドイツに占領された地域への攻撃を続け、やっとドイツを降伏させて、その地域を取り戻します。それでも戦争は終わらず、ジェーニャは、戦闘機にのって、出撃する日々。そんな時、同じ基地に所属する上官将校に襲われ、反撃して殺してしまいます。そして…。後は、映画を観てくださいね。
あまりロシアの映画って少ないのですが、今回、ロシアの戦争映画がコンペティションに入っていて驚きました。第二次世界大戦中の、ソ連とドイツの戦いを描いたものです。当時、女性パイロットも養成していたようで、男性と同数とは言いませんが、多くの女性パイロットが生まれていたようです。
そんな中で、能力の高い女性が出て来て、男性に引けを取らない女性パイロットが活躍して行きます。この時代ですから、女は料理をしていろとか、慰安用の女性なのかとか、色々な事を言われます。まだ、セクハラ、パワハラなんて言葉の無い時代です。もちろん、レイプも頻繁に起こっていたと思います。
戦争が激化し、ドイツの戦闘機の性能に、ソ連の戦闘機が全く追いついていないという問題が起きます。 ジブリの「風立ちぬ」という映画でも戦闘機の設計をしていたので、日本人には解ると思いますが、0.1ミリ単位でバランスが変わってしまうので、雰囲気で戦闘機を直していたり、作っているソ連の人々には、ドイツの戦闘機の上を行くモノは作れなかったと思います。ドイツも、日本と同じですもんね。
なので、スピードが全く違い、どんなにソ連が頑張っても、追いつけない、後ろに着かれるということで、負けてしまうんです。それでも、ドイツ機を打ち落としていたのだから、ソ連の女性パイロットって、能力が高かったのだと思いますよ。観ていたら、パイロットの足の辺りに熱が放出されてしまって、火傷をしてしまうと言っていたようでした。
それにしても、この映画、今のロシアで、良く作ったと思います。だって、戦争中の国でしょ。監督や俳優さんたちもいらしていたけど、色々と制約があるのかなと思いました。良い映画なのに、国の問題で、あまり宣伝が出来ないとか、公開に問題があるとなったら、悲しいです。
戦争映画だけど、女性がその頃から頑張っていたという事を描いていて、今の時代にとても合っている映画なのではないかと思いました。昔から、女性も男性と同じように戦っていたのに、それがあまり話題にならず、知る人も少なかったというのは、時代のせいですよね。今なら、大きな声で言えるし、もしかしたら、女性の方がパイロットに向いているのかもしれないという事もあるのかもしれない。考えさせられます。
うーん、でも、考えてみると、女性は生理があるから、気圧の変化などで辛くなったりするんじゃないかなんぁ。ピルでコントロールは出来るけど、生理の間は操縦をしないとか、何か対処をしないとね。集中力は、女性もありそうだから、戦闘機での戦いには向いているような気もします。体重が軽いというのも、戦闘機に無駄な負担をかけなくてすむしね。ただ、これからの戦争は、ドローン戦争だから、戦闘機というものが無くなって行くのかもしれません。
色々と考えさせられる良い映画でした。ロシア映画が観れて、嬉しかったです。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。実話ではありませんが、実際に女性がパイロットとして活躍をしていたそうですし、こんな事もあったのだと思います。良く出来ている映画でした。日本公開は決まっていませんが、公開して欲しい映画です。ロシア映画だから、どうなのかなぁ。配給は難しいのかなぁ。うーん、勿体ない。もし、公開されたら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「エア(コンペティション)」