「ギャング・オブ・アメリカ」マイヤーランスキーという伝説のマフィアの伝記映画です。良かったです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ギャング・オブ・アメリカ」をFan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

1981年、マイアミ。作家のデビッド・ストーンは、伝説的なマフィアであるマイヤー・ランスキーの伝記を書くことになり、ランスキー本人にインタビューをする。ランスキーの口から語られる彼の人生は、半世紀以上におよぶギャングたちの抗争の記録でもあった。そしてインタビューが終わりに近づいた頃、ストーンはFBIが3億ドルとも言われるランスキーの巨額な資産を捜査していることを知る。捜査協力を強いられたストーンは、ある決断を下すが・・・。

というお話です。

 

 

1981年、マイアミ。作家のデヴィッド・ストーンは、伝説的マフィアであるマイヤー・ランスキーの伝記を書くことになる。出された条件は、『俺が生きているうちは、誰にも読ませるな』だった。そして、インタビューがはじまり、ランスキーは自らの人生を赤裸々に語りはじめる。それは、半世紀以上におよぶ、ギャングたちの壮絶な抗争の記録だった。

貧しい幼少時代、街でサイコロを振るイカサマ師を見て、勝負には数字が重要だという事を知る。その頭脳を生かしてサイコロ賭博などをし、ラッキー・ルチアーノと出会い、禁酒法時代には、酒の密売や密輸入をして稼いでいた。

 

 

そしてマフィアと渡り合い、殺し屋集団《マーダー・インク》を組織し、ついにはアル・カポネやフランク・コステロと肩を並べる存在まで上り詰め、賭博リゾートの世界に入っていく。ラスベガスの仕事をシーゲルに任せたが、戦時中という事もあり失敗し、シーゲルは責任を取らされて殺されてしまう。

 

同時期に、選挙資金をばら撒き政財界にコネを作り、第二次世界大戦中にはドイツのスパイ工作を潰す為に、CIAの前身の組織に協力するなどしてコネを作っていた。沢山の話を聞いていくと、成功した話だけではなく失敗した話しも幾つもあった。

 

 

インタビューが終わりに近づいた頃、デヴィッドにFBIが接触し、3億ドルともいわれるランスキーの巨額資産を捜査していること知る。捜査協力を強いられたストーンは、ある“決断”を下すことになるのだが。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、伝記映画といっていいのかな。以前、”アル・カポネ”の伝記映画とかもあったでしょ。あんな感じで、マイヤー・ランスキーという伝説的なマフィアのインタビューを受けるという形式で、お話が描かれていきます。

 

 

私、マイヤー・ランスキーというマフィアの人、この映画で初めて知ったのですが、凄く知的なマフィアの方だったんですね。全て数字(確率)で勝つことが出来ると言い切るあたりが、凄いなと思いました。私の知り合いにも、どんな時でも、ほとんど一瞬で計算が出来てしまう人がいて、何で出来るの?と聞いたことがありますが、ただ計算すればイイんだと言われてしまい、頭の違いを思い知った覚えがあります。このランスキーという人は、数字を一瞬で計算していたようですね。凄かったです。

 

そして、あの、”アンタッチャブル”時代を勝ち抜いて、マフィアとして君臨し、ラスベガスやキューバなどにカジノを作った一人だったようです。あのラスベガスの”フラミンゴ”が、このランスキーさんが作ったカジノだったとは、初めて知りました。でも、私が行った時は、フラミンゴは、もう古い感じでしたけどね。

 

 

確かに、ランスキーの経歴を見ると、絶対に大金持ちで大金をどっかに隠しているだろうと思うけど、でも、話しをよく聞いていると、失敗もしているんですよ。全てが順調に言っていた訳ではないんです。ユダヤ人なので、イスラエルが故郷として、帰りたがっていたんだけど、帰化申請をしても却下されてしまい、最後までイスラエルに帰れなかったようでした。どーも、アメリカが阻止していたようなんです。彼が3億ドルを隠していると考えていたために、どうしてもアメリカから出したくなかったんじゃないかな。

 

ランスキーのインタビューを聞いているデヴィッドは、作家なんだけど作品が書けず、お金が無くて、妻とも子供とも会えないんです。何故か、ランスキーが自分を選んでくれて、インタビューが出来る事になり、これで家族とやり直せるのではないかと思いながら、ランスキーの所に来るんです。実は、このデヴィッドのモデルは、この映画のエタン・ロッカウェイ監督の父親で、本当にランスキーにインタビューする機会をもらい、インタビューした話を、映画化したようです。お父さんは小説家ではなく、歴史家だったそうです。

 

 

マフィア映画というと、凄い撃ち合いとか、殺し合いを思い浮かべるけど、この映画では、裏切り者を殺すとかの場面はあったけど、銃撃戦のような場面はありませんでした。ランスキーは、マフィアではあるけど、仲間からは信頼されている、良い人物だったのかなと思いました。FBIとかにはマークされていたけど、それ以外の敵はいなさそうでした。

 

ランスキーの私生活についても描かれていたのですが、結婚して3人の子供を授かったけど、長男が障がいを持っていて、妻は夫がギャングをやっているからバチが当たったのよ!とか言って、夫を罵倒していました。酷い言い方でした。でも、ランスキーは、とても家族思いで、自分が死ぬまで、長男の面倒は診ていたようですよ。

 

 

この映画を観ると、ランスキーという一人の人物を追っているんだけど、素晴らしく寛容で家族思いの彼の姿もあるけど、残虐非道なギャングの顔もあり、とても計算高い経営者としての顔もあるんですよね。悪い事もしているんだろうけど、彼の仕事によって、アメリカには沢山の雇用も産まれ、ラスベガスは開発され、アメリカ経済も支えられるようになっているという現実があるんです。

 

監督のインタビューにあったけど、世界には白と黒があるけど、その間にあるグレーの部分に、このランスキーは住んでいたと言っていました。確かに、白黒はっきりつけられるのは、ほんの一握りで、白と黒の間のグレーの部分は、思っているよりもずっと広いんです。そこに住んでいる人って沢山いるし、ちょっと間違えば、自分だって、グレーの中に入っているんです。その曖昧な部分を、良しとするか、悪とするか、それは、人それぞれの考え方だけど、私は、そう簡単に分けられるもんではないと思っています。誰だって間違えるし、失敗するし、悪い事しちゃったりするけど、本当は好きで悪い事をしているんじゃないんです。そういう時代に、そういう場所に生きてしまったという、ランスキーという人を描いた映画でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。映画を観た後に、ヴィキでマイヤー・ランスキーを調べました。観る前に、読んでから観れば良かった。これは、ランスキーという人物を知ってから観る方が面白いと思います。というか、映画がよく理解出来ると思います。何でそこでCIAが出てくるの?っていう場面があったんだけど、ヴィキを読んでおくと、若い頃にある事件でCIAと繋がっていたんだろうなっていう事が解ってくるし、色々な伏線がスッキリ観れると思います。そして、理解出来ると、凄く面白い人物だという事が解ります。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : このマイヤー・ランスキーさんのお孫さんが、日本でマフィアグッズ専門店を開いているそうです。名前は「ジャパン マイヤー ランスキー」です。

 

 

「ギャング・オブ・アメリカ」