「Pure Japanese」をFan’s Voice独占最速オンライン試写会にて観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
アクション俳優の立石は社交性がない一方で日本文化に傾倒しており、周囲からは変わり者として距離を置かれている。一方、女子高生のアユミは祖父と暮らす土地を中国人ブローカーと地元ヤクザに狙われ、執拗な嫌がらせを受けていた。ある日、立石は偶然アユミを助け、アユミは彼になつくように。過去の撮影現場での事故によるトラウマから暴力に対するリミットをかけていた立石は、アユミを守るための相手への攻撃を肯定されたことで、抑えていた狂気を目覚めさせていく。
というお話です。
日光大江戸村で働く立石大輔は抜群の身体能力の持ち主だが、社交性がなく、一方日本の文化に傾倒している変わった男で、周囲からは距離をおかれていた。忍者ショーでも任されているのは、立ち回りではなく効果音担当。神社で人知れず、非科学的なトレーニングに勤しむのが日課だった。
同僚の送別会が行われたパブには高校生でありながら、年齢をごまかして働くアユミ。アユミが祖父・隆三と暮らしている土地一帯を県議・黒崎と結託し、中国人ブローカーに売り払ってしまおうと画策している地元のヤクザ長山組・陣内、佐伯らの姿もある。
最近、P(ure)J(apanese)キットという、日本人の純度を図る試薬が出回っていた。結果が50%と中途半端な数字だった佐伯は腹を立て、江戸村の忍者たちにも検査を強いる。その場での検査を拒否した立石だったが、自宅でPJキットを使用してみると、数値は100%。何故か湧き上がる高揚感。
立石はショーである役に参加することになるが、アユミたちが見に来ているとき、派手に失敗してしまう。立石が立ち回りをできないのは過去に参加していた撮影現場でおこった事故によるトラウマで暴力に対するリミットをかけているのであった。
アユミの家には相変わらず嫌がらせが続いていた。ある日、隆三が怪我をし、入院する。アユミと立石は黒崎の仕業だと思い込み、黒崎の事務所に乗り込むが、しらをきられ怒りを爆発させた立石は黒崎事務所を破壊する。立石は初めてアユミに己の暴力を肯定される。
アユミの家の敷地は重機が搬入され、強引に掘削が着手される。アユミは立石に助けをもとめ、立石は今まで封印してきた暴力衝動を爆発させるのだった。(公式HPより) 後は、映画を観てくださいね。
この映画、最初は真面目に観始めたのですが、あれ?ちょっと?これ、なんかおかしくない?って思ってたら、どんどん不思議な方向へ。なんか、Vシネマと古い任侠映画を足して割ったようなストーリーと構成で、笑っていいのか、真面目に観るべきなのか、悩んでしまいました。でも、PJキットなるものを使い、純日本人だって証明出来た主人公の立石を観た時、思わずププッと吹き出してしまい、これは笑って観ていい映画なんだなって思っちゃいました。ちょっと、園子温監督の「地獄でなぜ悪い」のような感じで、楽しんでしまおうと思いました。
で、ちょっと変わった男の立石。イケメンなのにどこかぎこちなくて、無口だし、不愛想で、可愛くないなぁ~って感じなんだけど、アクションを練習している時は、カッコイイのよ。そりゃ、ディーン様が演じているのだから当たり前なんだけどね。そんな彼が、女子高生が虐められているのを見て逆上し、助けに入るところから事件が始まります。
時代が違うじゃんって思うけど、何故か、今どき、土地を地上げして中国に売っ払おうとして、ヤクザと政治家が絡んできます。もー、ヤクザが一般人を脅したりしたら、直ぐに警察に捕まる時代なのに、やりたい放題。不法投棄したり、政治家もヤクザと組んで、住民に飲み食いさせたり、日本の法律なんて忘れちゃった町でした。でも、Vシネとかって、こんな感じでしょ。古い日本の映画も、こんな感じだったと思うので、このピュア・ジャパニーズって題名は、日本の古き良き時代の映画も再現してるって感じなのかしらと思いました。
まぁ、そんな映画なので、真面目に観ていると、どう考えてもあり得ない場面が沢山出てきます。でも、楽しかったですよ。場末のスナックみたいな所で、アユミがホステスとしてアルバイトをしているんだけど、同じ町中なんですよ。どう考えても誰かに見つかって、高校にチクられると思うけど、そんなこと無いんです。
アクションは凄かったですよ。立石の殺陣っていうのかな、それも、他の方々と合わせて凄いんだけど、どうしても最後の最後で、立石はトラウマがあって、昔の恐い事を思い出してしまい、動けなくなってしまうんです。だから、主役とかを貰っても、最後まで満足に演じられないので、いつも降板させられてしまうんですよ。可哀想でしょ。
昔、アメリカでアクション俳優をしていたらしいという描写があり、どーも、その撮影時に事故があったみたいで、それがトラウマとなり、最後のアクションをするのが怖くなり、自分で封印してしまうらしいんです。それじゃぁ、アクション俳優は出来ないわよね。村上さんがちょっとだけ出演されていて、アメリカでの立石の事を思い出す役でした。村上さん、好きなのにちょっとだけだったなぁ。
そんな立石なので、アユミを助けなきゃいけないのに、敵を倒せないので、やられっぱなしになっちゃいます。出来ないなら、なんで助けにでてくるのよぉ~って思うけど、それがヒーローのサガなんでしょうねぇ。どうしても出てきては、痛めつけられるという、ちょっと笑っちゃう展開になります。でも、さすがに途中でキレて、闘うようになりますけどね。そこまでが、結構、長かったです。
悪人の役の方たちが、あまりにも悪い奴ですよーって人たちで、ここも笑える要素でした。別所さんって、本当に良さそうな方なのに、とっても悪い政治家になっていて、それも笑っちゃいました。別所さん、悪い事しちゃダメですよぉ~。そんな事してたら、ショートフィルム作れなくなるからねぇ。(笑)
アユミ役の蒔田彩珠さん、最近、良く出るようになってきましたね。美人系ではないけど、味のある役者さんで、これからが楽しみです。今回も頑張ってました。
こんな設定で、さて、最後にはどうなっていくのか、私はちょっと笑いながら観てしまいましたが、この観方でよかったのかな。でも、楽しかったですよ。真面目に観ていると、ちょっと違和感のある内容と演出なので、それを楽しみながら観た方が、きっとよいんじゃないかなって思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「Pure Japanese」