「ぼくらのよあけ」
を試写会で観てきました。
TOHOシネマズさんの試写会に当選しました。
ストーリーは、
西暦2049年の夏。阿佐ヶ谷団地に住む小学4年生の沢渡悠真は、もうすぐ地球に大接近するという彗星に夢中になっていた。そんなある日、沢渡家の人工知能搭載型家庭用ロボット・ナナコがハッキングされてしまう。犯人は「二月の黎明号」と名乗る未知の存在で、宇宙から1万2000年の歳月をかけて2022年に地球にたどり着いたもののトラブルで故障し、阿佐ヶ谷団地の一棟に擬態して休眠していたのだという。二月の黎明号から宇宙に帰るのを手伝って欲しいと頼まれた悠真たちは、極秘ミッションに乗り出す。
というお話です。
西暦2049年、夏。
阿佐ヶ谷団地に住んでいる小学4年生の沢渡悠真は、間もなく地球に大接近するという"SHⅢ・アールヴィル彗星"に夢中になっていた。しかし、オートボットのナナコに母親の言うとおりに生活をするようにと注意され、自分を監視するようについてくるナナコを迷惑がっていた。両親は、教育用に良かれと思ってオートボットを購入し、悠真も最初はとても嬉しがっていたのだが、最近は遠ざけるような態度をとっていた。
ある日、悠真は、友達の慎吾と銀之助とゲームをして遊んでいると、ナナコが呼びに来る。直ぐに家に帰れというのだった。反発する悠真だったが、そんな時、突然にナナコのシステムが落ちてしまう。驚く悠真だったが、直ぐに回復した為に安心するが、再度、システムが落ち、ナナコとは違う声がし始める。そして、勝手に立ち入り禁止の団地に入り込み、屋上まで上がって行ってしまう。
悠真は、直ぐにナナコを追い、危ないと言われている団地の屋上に上がると、ナナコは悠真の方を向き、「二月の黎明号」と名乗る。どうもナナコは、その黎明号にハッキングされたらしい。宇宙から来たその存在は、2022年に地球に降下した際、大気圏突入時のトラブルで故障。悠真たちが住む団地の1棟に擬態して休眠していたという。
二月の黎明号は悠真たちに、宇宙に帰るのを手伝って欲しいと頼んでくる。宇宙に興味のある悠真は喜んで協力を約束するが、慎吾と銀之助は不安な顔をしている。宇宙船を宇宙に返すなんて、子供に出来るのだろうかと不安なのだ。
すると、コアが一つ足りないから、それを探して欲しいと言われ、それを手にした人物と意識を繋げると、近くに住んでいる花香が持っている事が解る。こういう事なら協力が出来ると、3人は、花香と逢うことを約束する。一体、どうやって宇宙船を宇宙にかえすのか。その夏、子どもたちの極秘ミッションが始まった。 後は、映画を観てくださいね。
この映画、TOHOシネマズの試写会が当たり、観に行ってきたのですが、内容は面白いと思いました。でもね、本当に残念だったのが、主役の悠真の声が、全く合わないんです。悠真の声を杉咲花さんが演じているのですが、決して下手なのではなく、声が根本的に合わないんです。
だって、小学生の男の子なのに、女性の声なんですもん。通常、小学生の男の子というと、女性の声優さんが当てていますが、それは声変わりしておらず、高い声の女性の方が合っていると思われるからです。でも、声優さんは、そのままの声ではなく、ちゃんと男の子の声に変えているので、違和感が無いんです。でも、女性の声をそのまま当てたのでは、どうしても違和感があります。これはキャスティングミスだなと思いました。なんで声優さんでやらなかったんだろう。不思議でした。
既に、声でダメだったので、内容が良くても、あまり話にのめり込めませんでした。でも、楽しい事は楽しかったですよ。団地に擬態している宇宙船っていう設定が、面白いなと思いました。でも、何故、今、団地なんですかね。
団地が建設されたのは、昭和のオリンピック時前後が多いんじゃないかな。だから、既に、団地は建設時から50年は経っているので、老朽化が進み、そのままでは置いておけないし、リフォームするにしても、内部の大きさが今の生活に合っていないので、取り壊すしかないのだと思います。
敷地は広く取っているので、上手く建替えれば、倍の部屋数に出来るのではないかと思われますが、建築コストが上がっているので、簡単には進まないのかな。はっきり言って、決して良い設計ではないので、どんどん壊してしまえば良いのにと思っていましたが、昭和ノスタルジーをありがたがる方々に使われているのかしら。私のような人間からすると、歴史ある素晴らしい建物ならまだしも、団地は無用の長物にしか見えません。でも、俗に言う、低所得者用住宅なので、建て替えをすると、そこに住んでいた方々の行き場が無くなるのではないかと、そちらが心配です。行政がちゃんとしてあげているのかな。
そんな団地が舞台になり、宇宙と繋げる手伝いをするのですが、主人公の悠真が、あまりにもいう事を聞かないので、凄くイライラするんです。こんなにも親のいう事を無視し、社会のルールも無視するのか、どういう育て方をしているんだと言いたくなりました。ま、ナナコ=黎明号の手助けをしたいという気持ちも解ります。でも、小学4年ですよ。子供だけで立ち入り禁止区域で遊ばれたら危ないし、解体が決まっている建物に小細工をされると困るんです。解体現場の水道管を開けたりして、終わったら、全部閉めたのかしら。工事をする人の事を考えると、もう、心配でたまりません。
そんな子供たちが走り回り、協力して、宇宙船を帰そうとするのですが、実は、その昔、同じように宇宙船に力を貸そうとしていた子供たちがいたことも描かれたりして、時代の継承や、家族の愛情なども描かれて、その辺りは、結構、楽しめました。
欲を言えば、もう少し、悠真の性格が良ければもっと良かったのと、ナナコのデザインが、何とかならなかったのかなと思います。技術の進歩で、各家庭にAI搭載ロボットがいるようになったのなら、もう少し可愛げのある顔や身体にならなかったのかな。それに、いつも浮いているとなると、それだけの推進力を常時使っていることになるから、そのエネルギーが無駄な気がしました。まだ団地が残っている時代に、それだけの無駄なエネルギーを使うって、地球の為にならないっしょ。アニメだから、そこまで考えなくてもと思うけど、ちょっと気になりました。
あとね、1点だけ、少しネタバレになりますが、黎明号のシステムは、水に意識的なモノを持たせて、自由に動かせるんです。それなのに、最後の最後で、そのシステムを使わずに、アナログで子供たちに水を動かさせるというのが、意味不明でした。わざわざ、そんな風に水を伝えなくても、意識を持たせられるなら、それで、水を繋げば良かったんじゃないかな。あれだけ、水が自由に出来ると言っておきながら、最後はアナログ??って感じで、ちょっとガックリしました。まぁ、法則があるという事かな。例えば、黎明号からの直線距離何メートルとか、指示が出来る距離が決まっているんだと言われれば、まぁ、それでもいいけどね。ちょっと設定が甘いなと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。内容は、それほど悪いとは思いませんでした。子供たちが自分たちの力で、何かをやり遂げたいという思いを描いていて、子供向け映画としては、良いのではと思いました。いくつかの難点はありましたが、それと相殺しても、観ていて、楽しめるのではないかなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ぼくらのよあけ」