「愛する人に伝える言葉」
を観てきました。
ストーリーは、
人生半ばにして膵臓ガンを患ったバンジャマンは、母クリスタルとともに、名医として知られるドクター・エデのもとを訪れる。ステージ4の膵臓ガンは治せないと告げられ自暴自棄になるバンジャマンに対し、エデは病状を緩和する化学療法を提案。エデの助けを借りながら、クリスタルはできる限り気丈に息子の最期を見守ることを決意する。
というお話です。
バンジャマンは元俳優で、現在は芸術科を目指す学生の演技指導を教える講師をしている。身体の調子が悪く検査を受けると、膵臓がんだと診断されてしまう。既にステージ4との診断を受け、治療法を探す為にいくつかの病院を周り、母のクリスタルとともに、業界でも名医として知られるドクター・エデを訪れたのだった。
彼に一縷の希望を託す母子だったが、エデのステージ4の膵臓がんは治せないと率直に告げる。ショックのあまり自暴自棄になるバンジャマンにエデは、「命が絶える時が道の終わりですが、それまでの道のりが大事です」と語り、病状の緩和による生活の質を維持するために化学療法を提案し、「一緒に進みましょう」と励ます。
母親のクリスタルは、息子が「不当な病」になったのは、自分のせいではないかという罪悪感に駆られる。彼女は、バンジャマンが若い頃に、当時の彼女とのあいだに子供を作ったとき、息子の将来を思うあまり、彼らの仲を引き裂いた過去があり、そうした心労を与えたことが病に繋がったのではないかと悩む。
だが、ドクター・エデの助けを借りて、クリスタルは息子の最期を出来る限り気丈に見守ることを心に決め、息子のために出来るだけのことをしようと決意する。そして、息子と別れさせた女性に連絡を取り…。
一方、バンジャマンは、自分の身体が次第に弱っていくのを感じ、後悔している子供の事など、自分が出来ることをやろうと、弁護士を読んだり、少しづつ動き始める。自分が演技を教えていた生徒たちへもメッセージを送り、それぞれが精一杯、試験に臨めるようにと激励する。
そして病魔はバンジャマンの身体を蝕み、刻一刻と最後の時間を刻んでいくのだった。後は、映画を観てくださいね。
良い映画でした。闘病モノだし、ちょっと観るのは嫌かなと思いながらも、カトリーヌ・ドヌーヴとブノワ・マジメルの共演と聞き、やっぱり観ることにしました。膵臓がんの末期患者が、穏やかに終活を迎えていくには、どうしたら良いのかという事を描いていて、考えさせられました。
病気って、いつ何時、自分にもやってくるか解りませんよね。健康だと言われていても、ある日、突然に病気ですと診断されることもあり、それは、もう、”運”と言うしかないと思います。だって、食生活や酒・たばこと言われたりするけど、同じようにやっていても、なる人とならない人がいる訳でしょ。そんなの運ですよね。たまたまだと思うんです。
そして、もし、自分に病気が周ってきてしまったら、それは、もう、必死で対処するしかありません。出来るだけの治療をして、もし、どうしても治らないと言われたら、残りの時間をどう過ごすのか、自分で考えなければね。たとえ病気にならなくても、年を取れば命は尽きるし、誰もが、死を受けいれなければならない時が来るんですから、仕方ないです。
膵臓ガンの末期で、死が直ぐそこまで来てしまっていると宣告されたバンジャマン。彼の性格からいくと、体調が悪いとは感じていたけど、その内に病院に行こうと思いながら、時間が経っちゃったんじゃないかな。人のいう事を聞かなさそうですもん。そして、本当に酷くなって病院に行ってみたら、既にステージ4ですと言われ、大騒ぎをするという、ありがちなタイプかな。やっぱり、体調が悪いと思ったら、早めに病院に行くべきです。私、これは自分に言っている感じです。私も、結構、我慢してしまうタイプなので、本当にいけないと思っているんです。気になったら、直ぐに病院に行かなければね。気を付けたいと思います。
そんなバンジャマン、39歳と言っていましたが、ブノワ・マジメルだと、ちょっと年を取り過ぎているかな。20歳の頃に恋人との間に子供が出来て、母親のクリスタルが怒って二人を別れさせたという過去があります。このクリスタル、どんな過去があるかは、あまり描かれませんでしたが、バンジャマンが”男に貢がせた”というような事を言う場面があったので、その美しさで色々な男性と付き合って、貢いで貰っていたのかなと思います。
息子を溺愛していて、39歳になっても、息子にべったりくっ付いて、病院を周り、世話をするという、過保護な面が見えました。でもね、息子を愛して、心配してという気持ちはとても良く解るんです。どんなに年を取っても、息子は息子ですもんね。誰が何といおうと、関係無いんだと思いました。
バンジャマンは、そんな母親をちょっとウザいと思いながらも、やっぱり頼っているんです。大切なお母さんですからね。でも、自分の方が病気になってしまい、母親に見送られる方になったことは無念だと思います。出来れば、母親を見送ってから、自分が死ぬ方が、順番として良いでしょ。
病気になるって、身体も苦しいけど、周りの人を悲しませるという辛さもありますよね。本当に申し訳ないという気持ちがあって、それも辛いと思うんです。この映画では、そういう気持ちの負担を出来るだけ緩和させるために、このドクター・エデという先生や、病院スタッフが付き添って、本人もご家族も、癒して行くという事が描かれていて、こういう医療があることは良いことだなと思いました。どんなに医学技術が向上したとしても、治せない病気ってあると思うんです。そんな人たちを助ける病院も必要ですよね。
日本にも、もし、こんな医療機関が出来たなら、流行ると思うんだけどな。ただただ、ベッドに縛り付けておくだけじゃなく、心のケアをすることが、大切だと考えてくれる病院があったら、私なら入りたいし、家族を入れたいと思うと思います。但し、医療費は高くなるかもしれませんけどね。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。こんな病院があったら、きっと終末期医療も向上するんじゃないかな。ドクター・エデは素晴らしい医者でした。映画が現実になってくれると良いなと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「愛する人に伝える言葉」