「マネーボーイズ」台湾のLGBTQの受け入れの現状が何となく解ります。地方都市では難しいのかな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「マネーボーイズ」

 

を観てきました。Fan’s Voiceさんの、独占最速オンライン試写会が当たり、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

フェイは都会で恋人シャオレイと同棲しながら、体を売って田舎の両親に仕送りをしている。ある日、フェイが顧客に暴行されたことを知ったシャオレイはその男を叩きのめすが、男の部下たちの報復に遭う。フェイは警察に捕まることを怖れ、シャオレイを見捨てて逃げてしまう。5年後、別の都市で男娼として暮らすフェイのもとに、同郷の幼なじみロンが転がり込んでくる。そんな中、フェイはシャオレイと偶然にも再会を果たす。

というお話です。

 

 

フェイは恋人のシャオレイと同棲しながら、体を売って田舎の両親に仕送りを続けている。田舎の家族はフェイからのお金を当てにしながらも、彼が同性愛者であることは一族の恥として受け入れない。

 

ある日、フェイが客を取ると、シャオレイが、あの客は危ないから辞めろと言うが、フェイは忠告を聞かずに男に付いて行く。家に帰ってきたフェイは、身体に怪我をしており、あの顧客から暴行を受けたのだった。男の顔を覚えていたシャオレイは、その男を見つけ叩きのめしたのだが、男の部下たちの反撃を受け、男にハンマーで右足を砕かれてしまい、その上、警察に捕まってしまう。

 

 

シャオレイとフェイが住んでいる家に警察が家宅捜査に来るが、たまたま外にいたフェイは、捕まってしまったら仕送りも出来ないと思い、警察から逃れる為にシャオレイを見捨てて逃げ出してしまう。

 

それから5年後、違う都市で男娼として暮らすフェイは以前より羽振りが良くなっていた。同郷の幼馴染ロンがフェイと同じように体を売って稼ぎたいと言い出し、フェイの元へと転がりこんでくる。何となく、二人での生活が上手く行き始めた頃、フェイはシャオレイと偶然再会するのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

台湾は、主要都市では既に同性愛などLGBTQの教育も進んでいるようで、性的な個人の趣味に関して大らかになってきているようなのですが、やはりちょっと地方に入ると、昔ながらの男尊女卑が残っていて、30歳までには結婚して子供を作るのが当たり前みたいな風習が残っているようでした。

 

主人公のフェイも地方出身で、都会に出てきて体を売る事で金を手に入れ、それを家族に仕送りしています。地方では仕事が無いので、家族は貧しい暮らしをしているようで、フェイの稼ぎを当てにしていながらも、フェイが同性愛者ということは認めず、恥じていて、早く結婚しろと言ってくるんです。田舎の親族の間では、一族の恥だというような事まで言われており、なんか、心が狭いなぁと思ったけど、地方の小さな世界しか知らないで育ってしまったら、自分の知識が全て正しいと思ってしまうのでしょうね。

 

 

そんな田舎の状況を知りつつも、家族に仕送りを欠かさないフェイ。イイ奴でしょ。なので、どんなに苦しくても、お金を稼がなくちゃいけないと思っていて、悪いお客でも男娼として相手をしてしまうんです。そして、シャオレイの事件が起きてしまいます。

 

うーん、これは、私はフェイの方が正しいと思ったな。男娼という職業で、どうしてもお金を稼ぎたいなら、お客を断る事は出来ないし、暴力を振るわれたら、二度とそのお客に買われないけど、報復をするのは間違っているよね。だって、お金を貰っているんだもん。色々な問題も込みで、沢山のお金を貰うんでしょ。そうでないと、男娼なんて仕事、恐くて出来ないですよね。信用第一だから、もし、酷い怪我などをしたら治療費を追加で貰うなら解るけど、報復はダメでしょ。

 

 

日本でもホステスさんでセクハラだって訴えた人がいるけど、その仕事でお金を貰っているんでしょ。内輪でセクハラだからと文句を言うのは良いけど、訴えたりしたら信用を無くして、二度とその店や、その人の店に行かないよね。だって、そういう事を内部で収めてくれるからこそ、高いお店に行くんでしょ。口の軽いホステスやお店に高いお金なんて払えないでしょ。こういう部分は、台湾の男娼も日本のホステスも同じだと思うんだけど。

 

そんな事があり、フェイはシャオレイと別れて、他の都市で、また男娼を始めます。何処の都市でも、大体、そういう元締めみたいのが居て、その人に繋いで貰っているようでした。だけど、何年もやっていると年を取るので、両親に早く結婚して安心させてと言われ、段々と男娼を辞めて、理解ある女性を探して結婚して子供を作る人が出てきます。

 

 

やはり両親に懇願されると、どうしても抗えずに、自分の意志を曲げるしか無くなるようでした。とても可哀想ですよね。だって、男性が好きなのに、両親に言われて女性と結婚して子供を作るんですよ。辛いと思いませんか?反面、両親が喜んでくれるという安心感はあるのかな。でも、自分の人生なのに、家族の為に犠牲にするなんて、やっぱり間違っているような気がしました。

 

そういう仲間を見ながらも、フェイは、まだ自分は大丈夫と頑張っていて、その上、故郷の幼馴染のロンまでが、男娼をやると言って、一緒に住み始めてしまいます。いつまでこんな事をやっていられるのか。自分はどうなっていくのか、という不安を抱えながら、故郷にも帰れず、家族にも会えず、フェイは悩みながら仕事をしています。そんなある日、5年前に別れたシャオレイに再会します。

 

 

シャオレイは、警察に逮捕され懲役を課せられ、右足は潰されて治っていませんでした。そして、もう新しい生活をしています。そんなシャオレイに再会し、フェイは、昔の気持ちが盛り上がってきながらも、もう、彼と復縁は出来ないだろうと言う思いに胸を潰され、苦しみます。そりゃそうよ。まだ、好きなんだもん。好きなんだろうけど、でも、あれから既に5年も経っているのよ。フェイの5年と、シャオレイの5年は、全く違った時間だったんです。

 

うーん、何とも言えない恋愛の苦しさが描かれていました。ホント、男女の恋愛と同じです。好きな人と一緒にいたいけど、二人が分かれていた時間は、それを許してくれないという、恋愛のじれじれした哀しさを描いていました。凄く辛いけど、きっと、時が癒してくれるんじゃないかな。きっと大丈夫、フェイは大丈夫だと思います。

 

 

とても良い恋愛映画でした。胸が潰されるような辛い想いを感じられる、ボーイズラブの映画でした。R15なので、一応、ベッドシーンなどもあり、濃い恋愛映画だと思います。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。よくあるボーイズラブよりも、ちょっと濃い目の内容で、台湾というお国柄も出ていました。良い映画だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「マネーボーイズ」