「ブラックボックス 音声分析捜査」をFan’s Voice独占最速試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、乗客乗務員316人全員が死亡。さらに、事故機のフライトレコーダー、通称「ブラックボックス」を開いた航空事故調査局の音声分析官ポロックが、謎の失踪を遂げる。ポロックから調査を引き継いだマチューは「コックピットに男が侵入した」と記者会見で発表。乗客にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明したことで、マチューの分析は高く評価される。ポロックに代わる責任者としてさらなる調査を続けるマチューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞く。しかし、その音がブラックボックスに残された音と違う事実にマチューは愕然とする。
というお話です。
ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落! 乗客・乗務員316人全員の死亡が確認される。司法警察の立会いの下、航空事故調査局の音声分析官が、ボイスレコーダー、通称“ブラックボックス”を聴く。
いつもなら責任者のポロックに同行するのは、最も優秀なマチューだったが、天才的なあまり孤立していた彼は外されてしまう。マチューをハズしての捜査が進んでいくのだが、突然にポロックが謎の失踪を遂げてしまう。
引き継いだマチューは、音声の解析を進めて、「コックピットに男が侵入した」と記者会見で発表する。やがて乗客にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明。原因はテロと判明し、マチューの分析は高く評価され、責任者として調査をまとめるよう任命される。
本格的な捜査に乗り出したマチューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞いて、ブラックボックスの音と違うことに愕然とする。今、マチューのキャリアと命をかけた危険な探求が始まる。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったですよぉ。音声だけで捜査をするというところが、「ギルティ」という映画とちょっと似ているかなと思うけど、内容は全く違いました。脚本が上手かったなぁ。とても良く練られている内容なんです。なので、予想を超えて、誰が本当の事を言っているのか、よく解らなくなっていくんです。誰を疑って良いのか、あまりにも周りが敵ばかりに見えてきてしまい、もしかしたら、マチュー=自分がおかしいのかもしれないなんて思い始めたりしてしまうんです。恐いでしょ。でも、ホラーじゃないから安心してください。
最初は、マチューとポロックで、ヘリコプターの墜落事故の音声解析をしているんです。プロペラか尾翼が折れる音がして墜落するので、人為的なミスだと結論付けをするのですが、マチューは、その結果に納得が行きません。音の変化が合わないからです。確かに折れる音らしきものは聞こえるんだけど、原因は別にあるのではと、ポロックに訴えるのですが、ポロックは取り合わず、あまりにもマチューがしつこいので、次の仕事から、マチューをハズしてしまいます。この事故にも、実はという真実が最後の方で出てきます。
マチューは仕事をハズされ、不貞腐れているのですが、数日後に、突然ポロックが失踪してしまいます。そして、マチューが飛行機墜落事故の責任者に抜擢されるんです。やったぁ~って思いながらも、ポロックがどうして消えたのか、とっても気になるマチュー。そうなんです、いくら仲違いをしたからって、長年、一緒にやってきた仲間なので、信頼していたんです。
墜落した飛行機のブラックボックスの音声解析を始めると、所々に雑音が入っていてよく聞き取れないのですが、音の周波数ごとに分けたりしていくと、様子が解ってきて、”アッラーは偉大なり”という声が聞こえてくるんです。乗客名簿にもイスラム過激派の名前があり、テロによる事件だと決定づけられますが、報告書を書こうとするマチューに、乗客の夫から妻の最後の電話の声があるという情報が入ります。もう、結果は出てるけど、一応、聞いてみると、何故か、ブラックボックスの音声と違うんです。そして時間も合わないんです。これは一体、どういう事?となって、マチューは、ブラックボックスの解析にのめり込んで行くんです。
この辺りまでが導入部です。ここから、沢山の疑惑が持ち上がり、何度も行ったり来たりすることになります。導入だけでこれだけの内容ですから、ここから二転三転するので、もう、ホント、解決するのが大変なんです。でもね、飛行機事故の解明って、本当に大変なんだろうなと思いました。
日本でも日航機墜落事故を描いた「クライマーズハイ」「沈まぬ太陽」という映画がありましたが、システムトラブルなのか、人為的ミスなのか、それとも機体のバグなのか、記者たちが解明していきましたよね。この映画では音だけで解明していくんです。それが、とても面白いなと思いました。人の声、機械の音、機体の音、空調の音など、沢山の音が聞こえ、それを1つづつ解明して行くなんて、常人じゃ出来ませんよ。
飛行機の墜落には、飛行機会社の思惑や、飛行機に関わる沢山の利権が絡み合って、莫大な金が動くので、恐ろしいと思いました。どんなに行政が関わって公正な調査が行われていると言っても、人間のやることですからね。何をするか解りません。みんなが、正直に生きていれば良いけど、そうじゃないですからね。
この映画では、音声分析官の凄さも描いていますが、航空機業界の利権にまみれた汚い一面も描いてくれていたような気がします。それが、サスペンススリラー仕立てになっているので、面白かったですよ。マチューが事件解決をしていく姿に共感していると、ドキドキハラハラする場面が何度もあり、どんどん追い詰められて行くんです。誰も信じてくれないので、自分がオオカミ少年になったような気分になったりして。でも、きっと真実は明らかになると信じているので、最後まで楽しめました。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。本当は、超2コにしようかなと思ったのですが、墜落現場が綺麗すぎたので辞めました。だって、日航機墜落事故の映画などを観ているので、悲惨な状態なのは知っているんですもん。でも、ピエール・ニネの演技は最高です。顔も美しいし、感情の振れが良く描かれていました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ブラックボックス 音声分析捜査」