「かがみの孤城」
を観てきました。TOHOシネマズさんの試写会に当選しました。
ストーリーは、
中学生の”こころ”は学校に居場所をなくし、部屋に引き籠っていた。そんなある日、部屋の鏡が突如として光を放ち始め、鏡の中に吸い込まれるように入ると、そこにはおとぎ話に出てくる城のような建物と、6人の見知らぬ中学生がいた。そこへ狼のお面をかぶった少女「オオカミさま」が姿を現し、ここにいる7人は選ばれた存在であること、そして城のどこかに秘密の鍵が1つだけ隠されており、見つけた者はどんな願いでもかなえてもらえると話す。
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。学校で嫌な事があり、行きたいと思っても、登校出来なくなってしまったのだった。ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が待っていた。
「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。その城に来るのは、朝9時から夕方5時まで。1人でも5時を過ぎて城に居てしまったら、連帯責任で全員がオオカミに食べられてしまう。必ず5時までには帰るようにとの注意があった。
オオカミさまの説明を聞いても、よく理解が出来ない集められた者たちだが、とりあえず、そこで知り合った7人は自己紹介を始める。中一のこころ、中三のアキ、中一のリオン、中二のフウカ、中三のスバル、中二のマサムネ、中一のウレシノ、の7人。みな、中学生という事は解った。
誰もが戸惑いつつも家に帰る。こころは、夢のような出来事を受け容れられず、その後、鏡へ入るのを躊躇っていたが、ある日、鏡の中へ入ってみると、他の6人は城に通ってきているらしく、そこでの暮らし方を模索していた。それぞれ個人の部屋も用意してあり、そこで勉強も出来る。
しばらく通い始めると、みな、学校へは行っていないのかも知れないと思うようになる。段々と、心を通わせ始め、互いの抱える事情が少しづつ明らかになっていく。
1年という時間を与えられ、城で昼の生活をするようになった7人は、それぞれの生活の形を作り、その場が特別な場所に変わり始める。もうすぐ1年となり、鍵も見つからず、ここでの生活も終わるのかと考え始めた時、ある出来事が彼らを襲う。鍵を見つけて、誰かの願い事を叶えるのか、それとも…。後は、映画を観てくださいね。
辻村深月先生の原作をアニメ化した作品です。辻村先生と言えば、つい少し前に「ハケンアニメ!」で盛り上がりましたよね。今回も、良いお話でした。今回は、アニメですけどね。
私は、原作を読まずに観に行きました。内容としては、結構、シビアな内容でしたね。学校に行けなくなった主人公のこころ。学校に行けないということで、まぁ、想像はつくと思いますが、虐めが絡んでいます。どんな場所にも虐めってありますよね。それを跳ね返せる子供と、そうでない子供がいるし、今どきの子供は悪知恵が働くので、大人が見ていない所で陰険な虐めをするでしょ。見つかっても、言い訳を最初から考えているから、全く反省する素振りが無いんですよ。ほっんと、悪魔のようで、イラつきますが、親もそうだから困っちゃいますよね。
自分の学生時代を思い返すんだけど、ここまで陰険な虐めって無かったような気がするんだよなぁ。私が気が付かなかっただけかもしれないけど。ハブにするとかはクラスでもあったけど、全員で無視するとか、一人だけを標的にするとかは無かったような気がするんです。それぞれに、虐めたり喧嘩したりはあったよね。私も、随分と喧嘩はしました。気に入らなければ、気に入らないと言わなくっちゃ。それで喧嘩になるならいいじゃないですか。何で遠慮するのかな。私、中学時代は、まだ、アスペルガー気質が強かったから、周りなんて気になって無かったのかもしれません。
この城に集められた中学生たちは、それぞれに虐めなどの悩みがあって、誰にも相談が出来なかったんです。引き籠ったり、学校に行かずにふらふらしたり、タイプは色々なんだけど、辛い時間を過ごしていたんです。そんな中で、一人だけ、ハワイ留学しているリオンという男子がいます。彼だけは、何故か、虐めや他の事で学校に行けないということは無いんですけど、彼だけ、別の悩みというか苦しみを心に抱いています。それは、最後の最後まで解らないんだけど、それも感動でした。
主人公のこころは虐めが原因ですが、近所に仲の良いクラスメイトがいて、その子が、ずっと学校のプリントなどを届けてくれています。そこら辺が救いだなと思いました。それに、学校に行けない子供が通う”教室”のようなものがあり、そこの喜多嶋先生が、いつもこころの味方になってくれます。喜多嶋先生だけは、誰にも言えないこころの気持ちを理解してくれて、一緒に戦ってくれる人でした。こういう先生が必要ですよねぇ。
ホント、学校の先生って酷いもん。学校でも酷いけど、観ていると、日常生活も酷い方が多いですよね。知り合いの近所に夫婦で教師の御宅があって、狭い道路でも平気で路駐しているんです。ゴミも分別せず、時間も適当。町内会の集まりにも、忙しいと言って出てこない。先生が全員ではないと思うけど、常識が無い人が多い気がします。最近の幼稚園の先生もそうですよね。人の上に立つのなら、その分、気を使って、周りを見るべきなのに、全くそういう気持ちを持ってないですよね。
私は学生の頃、教師はハズレばかりだったので、随分と嫌な思いをしました。もちろん、教師の方もムカつく生徒だと思っていただろうけど。そんな訳で、見返してやろうと思って、教師の免許も取ったんです。私でも免許が取れるんだから、あんた達なんて、大したことないんだって言ってやれるでしょ。
話を映画に戻して、7人ともそれぞれに問題を抱えているんだけど、話しをしていると、どこか交わっている部分と、少しづつズレている部分が出てきて、何が、この7人を繋げているのかが解かってくるんです。最終的なことは、最後の最後まで解りませんが、途中から、段々と繋がりが見えてきます。この映画の面白いところは、繋がったと思ったら違ったり、違うと思ったけど繋がっていたり、その逆転が面白いんですよ。よくあるSF小説のように、時空がとか、面倒な事は無くて、素直に考えれば、ちゃんと理解が出来るようになっているんです。その辺りは、辻村先生が上手いんだよなぁと思いました。
アニメなので絵が問題ですが、うーん、少し崩れる部分がありました。なんたって、エヴァンゲリオンや、最近だとチェンソーマンや鬼滅など、上手いスタジオが増えて、本当に崩れないし、美しい映像を見せられてしまっているので、どうしてもバランスがおかしかったりすると、違和感を感じてしまうんです。「あの花」のスタジオが制作だそうなので、絵は上手いハズなんですけど、ちょっと、オオカミさまの足の部分だったり、時々こころたちの動きがおかしくて、残念でした。
監督は、原恵一監督なので、映画自体は良かったです。”クレしんオトナ帝国”や”河童のクゥ”を送り出した監督なので、迫力はあったし、ラストに向かって盛り上げていく感じは、素晴らしいと思いました。段々と共感出来て、感動して、涙がじわ~とくるという感じです。良かったです。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は気に入りました。ストーリーが良いのは、辻村先生の作品なので解っているとは思いますが、それが映像になり、動いて、迫力が増していました。最初は、何が起こっているのか、全く解らずに、主人公と一緒に???という感じなのですが、それが一つづつ解明していき、最後に解った時には、感動がどーっ!と来ました。子供も大人も楽しめる作品だと思います。ぜひ、観に行ってみてください
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「かがみの孤城」