「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」
を観てきました。
ストーリーは、
美しく力強い歌声で世界を魅了したアメリカの人気歌手ホイットニー・ヒューストンの半生を描いた伝記映画。
ホイットニー・ホワイト・ヒューストンは、歌手の母親に連れられて、レコード会社の人間の前で歌っていた。その天性の声は、天使の声と評され、直ぐにレコード会社との契約となる。アリスタレコードのクライヴ・デイヴィスは、ホイットニーの声に魅了され、彼女の為に沢山の曲を集め、彼女の好みにあった曲を提供した。
両親がマネージメントについてデビューしたホイットニーは、その声の美しさで、どんどん人気となり、アメリカを代表する歌手となっていく。ホイットニーはロビン・クロフォードと恋愛関係にあったが、その時代に同性愛は良く思われず、キリスト教徒でもあった為、ロビンは親友としてホイットニーを支えることとなる。
スーパーボールでの国家斉唱が決まり、全世界でその歌声が聞かれる事となる。この歌声は、史上最高の国歌斉唱と絶賛される。次の年、映画出演の話しがあり、ケビン・コスナーとの共演という事で、ホイットニーは快く引き受ける。映画は大ヒットとなり、サントラも爆売れし、その主題歌は、彼女最大のヒットとなった。
ある音楽祭でボビー・ブラウンと知り合ったホイットニーは、彼と恋に落ち、結婚することになる。しかし、結婚前に元カノが妊娠したことを告白されたり、結婚後も、浮気が絶えなかった。
以前から、大麻やコカインを使っていたが、夫との問題や父親との金銭問題などがあり、その量は増えて行った。父親による乱雑経営で、金銭的な余裕も無くなり、夫とも離婚。リハビリを受けて、再起をしようと思っていたのだが…。
というお話です。
ホイットニー・ヒューストンの伝記映画です。フィクションも沢山盛り込んでいたとは思いますが、大まかな流れは、本当だと思います。私は、ホイットニー・ヒューストン世代なので、彼女がデビューしたアルバムから買っていました。本当に良い声で、母と二人で、本当に良い声だねーと聞いていて、あのスーパーボールの国歌斉唱の映像を観て、涙が出るほど感動しました。アメリカ国歌って、こんなに素敵だったかしらと思うほど、素晴らしかったです。忘れません。
そんな彼女が、「ボディーガード」でケビン・コスナーと共演するという情報で、随分と盛り上がりました。そして、公開された時は、何度も観に言ったなぁ。まだ、その頃は、私も若かったので、こんな風に守ってくれる人がいたら良いなぁと、何度も憧れたものです。映画の中で、二人のラブシーン前に、スカーフをフワッと投げて、日本刀で二つに切れるところが、あまりにも印象的で忘れません。二人の距離が縮まる場面で、あそこから、お互いに惹かれ合うんですよねぇ。うーん、良かった。音楽も最高でした。サントラを直ぐに購入しましたもん。今でも、iPhoneにサントラを入れています。
この映画を撮影した頃は、彼女の人気が絶頂で、確か、日本にも何度かコンサートに来たんじゃないかしら。観に行ったような、夢だったような、うーん、あまり覚えてないんだけど、観たような気はするんだけど、忘れてしまいました。でもね、今、彼女の声を聞いても、彼女ほどの声を持つ人はいませんよね。本当に凄い声量だし、音域も広いし、とにかく肺活量が多いのか、何センテンスも息継ぎ無しで行くんですよ。あれは、凄いと思いました。
そんなホイットニーが、眩しいほど輝いている裏で、随分と苦しんでいた姿が、映画では描かれていました。若い頃から、プレッシャーやストレスで、コカインなどを少しづつやっていたようですね。それが、人気絶頂になるにつれ、酷くなり、ボビー・ブラウンと結婚する頃には、酷い状態だったようです。夫婦でコカインをやっているんですから、どうしようもないです。
それに、ボビー・ブラウンは誠実とは言い難い男性で、ホイットニーにプロポーズをした時に、元カノの妊娠が発覚するなど、まぁ、酷い男のようでした。結婚したら落ち着くかと思ったのですが、ホイットニーがツアーに出かける度に浮気を繰り返していたようで、そりゃ、上手く行きませんよ。
このボビーと付き合う前、ホイットニーは親友のロビン・クロフォードと仲が良く、今では問題になりませんが、バイセクシャルだったんじゃないかな。昔は同性愛を公表など出来なかったし、噂になったら人気が落ちてしまうので、両親が二人で一緒にいるんじゃないと注意したり、男と付き合っている写真を撮らせろとか、隠ぺいに動いていました。ホイットニーは立場が悪くなると思い、ロビンと別れて親友になろうと提案し、ボビーと付き合うようになったんです。現代だったら、ロビンと公に付き合って、コカインで亡くなるような事も無かったかもしれません。
ボビーとの結婚は、彼女を追い詰めることとなり、その上、ホイットニーの父親が、彼女が稼いだお金を私用にどんどん使ってしまい、ほとんど残金が無いと言うほどになってしまいます。彼女は、父親を信用していたので、しっかりした経営をしていると思っていたのですが、全くそれが出来ていなかったようでした。そこからは、自分でお金の事も管理するようになり、ストレスが倍増したのだと思います。コカインの量も増えて、周りもそれを止められなかったんじゃないかな。だって、みんなホイットニーにぶら下がって、お金を貰っていた人ばかりだったんだから。
そんな彼女の苦しみが、よく描かれていました。本当に誰か助けてあげて欲しいと思ったけど、誰も現れませんでしたね。もっと母親が娘を助けるかと思ったんだけど、母親も歌手で、ホイットニーほどは売れていなかったようなので、彼女の気持ちを解かってあげられなかったんじゃないかな。あの素晴らしい声を、二度と聞けなくなったというのは、本当に悲しい事です。
映画としては、ちょっと物足りない感じがしたかな。ボヘミアン・ラプソディほどは、感動出来ませんでした。何故なら、ホイットニーを演じているナオミ・アッキーさんが、あまり似ていないんです。それに、ホイットニーは、本当に美しかったので、それと比較すると、どうしても劣って見えてしまい、ホイットニーじゃないんです。クライヴ・デイヴィス役のスタンリー・リッチは、とっても似ていたし、カッコ良かったんですけど、それ以外が、ちょっと残念でした。もう少し、美しい人をホイットニーにキャスティングして欲しかったな。
内容も、一番売れている頃の彼女を印象的に派手に描いて、その後、衰退していく彼女の姿を、もう少し丁寧に描いてくれた方が、解りやすかったかな。映画を観ていると、あっという間にコカインで亡くなったような印象なんだけど、それまで、何年もコカイン中毒で苦しんでいたので、そこももう少し描いてくれないと、映画として盛り上がりに欠けるんです。ボヘミアン・ラプソディの脚本を書いた方が脚本を担当しているらしいのですが、あまり今回は、良くなかったんじゃないかな。ドラッグなどの描写をしないでくれとかの指摘があったのかしら。残念です。
でも、歌自体はホイットニーの声を使っているようで、歌を聞いているだけで、涙が出てきてしまいました。彼女の声は、本当に感動しちゃうんです。何でこんなに美しい声なんだろう。柔らかく伸びやかな、美しい、天から降りて来るような声で、それだけで涙が出てくるんですよねぇ。返す返すも、なんで亡くなってしまったのかしら。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。内容は、ちょっとだけど、やはりホイットニーが歌っているように撮影しているし、顔は違うけど、その姿で、その歌を歌われると、感動してしまいます。今でも、彼女の歌声を超える人はいないのではないかと思います。そんな彼女の自伝的映画を、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」