「ホワイト・ノイズ」
を観てきました。映画館で観ました。
ストーリーは、
化学物質の流出事故に見舞われ、死を恐れるあまり錯乱してしまった大学教授が、家族とともに命を守るため逃走する。現代アメリカに生きる家族が死を身近に感じる環境に置かれたことで、愛や幸福といった普遍的な問題に向き合っていく姿を描く。
というお話です。
1984年。ジャック・グラドニーは、人気の大学教授でヒトラー研究をしています。しかしドイツ語が話せず、それがコンプレックスとなっており、こっそりとドイツ語を習いに通っています。
ジャックは、4番目の妻・バベットと、お互いの連れ子4人の子供と暮らしています。ある日、バベットの連れ子のデニスは、バベットが見知らぬ薬をこっそり飲んでいることに気が付きます。ジャックに相談し、ジャックがバベットに薬について尋ねますが、知らないと言われてしまいます。デニスがこっそりと手に入れた薬を大学の医学研究室に持ち込んで聞いてみますが、市場に出ている薬ではないと言われます。バベットは、一体、何の薬を飲んでいるのか。
一方、ジャックが住んでいる地域で、大きな化学廃棄物を積んだトレーラーと列車の衝突事故が起き、化学廃棄物が気化して空気中に拡散してしまいます。人体に影響があるというニュースが流れ、地域で避難するようにとの放送が流れ、ジャックと家族も、車で避難所に向かって逃げ出します。途中、ジャックだけ化学物質を含んだ雨を浴びてしまい、避難所で命の危険があるかもしれないという宣告を受けてしまいます。
結局、化学廃棄物の問題は暫くして去り、平穏な日常が戻りますが、ジャックには、命の危険があると告知された事が残ります。医者に、ハッキリとどれくらいで死ぬと言われた訳では無いし、どんな影響が出ると判っている訳でも無いのですが、ジャックには、ただ、死の不安が付きまとうことになります。
そんな時に、バベットが飲んでいた薬が、死の不安を解消するモノだということが解り、その入手方法を聞いて、ジャックは激怒しますが…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、ベネチア国際映画祭やゴールデングローブ賞に出た作品なので、大画面で観た方が良いかなと思い、ネトフリで配信前に、映画館で観たんです。迫力はありましたが、イマイチ、大画面で観る必要は無かったかなと、ちょっと思ってしまいました。正月に、家でゆっくり観るのでも良かったみたいです。
人間が、集団心理でパニック状態になり、ヒステリックに騒いで、不安が広がってしまうということを描いていて、今回のコロナ禍での騒ぎを遠回しに描いているのかなと思いました。騒ぎすぎて、不安を煽り、ヒトラーに支持してしまった人々が、ナチスドイツとして残酷な事を引き起こした恐怖も描いており、人間の心の奥にある問題を、訴えていたのだと思いました。
でもね、コロナは、やっぱり危ない病気ではあるので気をつけた方が良いし、パニックになる必要はないけど、人と接する時は、飛沫が飛ばないように気をつけた方が迷惑をかけないかなと思います。思うんだけど、マスクするようになってから、綺麗な人が増えた気がするのよね。目元だけだと整っている人が多いけど、口元がだらし無いとか上部とのバランスが悪いということで、イケメンや美人とは認識されない人が多かったんじゃないかな。街中がスキー場効果状態なのかななんて、笑っていた私でした。
話を戻して、そんなパニックを経験したジャックが、死の不安に取り憑かれて、不安を無くしたいと思ったら、妻のバベットが、既に死の不安を克服するための薬を飲んでいたというお話でした。ま、この死の不安を取り除くという薬が、詐欺紛いで怪しいんだけどね。この薬を扱っている男も、絶対に嘘つきだと思ったけどね。
内容が、真面目な事を描きながらも、コメディなので、笑って観れるお話なんですけど、話がバラバラしていて、何となくしっくりこない感じが残るんです。まぁ、これが良いと言われれば、まぁ、そんな映画ではあるんだけど、出来れば、もう少し、スッキリまとまってくれていると、観た後の爽快感が違うんだけどなと思いました。
最初に、ヒトラーをジャックが研究していて、彼の演説が、人々の不安を煽って、ナチスドイツの団結を固めていったということが語られているんです。その後に、今度はウィルスではないけど、毒的なモノが撒かれたということで不安が煽られて、死の恐怖が人々を襲い、人間同士が歪みあってしまうという姿が描かれます。
こういう時って、周りに同調した方が良いのか、それとも自分の考えで動いた方が良いのか、悩みますよね。ジャックも、最初に悩むのですが、やっぱりみんなが逃げていれば同じように逃げるんです。色々な情報があればあるほど、迷っちゃうけど、自分が決めた事は、後悔しないようにしたいなって思っています。
もう、ネトフリで配信されているので、観ていただければわかると思いますが、え?何?という感じが残ります。でも、内容は面白いので、観て、笑って楽しんでほしいな。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。すっごい面白いというような作品ではないけど、観るべきかなと思う作品でした。アダム・ドライバーも、ちょっとボケてて笑えますよ。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「ホワイト・ノイズ」