「グロリアス 世界を動かした女たち」現在も活動を続けているグロリアさんの伝記映画です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「グロリアス 世界を動かした女たち」を観てきました。

 

ストーリーは、

大学時代に留学したインドで男性から虐げられている女性たちの悲惨な経験を見聞きしたグロリアは帰国後、ジャーナリストとして働き始める。社会的なテーマの記事を書きたいと思っても、女だからとファッションや恋愛のコラムしか任せてもらえない。そこで彼女は、高級クラブの「プレイボーイ・クラブ」に自らバニーガールとして潜入し、その内幕を記事にして女性を商品として売り物にする実態を告発し、徐々に女性解放運動の活動家として知られるようになる。

というお話です。

 

 

子供の頃、両親に可愛がられていたグロリアは、母親が若いころに記者をしていたが女性としては記事が書けず、男性名で記事を書いていたことを知る。何故、男性は社会で認められるが女性は男性の付属品のような扱いしか受けられないのか、とても不思議に思っていた。その上、人種差別や先住民への差別など、沢山の差別があることに疑問を持ち始める。

 

大学時代に、インド留学をしたグロリアは、男性から虐げられている女性たちの悲惨な経験を聞き、帰国後はジャーナリストとして働き始める。

会社で社会的なテーマを希望しても、女だからとファッションや恋愛のコラムしか任されない。そこでグロリアは高級クラブの「プレイボーイ・クラブ」に自らバニーガールとして潜入。その内幕を記事にして暴き、女性を商品として売り物にする実態を告発する。会社側は雑誌が売れたことで気を良くし、もっとグロリアに女を使えと言い始める。

 

 

社会の認識の低さに辟易としたグロリアは会社を辞め、TVの対談番組に出演するなど、徐々に女性解放運動の活動家として知られ始める。沢山の女性の言葉を聞くようになった彼女の周りには、現状への不満を抱えた女性が集まり始める。

40代を迎えた頃は仲間たちと共に女性主体の雑誌「Ms.」を創刊する。これは、未婚女性=Missや既婚女性=Mrs.とは別に、どんな女性にも使える新しい敬称=Ms.として、全米各地の女性に受け入れられていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

現在もアメリカのラディカル・フェミニズム活動家として活動をしているグロリア・ステイネムの自伝的映画です。幼少期、少女期、青年期、成人期と、主演が変わり、描いていきます。青年期をアリシア・ヴィキャンデル、成人期をジュリアン・ムーアが演じていました。

 

アメリカでは一般的な家庭に生まれたグロリアは、10歳の頃に両親が離婚し、病気がちな母親の看病をしながら育っていく。父親はとても活動的な人だったが、あまり現実を見ておらず、その日暮らしっぽい人物でした。少女期に、黒人の友人が出来たのですが、社会に存在する人種差別的な体験をし、大学時代にインドに留学した時に、男性に虐げられて苦しんでいる女性の姿を目の当たりにして、世界には沢山の差別が存在することを認識します。

 

 

最初に、女性が差別されていることを知るのは、母親が記者をやっていた時の記事を見つけたことからでした。内容は素晴らしい記事なのですが、その時代、女性の名前では記事が書けず、というか載せてもらえず、男性名に変えて記事を書いていたというのです。グロリアは、何故、男性だと良くて、女性ではダメなのかということに衝撃を受けます。そこから、同じ人間なのに男性の下に見られている女性の立場をおかしいと思い始めます。

 

そりゃ、おかしいですよね。今の時代でも、まだまだ、男女差別は酷いですが、グロリアが子供の頃には、本当に酷かったようです。現在、グロリア・スタイネムさんは、88歳だそうで、彼女が子供の頃は、日本でいえば昭和の初期になるのかな。第二次世界大戦が始まる前の時代だから、そりゃ、今のように、セクハラだとか、パワハラだとか、そんなことを訴えるような女性はいなかったのだろうと思います。

 

 

大学時代にインドに留学したグロリアは、男性の付属物のような扱いを受ける女性たちの苦しみを目にします。同じ人間なのに、何故、こんな差別を受けなければならないのか、怒りを覚えます。インドなどでは、まだまだ、男尊女卑は酷いのではないかと思います。だって、イスラムは、今でも夫以外に顔を見せてはいけないとかあるんでしょ。うーん、信じられません。ニュースで集団レイプの事件なども聞きますし、何故、そんなことが起きてしまうのか不思議です。どう考えても、女性を同じ人間として扱っていないとしか思えません。

 

そして、グロリアの女性解放運動が始まり、現在も続いているのですが、まだまだ、それは達成されていませんよね。だって、今までもブログで書いてきましたが、女性の敵は、古い考えで頭が固くなっている女性なんですから。同性で戦っていたのでは、男性との戦いが終わるわけがありません。

 

 

映画の中で取り上げられていたのは、中絶の合法に対する賛成反対でした。そりゃ、どんな女性だって、祝福されて妊娠するなら中絶なんて考えないですよ。レイプやら、望んでいない性交によって妊娠してしまうから、中絶を合法として欲しいというんです。誰も、好きで中絶なんてしませんよ。なんで解らないんですかね。自分がそういう立場に立ったらどうするんでしょ。誰もが、自分がその立場だったらと考えて、答えを出して欲しい。日本では、そういう苦しい立場の女性の気持ちが判るから、許されているのだと思いました。

 

それ以外にも、アメリカ先住民に対しての差別や、黒人差別、LGBTQへの差別など、全ての差別に対して、対抗するという運動をしていたようでした。でも、やっぱり一番は男尊女卑に対しての問題定義かな。現代でも、まだまだ、男性優位で、政治家もほとんどが男性だし、経営者もやはり男性が多い。会社でも管理職は殆どが男性という状態が続いています。

 

 

確かに女性は、一番仕事を覚えて乗ってきている時期が妊娠にぶつかってしまい、どうしてもキャリアを止めなければならないことが多いと思います。でもね、それって、男性との共同作業でしょ。女性だけじゃ妊娠しないんだから、男性が助けるのは当たり前じゃないの?そんなことも理解出来ず、妊娠したなら、仕事は出来ないねって冷たく言い放つのはおかしいでしょ。それに、きっと妊娠していても、女性の方が能力が高いと思うけど。

 

男性って、子供の頃から母親に甘やかされているから、何かやって貰うのが当たり前と思っている方が多くて、些細なことに気が付かないんですよ。だから、営業などでも気が利かないんです。良く考えてみて欲しい。何でも奥さんにやって貰っていませんか?それって、おかしいんですよ。

 

 

そんな当たり前のことを、今まで誰も訴えてこなかったという事を、映画の中でも訴えていて、唸ってしまいました。確かにそうなんです。子供の頃から親にそう教え込まれているから、それが当たり前だと思ってしまっていたということに気が付くんです。このグロリアさん、凄い人だなと思いました。
 

凄く考えさせられる映画でした。女性自身が、自分たちが男性の下であることを容認しているということに、衝撃を受けました。これは変えていかないといけないですよね。同じ人間なのに、「女のくせに」という一言で前に出ることが出来ないなんて、間違っています。私は既に、そんなことを言う男性とは戦っていますけどね。建築社会はまだまだ男社会なので、しんどい部分も多いんです。でも、負けていません。ストレスは多いですが、私、負けず嫌いなので、簡単には終わりません。(笑)

 

 

そんなことを思うような映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。ただ、彼女の現在までの伝記を、現代を描きながら、過去に戻ったりと、時間が行ったり来たりするので、そこら辺を柔軟に観ていただきたいと思います。観ていて面白いですよ。色々な経験をする彼女も、その時々に悩んでいるということが判ります。男性を批判しているのではなく、男性と並んで歩きたいと思っている彼女の姿は、素敵だなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「グロリアス 世界を動かした女たち」