「戦場記者」このドキュメンタリー映画は必見です。凄い映画でした。戦場記者の見方が変わります。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「戦場記者」

 

を試写会で観せていただきました。

 

ドキュメンタリー映画なので内容は、

情報が氾濫する社会で、日々のニュースの波に押し流され埋もれていく真実。TBSテレビ特派員にして、今やYouTubeでも注目を集める“戦場記者”須賀川拓。戦争の被害者は一体誰なのか。



 

須賀川が抜群の行動力と分析力でガザ、ウクライナ、アフガニスタン、世界の戦地を徹底的に歩き、人々を見つめ、浮かび上がらせる戦地のリアルは、私たちに戦争の残酷な現実を突きつける。激動と混沌の時代に生きる私たちが今観るべきドキュメンタリー映画が誕生した。

「戦争に白黒はない」と、常に反対側からの視線も忘れない須賀川。彼は時間の制限ゆえに戦争の現実をごく一部しか報じられないテレビ報道の枠を超え、YouTubeやSNSも駆使して戦地の肌感覚とニュースの向こうに広がる光景や真実を危険エリアから撮影クルーと共に日本の視聴者に届けてくる。

パレスチナでは、イスラエルによって閉ざされた人口200万の街、ガザに入り、4人の子供と妻を空爆で失った男性の静かな慟哭を聞く。一方のイスラエルでは、ガザから無差別に放たれるロケット弾と迎撃ミサイルが空を行き交う異様な光景を伝えた上で、それぞれの当局者に攻撃の正当性を問い質す。



 

アフガニスタンでは、タリバン支配で女性の人権が抑圧される実態のほか、深刻化する貧困と蔓延するドラッグが作り出した「橋の下の地獄」に足を踏み入れる。

戦争が続くウクライナではクラスター爆弾が降り注ぐ街の住民や、ロシア軍の占拠で放射能汚染のリスクが激増したチョルノービリ原発の職員に現地取材、ロシアのプーチン大統領が「ネオナチからの解放作戦」と主張する“軍事作戦”が、紛れもない侵略・破壊行為であることを示す。

本作は、普段我々が触れる国際ニュースだけでは知りえない、圧倒的なリアル、真実を映し出す。 という内容です。

 

(この建物がチェルノブイリ原発でこの位置でも放射能汚染がほとんど無いようです。福島もこんな石棺にすれば大丈夫なのかな。)

 

私、この映画を観るまで、須賀川さんというTBSの特派員の方を知りませんでした。観た後、ネットで探したら、YouTubeでも沢山の映像を出してらっしゃるんですね。驚きました。直ぐに登録しちゃった。この映画を観れて、本当に良かったです。TVニュースだと、ちょっとしか流れないから、本当の緊張感が解らないですもん。今までもYouTubeで公開してくださっていたんですね。あまり観ないので知りませんでした。これからは観ます。

 

須賀川さんが取材したパレスチナ、イスラエル、アフガニスタン、ウクライナなどなど、色々な場所の映像が、今回の映画には含まれていました。この方が凄いと思ったのは、ちゃんとパレスチナの人々の言い分を聞いたら、次は、イスラエル側の人の言い分も聞いている事です。これって、一方の言い分だけを聞いていると、何が正しいのか解りませんが、両方を聞いて、突き合わせていくと、どこかで食い違って、どちらかが間違った事を言っているということが解かってくるんです。取材では、必ずこれが必要なのに、ほとんどのニュースでは、一方の言い分しか流していないので、本当のところが解らない。そこが問題なんです。

 

 

この方の取材は、そこが徹底していて、素晴らしいと思いました。それに、須賀川さんって、見た目がとても温和そうに見えるんです。これ、記者には大切な事だと思います。相手に警戒心を持たせないことが一番大切なのに、ツンとした人間だったり、カッコつけていたりする人間が行ったのでは、話しが聞けませんよね。上手いなぁ~と思っちゃいました。相手も、日本人でちょっとぷっくりした温和そうな人物なら、突然に撃ってきたりすることは無いだろうと思うのだと思います。

 

とても考えさせられました。アフガニスタンは、現在、タリバンが支配していますが、タリバンは女性を酷く差別していると問題になって、支援が止まっているようなんです。でも、タリバンの上の方の人に話を聞くと、女性を雇用しているし、出来るだけのことはしているというんです。タリバンは、女性の問題よりも、貧困の問題の方が大きくて、そちらを何とかしないと、女性の事なんてやってられないんじゃないかな。

 

 

汚い河の周りに、昔で言う”アヘン窟”のような場所が出来ていて、働く場所も無く、お金も無い人が、そこに集まって住んでいて、ずっと麻薬などを吸っているんです。映像も出てくるのですが、沢山の人が横たわっていて、誰が死んでいるのか生きているのかも解らない状態でした。子供もその周りにいたりして、本当に酷かった。

 

確かにタリバンは女性に対して”顔を隠せ”とか”勉強をするな”とか、色々な制約を付けたのはムカつくけど、もう国自体が崩壊寸前なのに、お金がないから何も出来ないというのは、何とかしてあげる必要があるんじゃないかと思いました。そこら辺の道端で、麻薬吸って人が死んでいるなんて、普通じゃないでしょ。タリバン政府が、国を救うために、何か声明を出さないと、このままでは大変だと思いました。

 

 

パレスチナとイスラエルの問題も、あっちが撃つからこっちも撃ち返すという、どこまでも終わらないことをやっていて、お互いに悪いテロリストだけを狙っていると言いながら、民間人を殺してるんですよね。どっちもどっちで、普通の住民の人たちは、適当に上手く交流をしているのに、どちらかが、自分の政治的な問題から仕掛けているらしいんです。酷いでしょ。須賀川さんのレポートだと、両政府の話しを聞きながら、ちゃんと住民の話しも聞いて、誰が悪いのかということを突き止めて報道してくれているんです。これも大切な事ですよね。一番知りたいことを取材してくれているのが、素晴らしいと思いました。

 

ウクライナのチェルノブイリでのレポートも凄かったです。あまり詳しくは書けないけど、この方のレポートには、頭が下がりました。でね、一番良いと思ったのは、砲撃が聞こえるからと言って、そこに向かっていく戦場カメラマンとかっているでしょ。須賀川さんは、ちゃんと逃げてシェルターに入るんです。これが普通よね。わざわざ、危ない所に近づいて行くカメラマンは、やっぱり信用出来ないと思いました。

 

 

私、ずっと、戦場カメラマンって、お金欲しさに戦場に行って、ピューリッツァー賞とかを貰うために写真を撮っているんじゃないかと思っていたんです。だって、目の前で撃たれたりする人を平気でカメラで撮っているんでしょ。人間なら、シャッターを押すよりも助けようとししてしまいそうだけど、そうじゃないというところが、人間を被写体の1つにしか見ておらず、命がある生物として捉えてないんじゃないかと思っていたんです。

 

この須賀川さんは、自分の命も大切にするし、ロンドン支局に戻ってきたりすると、凄く悩んでいる姿も映っていたんです。色々な戦地のレポートをしているけど、ニュースではちょっとしか流れないし、目の前で人が死んでいるのに、それを撮影してお金を稼いでいて、何も出来ない自分は何なんだって悩んでいるんです。それを聞いた時、あ、ちゃんと記者の人も人間なんだなって思いました。凄く失礼な言い方かもしれないけど、何も考えていないのかと思っていました。心がある人が撮影やレポートしてくださっていると知って、安心したし、現地を取材してくださって、ありがたいなと思いました。

 

 

だって、取材してくださらなかったら、私たちなんて、何も知らないままですもん。タリバンは悪い奴らだとしか知らなかったし、パレスチナとイスラエルは何でそんなに仲が悪いんだろうと不思議だったし、ウクライナのチェルノブイリはどうなっているのか心配だったし、知らない事ばかりなんです。少しでもニュースで知ることが出来れば、支援するべきだとか、あちらから逃げてくる人たちを助けてあげたいとか、日本に居ても、少しは考えてあげられるのではないかと思うんです。

 

須賀川さんのような記者の方がいらっしゃるから、安全な場所で色々な事を知ることが出来るし、誰かを助けるために何かが出来るのかもしれない。自分の国では、同じことを起こさないように準備をしなければいけないし、もっと政治にも目を向けなきゃいけないと考えたりもするようになります。うーん、凄く考えさせられました。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。久しぶりに見ごたえのある、本格的なドキュメンタリー映画で、もちろん編集はしてあるだろうけど、目の前で起こっている事は紛れもない事実だということが解かって、凄いと思いました。須賀川さんのような方に、これからも頑張って欲しいです。YouTubeも観るようにします。ぜひ、この映画、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「戦場記者」