「子猫をお願い」2001年の映画ですがリマスターで観ました。凄く良かった。これは素敵な映画です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「子猫をお願い」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

夢想家のテヒ、美貌の野心家ヘジュ、アウトサイダーのジヨン、陽気な双子ピリュとオンジョは、高校時代からの仲良し5人組。卒業後は別々の生活を送っているが、それぞれが将来への漠然とした不安を抱えていた。時々、集まっていた5人だったが、証券会社で働くようになったヘジュと無職のジヨンは互いに反発しあうようになり、仲間の絆を守ろうとするテヒは、家庭では父の無理解に不満を募らせていた。そんな5人を結び付けているのは、ジヨンが拾ってきた1匹の子猫ティティの存在だった。

というお話です。

 

 

商業高校を卒業した仲良し5人組。高校生活を楽しみ、青春を謳歌していた。明るく行動的なテヒ、プライドが高く、証券会社にコネ入社したヘジュ、無職だが絵の上手いジヨン、双子のピリュとオンジョ。

テヒは、卒業後も就職せず、実家のサウナ店を手伝いながら、詩人で身障者のタイプ打ちのボランティアをしていた。


コネで証券会社に入社したヘジュは、高卒である引け目を感じながらも頑張っていた。プライドが高いため、同級生からの連絡があると忙しいを連発し、無職のジヨンをバカにしたような態度を取って、衝突してしまう。


ジヨンは、早くに親を亡くし祖父母と暮らしている。今にも借りている家が壊れそうで大家に直すように直訴しているが、全く取り合ってもらえない。絵が上手く、テキスタイルデザインの勉強がしたいと思っているがお金がない。ある日、ジヨンは1匹の子猫を拾い、ティテイと名付けて育て始めた。


双子のピリュとオンジュは、中国からの移民で、露店でアクセサリーを売るなどしているが、正規の仕事には就いてはいない。

久しぶりに5人で逢う事になるが、ヘジュがソウルで働いているので、ソウルに来いと言い、4人がソウルに行くことに。ヘジュは田舎の暮らしとは違う事をアピールし、とっても鼻につく女になり、ジヨンは腹を立てて先に帰ると言い出す始末。

インチョンへ戻ると、ジヨンの家が倒壊し、祖父母も無くなってしまう。唖然とするジヨンは猫ティティをテヒに預け、葬儀を済ませると、何故か警察に容疑者として捕まってしまう。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、2001年の作品なのですが、「猫たちのアパートメント」の公開を記念して、リマスター版で再上映されていました。以前、観たかなと思いながら行ってみたら、この映画、初めてでした。面白かったぁ。ペ・ドゥナが、まだ若くて、本当にかわいいんです。

 

2001年ですから、今から20年以上前の作品です。その頃の韓国は、ちょっと、まだ昭和の雰囲気が漂う社会情勢のようで、女性の社会進出は始まっていましたが、まだまだ、高卒となると、社会で戦っていくのは難しいようでした。5人の女子が出てきますが、就職出来たのは1人だけ。後は、実家を手伝ったり、アルバイトのような事をしたり、仕事が無いようでした。

 

貧富の差も描かれていて、同じ高校に通っていても、ソウルに部屋を借りて、証券会社に勤めたヘジュという裕福な子もいれば、インチョンという田舎に残り、祖父母の面倒を見ながら、職も無く困っているジヨンのように、生活さえ困窮している子もいて、大変そうでした。この貧富の差については、今も同じなんじゃないかな。私が仕事で関わっている施設で、こども食堂を月に何度かやっているのですが、大変そうな子供って、本当にいるんです。あまり内情を聞く訳にもいかず、見ているだけなのですが心が痛みます。

 

 

自分が暮らしていると、そういう子供を見ることが無いので、全く気がつきませんでしたが、こども食堂などに関わると、日本でも、本当に貧困層という人たちが確実に増えている事が解ります。なんでこんな事になったんでしょうね。

 

話しを戻して、ヘジュは、同級生の前では見栄を張って、自分は証券会社に勤めていて、バリバリ働いているという姿を見せますが、会社では、高卒ということで雑用ばかりやらされて、褒められる事はあっても、昇進することはありません。他の大卒の女性たちは、バリバリと働き、資格を取って、昇進していきます。会社での劣等感を晴らすように、同級生に嫌がらせをするんです。

 

テヒは、実家がサウナ店を大きくやっていて、卒業後は店の手伝いをしながら、ボランティア活動をしています。親は、就職もしなかったんだから、家の手伝いをしろと言いますが、テヒからすれば、家を手伝わなければならないから、自分のやりたい事を諦めたというように見えました。テヒの家は、家族経営なので、後継ぎの息子は大切にされるけど、娘は小間使いくらいにしか思われず、家の仕事をしていても、お給料も貰えず、文句を言われるばかりなんです。テヒは、不満がどんどん溜まり、最後には、ある行動に出ますが、それは映画を観てのお楽しみです。

 

 

ジヨンは、絵が上手く、デザインの才能もありますが、口下手で、コミュ障です。なので、卒業後に働いていた工場で人員整理があり、仕事は出来ても、クビになってしまうんです。生き方が下手なタイプなんですよ。勿体ないなぁと思いました。あれだけの才能があれば、チャンスがあれば成功するだろうと思うのですが、チャンスにもありつけません。こういう人って、いるんだろうなと思いました。ジヨンの話し相手は猫のティティだけ。とっても可愛い猫でした。

 

最後に、ピリュとオンジュですが、彼女たちは中国からの移民のようで、不法移民なのかどうなのか解りませんが、通常の就職などはせずに、露天商としてアクセサリーなどを売っていました。ちょっと胡散臭い感じだけど、それで稼いで、中国に送金しているみたいでした。この二人に関しては、あまり描かれませんでしたが、二人は誰よりも元気で、何があっても負けないぞって感じでした。

 

そんな5人の少女の青春が描かれていて、その時代の韓国の情勢や、社会のしがらみ、自由に生きたいんだけど飛び立てない少女たちの姿が描かれていて、良い映画でした。今でも愛されている映画という意味が解りました。私も、ファンになりましたもん。なんで2001年当時、観なかったのかなぁと考えたら、その頃、建築士の試験で必死だったんじゃないかなぁ。映画を観ている暇なんて無かったんだろうと思います。でも、今観れて良かった。素敵な映画でした。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。でも、既に古い映画なので、今更と言われそうですが、ごめんなさい、私は、今回、初めてだったので、今更、書かせていただきます。本当に面白くて、心にグッとくる映画でした。でも、今の時代だと、ちょっと古い感じかな。社会情勢などは、女性に対して良くなっているし、韓国でも男子じゃなきゃダメということは無くなってきているんじゃないかしら。うーん、ペ・ドゥナさん、可愛かった。ぜひ、観てみてください。アマプラで配信しています。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「子猫をお願い 4Kリマスター版」